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What was I made for?

ラジオからBillie Eilishの"What was I made for"が流れてきて、ギターの日々が終わる前、最後に歌っていた曲だったなとぼんやり思い出した。

生きる理由なんてものは、内発的には成立しなくても外発的に生成されてそれが可能な、安全を脅かされない状況である限りは、何とか自分を維持しようと私は手を尽くしてきた。
できることはした、そして私がこの世界でなすべきこともなしうることも終わった、だからもう解放されていい、時が来た。

人権委員会が終わった時、決まった。

突発的衝動的なこと、「お気持ち」ではなく、方法も含め考えを尽くして準備してきたことだ。
それでも状況が変われば、適応する気でいたみたいだった。ほんの数週間前にもね。よほど無駄が嫌いなんだろう。
けれども変わることは、悪いほうにしか無かった。パンデミックはマルチデミック化し、麻疹SFTSヒトヒト感染人喰いバクテリアと既に海外で起きていたことが身近で動き出す兆候が出ているにもかかわらず、正常化バイアスと思考停止と強者の都合で標準化され正当化されたノーガードは美しくこの国・民の「この道しかない」であり続ける。
加害を避けることなど到底不可能。延々と突きつけられ続けるリスク、理不尽、暴力。ループ。次の年を作ってはいけない。うんざりだ。

消えゆく者の現状の健康に問題がなかったとしても、たとえ物理的能力的にはできたことがあったとしても、それはもうできる状態ではないし、何より殺していただいてまで生きることこそが最も不毛なのだ。

臓器提供をすれば役に立つところもあるんだろうけど、私は絶対、こんな世界に自分を残したくない。臓器に精神が宿るのかはわからないけど、他者の体内でまで「私」だったものが残り続けるなんて、考えるだけで戦慄する。
検体も、それが可能な状態で収容されたら手続きの後、に入れられる。どんなに嫌だと言っても無縁仏にしてくれと懇願しても(もう言える状態ではないけど)避けられない。死んだ後にまで縛られ呪われ続けるなんてまっぴらごめんだ。
というかそもそもそれらが成立する状態で私は終わらない。

私はなるべく見つけられないように、少しでも遅くなるように気をつける。「絶対」は無理だろうけど、可能性を上げるためにできることはする。特定に繋がるものは持っていかないし持参する電子機器の電話帳にははじめから誰も登録していない。道中で資料を公開にした後は端末内のデータもリセットする(プロはどの程度復元できるんだろうね)。ドリルは持っていないけど水を浴びる時に一緒に濡らせばより確実かな。感染対策も何でも、組み合わせることが大切。単体では不十分なものであっても重ねて可能性を上げるんだよ。

所属も無くなり周囲との繋がりも切ったから、「連絡がとれなくて」で動かれることはない。
おそらく家賃の振り込みがない→電話連絡、電話が不通で一ヶ月+α後に管理会社が部屋の鍵を開けて、の流れになるだろうから、その時のために振り込めなかった分の家賃と部屋の物の片付け分の現金を置いておこうと考えている。室内で腐乱しなければ事故物件にせずに済む。他への影響は最小限に抑える。

元々帰ってくる気満々で出かけて遭難する人間だっているんだ。不慮の事故的だけど何故か解錠その後の準備がしてあった不可解な失踪行方不明で片付いて、身体は収容されずにひとり静かに大地に還るのが理想だ。実際は獣に喰い千切られてしまうんだろうけど。せめて事切れた後にして欲しい。

部屋に書き置きは残さない。そこにあっても全く意味がないから。

ここの資料が公開になっている時、私はもう戻らない。どこに行く、いるのか、知り得る人間はどこにもいない。

はじめから、ずっと、独りだったから、最後も独りで、安心して旅立つ。
もう誰にも何にも危害を加えられることのない世界を夢見て。この世で望みが叶うことなど無いのだから。
ただ静かに、脅かされることなく穏やかに、ゆっくり眠りたい。

延々と続く理不尽や暴力のループ、何の見込みも光も無い不毛な世界、絶望生き地獄から逃れられるのなら、少なくとも今よりはずっと幸せ。

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