#41 その「緊急」は、いつ生まれたのでしょうか。
長い間、
私は「緊急で、かつ重要なこと」に
追われる仕事をしてきました。
品質保証という仕事は、
問題が起きた瞬間に
最前線になります。
止める。
判断する。
説明する。
再発を防ぐ。
どれも、
今すぐやらなければならない。
そして、間違いなく重要なこと。
気がつけば、
一日のほとんどが
第1領域――
「緊急で重要なこと」で
埋まっていました。
それが仕事なのだと思っていましたし、
それをやり切ることが
責任だとも思っていました。
40年近く
そんな時間を過ごしてきて、
最近になって
一つのことに
立ち止まらされました。
第1領域と第2領域の違いは、
「重要かどうか」ではなかった。
どちらも、
間違いなく重要なことだった。
違っていたのは、
それに、いつ向き合ったか
ただそれだけだったのではないか。
緊急ではないが重要なことは、
今すぐ困るわけではありません。
だから、
「今の課題ではない」
ように見えます。
けれど、
見えていないだけで、
消えているわけではない。
それは、
静かに時間をかけて、
いつか必ず
「緊急」に姿を変えます。
思い返してみると、
あのとき
もう少し早く
手をつけられたはずのことが、
いくつも浮かびます。
忙しさの中で、
後回しにしたこと。
「今じゃない」と
判断したこと。
その多くが、
後になって
第1領域として
目の前に現れました。
だから最近、
こんな問いが
頭から離れません。
緊急なことに
追われているとき、
私は本当に
「不運」だったのだろうか。
それとも、
ずっと前の
選択の結果だったのだろうか。
ここで、
最初の問いに戻ります。
その「緊急」は、
いつ生まれたのでしょうか。
もしかするとそれは、
今日ではなく、
ずっと前の
「やらないと決めた日」
だったのかもしれません。
