見出し画像

そのままで、十分な食卓

年末年始から、いまだに夫の飲み会が続いている。
…そろそろ落ち着こうや。
変則勤務もあり、夕食の時間に家族が揃う日は、もともと少ない。

「今日は飲み会だから、パパいないよ」

その一言で、子どもたちの表情がほんの少し変わる。
大きなことではない。
でも確かに、そこにある小さな寂しさ。

世の中では、
夫がいない日のごはんは手抜きになる家庭が多いらしい。
納豆ごはん、レトルト、パスタ。
楽をする日、回復する日。
それでいいと思う。

でも、我が家はなぜか逆なのだ。

きっかけは、長女が2歳の頃。
職場のベテラン主婦さんに言われた一言だった。

「旦那がいない日こそ、最高のご馳走を作るのよ〜」

当時は衝撃だった。
家族が揃う日こそちゃんとする。
夫がいない日は、控えめでいい。
それまでの私は、そう思って生きてきたから。

それなのに今、
夫がいない夜に、
いつもよりネタが豪華な手巻き寿司を並べたり、
揚げたての唐揚げを山盛りにしている。

娘と私が食べたいものだけが並ぶ、
少しだけ、わざと賑やかな食卓。

正直に言えば、
「夫より楽しもう」
そんな小さな対抗心も、最初はあったと思う。

でも、だんだん気付いてきた。

これは勝ち負けじゃない。
当てつけでもない。

残った私たちが、ちゃんと楽しく過ごすための工夫。

私が笑っていると、
子どもたちも、いつの間にか機嫌がいい。

「今日はどうする?」
娘たちの弾んだ声が、自然に出るようになった。

だから私は、
夫がいない日のごはんを
“ご馳走”にする。

午前様が当たり前だった夫も、
「楽しそうだな。ちょっと残しておいて」
そう言って、
子どもたちが起きているうちに帰ってくる夜が増えた。

「パパにも食べさせてあげよう」って言うから、
いつもお供えサイズで残している。

夫がいない夜は、
不在を埋めるための時間じゃなくて、
残った家族を守る時間。

今日の食卓は、
そのままで、十分。

いいなと思ったら応援しよう!