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みんなと同じことをして消耗してない?「noteにコメント文化がない」という事実から見る「逆行のススメ」

自己紹介

テリー伊藤氏に師事し、「出動!ミニスカポリス」でデビュー。「がっちりマンデー!!」「給与明細」など、経済から裏社会まで社会の深部を切り取る番組を多数手掛ける。2008年からのドイツ生活を経て、現在は「ガチ中華」をはじめとする異文化・ニッチジャンルのSNS運用代行・戦略立案に従事。

① noteには、コメント文化がほとんどない

 先日、あるnoteの記事を読んでいて、ハッとする言葉に出会った。

「noteには、コメント文化がほとんどない」

  確かにそうだ。X(旧Twitter)やYouTubeのコメント欄は常にガヤガヤと賑わっているのに、noteのコメント欄は驚くほど静かだ。実際、私の直近のデータを見ても、コメントは片手で数えるほどしかついていない。

 これは1万人を超えるクリエイターですら同様の現象である。「いいね」は押しても「コメントはしない」読み捨て御免!の文化とも言えよう。

だが、ちょっと私は思った。 「誰もコメントしない。だったら、あえて自分がコメントしまくったら、めちゃくちゃ嬉しいんじゃないか?」人はとかく「自分を見てくれる人が好きだ」からだ。

 そんなことを思い、今回のテーマは、みんなが右を向いている時に、あえて左を向く「逆行のすすめ」についてである。


② 「誰もやっていない」は、最大のバグでありチャンスである

 ビジネスの世界でもメディアの世界でも、みんなが同じ方向へ一斉に走り出す瞬間がある。 今なら「AIで自動化」「10分でできる時短術」「万人受けするテンプレ」そして街を見渡せば「麻辣湯をオープン!」なんてものもある。 確かにそれらは旬だし、ニーズもあることだろう。流行り(トレンド)に乗るのは手っ取り早い。

 しかし、全員が同じテンプレートを使い、同じように右へ倣えをした結果、何が起きているか。 市場の「均質化」だ。どこを見ても同じような顔、同じような言葉、同じような企画。そんな「レッドオーシャン」の中で、大声を張り上げて自分の存在をアピールするのは、想像以上に体力を消耗する。

 そこで「逆張り」の思考だ。 みんなが「タイパ(タイムパフォーマンス)」を求めて140文字のSNSに群がるなら、あえて「じっくり読ませる長文」に張る。みんなが「自動化」に走るなら、あえて「泥臭い手作業」に張る。まさにこのnoteというプラットフォーム自体も、その逆張りの価値を持っている一つの場所かもしれない。

 「noteにコメント文化がない」のなら、自分が熱量のあるコメントを残すだけで、相手のクリエイターの記憶に焼き付く。なぜなら、そこにはライバルが「ゼロ」だからだ。

③ 時代の逆張りが、次の時代の「主役」を連れてくる

 では具体的ないくつか歴史的な例を挙げてみよう。

 1990年代初頭、日本はバブル経済に浮かれ、クリスマスはどう過ごすか、どの高級ホテルや高級レストランに行けばいいかというギラギラした情報で溢れかえっていた。しかし、この時にミリオンセラーとなったのは、あえて無一物の美しさを説いた『清貧の思想』(中野孝次著)だった。

 そして私の師であるテリー伊藤さんもまた、この逆張りの天才だった。 1980年代後半、テレビ界は空前のバンドブーム。番組『イカすバンド天国(通称・イカ天)』が大ヒットし、猫も杓子も楽器を持ってステージを目指した。 普通なら「うちも第2のイカ天を狙おう」とブームに乗っかった企画を考えるところだ。

 だが、伊藤さんは違った。ブームの熱気を見つめながら、その背後に潜む「巨大な空白地帯」を鋭く突いた。 「みんなが楽器を弾けるわけじゃない。もっと敷居が低くて、楽器なんか弾けないけれど、エネルギーが有り余っている若者たちが輝ける場所はないか?」 そうして生まれたのが、あの社会現象となった『ダンス甲子園』だった。

 若い人にもピンと来る例では、iPhoneやバルミューダだって構造は同じだ。かつて家電メーカーはボタンの多さや多機能化を必死に競っていた。そこへ、あえて機能を限界まで削ぎ落とし「直感操作」や「トーストを美味しく焼くこと」だけに特化したプロダクトをぶつけたからこそ、一気に市場をさらった。デフレのド真ん中で、あえて圧倒的な高級路線へ舵を切って勝った星野リゾートも同様だ

