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高島屋史料館「団地と映画」展、そして団地団『世界は団地でできている 映画のなかの集合住宅70年史』(毎日読書メモ(587))

団地団『世界は団地でできている 映画のなかの集合住宅70年史』(集英社新書)を読んだ。書店の店頭に山積みされていたのに呼ばれてふらふらと。
かねてより団地オタクとして有名な写真家・ライターの大山顕さんが、団地に興味を持つ文化人を集め、団地トークなどをしているクリエイター・ユニット団地団、現在のメンバーは大山顕、佐藤大(放送作家・脚本家)、速水健朗(ライター・編集者)、稲田豊史(ライター・編集者)、山内マリコ(作家)、妹尾朝子(漫画家)。

映画を中心に、団地を舞台、テーマにした創作作品を色々取り上げ、団地がどのように見られ、語られているかを、それぞの角度から論じている。古くは小津安二郎映画、或いは森田芳光「家族ゲーム」、団地を舞台に死闘が繰り広げられる大友克洋「童夢」、最近だと記憶に新しい、藤野千夜『団地のふたり』『また団地のふたり』(そしてそのテレビドラマ)、同じくテレビドラマになった水凪トリ『しあわせは食べて寝て待て』(原作は漫画)、ずばり団地がタイトルに入っている、にっかつロマンポルノ「団地妻」とか。
わたしはそんなに映画を見る方ではないので、団地映画と言われて、へぇこれもそれも団地映画と呼べるのね、と面白く読む。

団地について語るということは、時には家族を、社会を、階級を語ることになるのです。

「団地と映画」展チラシより

ちなみに団地団が選ぶ団地映画賞、主演「団」優賞は是枝裕和「海よりもまだ深く」、助演「団」優賞はジブリ映画「耳をすませば」(柊あおいの原作漫画では主人公雫は一軒家に住んでいるのが、映画になったときに団地の子になったらしい)。

団地映画十二分類、というのがほんの中でベン図になって紹介されている。これは、高島屋史料館TOKYOの「団地と映画」展(2025/3/12-2025/8/24 日本橋高島屋4階、高島屋史料館、入場無料)では巨大なパネルで紹介されていて、そこに団地団メンバーが色々書き込みをしている。超興味深い。

追記:火曜日休館(8/19)。8月20日(水)は高島屋日本橋店全館休館。残り日数が少ない!

高島屋資料館入り口
入り口に、団地団メンバーのポストがある。
マンホールっぽくしつらえられたキャプション


そして巨大な「団地作品12分類」に書き込み沢山!

団地映画の切り口として紹介された12分類は、「自然/環境」「猫」「団地の消滅と再生」「宇宙」「侵入・脱出」「隔絶したコロニー」「湾岸」「地霊と設備」「新しい家族像」「妻たちの孤独」「日常/平凡」「子供と特殊能力」
たとえばスペースコロニーが作られた近未来の宇宙を描く「機動戦士ガンダム」も団地映画(笑)、エヴァンゲリオンの綾波レイも団地に住んでいる。品川の八潮団地の中で完結した生活から出ていくか出ていかないかで悩む、嵐主演の映画「ピカ☆ンチ」もばりばりの団地映画。
日本の高度成長が団地の建設ラッシュと共にあり、戦後、憧れの生活の場として作られた団地が、陳腐化し、老朽化し、脱出したい場所となっていく経緯が、それぞれの時代の映画のなかで表現されている。

愛知県春日井市・高蔵寺ニュータウンの団地に住む、建築家津端修一夫妻の生活を描いた映画「人生フルーツ」(2016年)は、公開された頃に新聞記事で見かけて気になっていた映画だった。どこかで見られるかな?

『世界は団地でできている』の奥付、作者紹介のところに、「2025年3月12日から8月24日にかけて高島屋史料館TOKYO四階展示室で「団地と映画ー世界は団地でできている」を開催。、と書いてあって、そんな、第一刷発行が8月13日の本で、あと11日で終わっちゃう展覧会の紹介をするなよー、と思った。実際、展覧会行って、窓口のお姉さんに「この本で紹介されていて、展示のことを知って来たんです」と伝えたら、展覧会を見てから本を買う人はいたけれど、逆の人は初めて、と言われた。せめてもう1ヶ月早く刊行されていればよかったのにねぇ。

緻密な文字情報にあふれたチラシも、団地映画12分類の書かれた補助資料も、永遠保存版にしたい、情報の宝庫。


主演「団」優賞は、是枝裕和「海よりもまだ深く」の旭が丘団地

そして、高島屋の向かいの、丸善日本橋店でも、タイアップ企画(2階の書籍売り場の棚の一部を団地作品が占拠!)。

妹尾朝子(うめ)さんの描いたポップが入り口に貼ってあった。


丸善の1階エスカレーター前で『世界は団地でできている』平積み! ここにも妹尾朝子さんのポップ。


特集コーナー「団地と映画 もっと楽しむ29冊」左上に置いてある黒いブックガイドも、永久保存版なナイスな資料だった。
どの本も面白そう!

団地団の初期の作品。

かつて団地団メンバーだった久保寺さんの本。映画化もされている。

ああ、この恐ろしい小説もそういえば団地小説…わたしの感想

この本も読みたい!

これも前から気になっている本。

「団地と映画」展も、丸善の特別展示も今度の日曜まで。
興味のある方は是非!

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