 もちろん、ここには的確に時代を読む能力が必要だ。 でも、時代を読んだ上で「みんなが右へ行くなら、あえて左の逆を行く」。そうすれば、そこには誰も歩いていない新しい道が見つかるのではないか。

④私の中の一番の逆張り「どうやって放送作家になったのか?」

 かくいう私の逆張り例を挙げよう。私はこれまでの人生で「どうやって放送作家になったんですか?」と1800回ぐらいは聞かれた。それは今思えば、逆張り戦略をしたからだ。当時、扶桑社からViewsという雑誌で師匠のテリー伊藤さんが放送作家を募集しているのを見つけた。

昔の河田町時代のフジテレビをバックに
「ロコモーションは自衛隊と同じでように
随時スタッフを募集中である」

ブラック企業の匂いがビンビンな内容w
けど私はそこで生きてきた

 学生の私は記事を真に受けた。そうか、企画書30本書けばいいのか!と。そこで数日掛けて、企画書を30本を書くのだが翌日になると、「これはつまらないんじゃないか?」と感じてしまった。ヤバイ!このままでは私は作家になれない。もう、みんな(当時の就職活動の)リクルートハガキ出してるのに。。。その頃、丁度伊藤さんがニッポン放送で「芸能ダマスカス」という土曜の朝8時から11時までのラジオ番組をやっていた。

 今も昔も、若者が聴くラジオといえば『深夜ラジオ』が定番だ。だが、この番組は土曜の朝という、学生が一番起きていない時間帯だった。別の言い方をすればライバルがいないのだ。

 さらに番組にはハガキのコーナーがなかったけど、勝手にハガキを送って読んでもらおうとした。その根底には私はいきなり企画書を出しては「つまんねーなー」と言われないように名前を憶えてもらってそこで初めて企画書を出そう!と人情作戦に打って出た。(そんな文化はないけど勝手に作るのだ)結果は見事に成功。人はファンを大事にするのだ。コーナーなどないけど毎週私のハガキが読まれた。

 すると何週もやってるとラジオで「今日も島津から来たよ」と「今日も」言ってもらえるようになった。確実に名前を認識してもらったと思った。その後に私は企画書を持ち込み、作家デビューを果たすことになる。

ちなみにロコモーション出身の作家には「そーたに」「おちまさと」「田中直人」「村上卓史」「堀江利幸」と一度はクレジットで見たことがあるだろう作家のエリート集団しかいない場所に潜り込んだ。(それだけテリー伊藤さんが人を育てた、という見方も実はある。)
 言うなれば、日本のエンタメ界のトップ1%しかいない怪物集団の末席に裏口入学の如く、潜り込んだのだ。


⑤生成AI時代だからこそ、人間が汗をかく

 今、世の中は圧倒的なデジタル・効率化の時代だ。だからこそ、アナログな「レコード」や「チェキ」(ポラロイドカメラのおしゃれなやつ)が逆張りとして若者にブームを起こしている。

 ならば、生成AIが数秒で「減点のない綺麗な正論」を量産する今の時代において、人間の逆張りとは何か。 それは、AIには絶対に出せない「泥臭い生々しい失敗談」や「誰かのために、わざわざ自分の時間を割くこと」ではないだろうか。

 話は最初に戻るが、だからこそ、誰もコメントをしないnoteの街で、あえてあなたが残すコメントは強烈に嬉しいのだ。「私のために、この人はわざわざ時間を割いてくれたんだ」と。

 きっと、誰かの心を動かす本気のコメントを付けるために、いちいち生成AIを使う人はいないだろう。全員が右を向いて「効率化」に走る今だからこそ、あえて左を向いて、泥臭く生身の言葉を届ける。そんな「逆行」ができる人こそが、次の時代の覇者になるのではないだろうか。


【最後に】 もしこの記事を読んで参考になったと思った方は、ぜひコメント欄に泥臭い生身の言葉を残していってください(笑)。いいね、フォローも大きな励みになります。

【次回予告】
あるNoteを読んでいたらこんな文言があった。 
「本番を上手にこなすには、日常で積み重ねてきたものだけです。だからこそ、本当に重要なのは「日常の過ごし方」
なのです。
 一理あるんだけど、片手落ちだなと感じて、こんなテーマで書いてみた。
「勉強熱心」で「準備万全」のつもりでもいまだにロケ前は不安である。

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