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2025年4月に観た映画の感想

あらすじ程度のネタバレがあります。特にオススメの映画にはタイトルのうしろに🌟つけてます。みた順で書いています。
以下のマガジンに他の月のぶんもあります。

『ハミルトン:歴史が君を見つめている』

©2025 HAMILTON AN AMERICAN MUSICAL

ディズニー+で字幕版をみました。
コロナ禍での映像配信開始に際した、『ハミルトン』キャスト(監督)へのインタビュー映像です。舞台の初演からも5年ほど経ち、アメリカの(というか世界の)情勢も変わり、劇場が閉まり、いま作り手と演じ手は何を思うのか……という内容です。
あんまり喋っていませんでしたがちゃんと歴史学者呼んでるのも偉いですね。じつはこの映像を見るまで(つまりハミルトン本編のみを見ていた時点で)ちょっとアメリカに酔いすぎじゃないかと勝手に心配していたのですが、演者の一人の言っていた「ハミルトンを通して感じる愛国心が見せる米国の姿は昔も今も存在しないものだが、その国が存在するよう努力する必要がある。公演時点では前進していたように思えたけど、いまは方向性を失っている。昔より危険ではなくなったかもだけど、何かがより悪くなっている……」というお話にだいぶ救われました。この映像みてなかったら人にお勧めする感じですらなかったかも(詳しい感想は以下で話しています)。

この作品のキャストは有色人種のなかでも特にブラックルーツの方が多いですが、「肌の色だけを理由に自分の命の価値が軽んじられている」という切実な不安を持たねばならないシステムの中で生きるのは本当にしんどそうだなと言葉の端々から感じました。こういうスターたちですらもそう思いながら生きてるっていうのもつらいですし、私は日本ではマジョリティなので実感していないだけでこういう危険を感じながら生きている人は日本にもたくさんいるのだと思います。
出演者はとにかく「歴史について考えるきっかけになれば」と言っていて、それは確かにそうなんですがここまで人気が出て、かつ語っていないこともあるし、フィクションの部分もあるとなるとやはり「きっかけになれば」だけじゃダメですよね……。彼らはこの思想の上で学校教育における歴史教育をサポートする活動なども行っているので、社会責任果たしていて偉すぎるなと思いました。
ただこの辺の意図が受け取り手にどこまで伝わっているかは謎ですね。子供達には伝わっていると願いたいです。

The Undefeated presents: 徹底取材!ハミルトン』

©2025 HAMILTON AN AMERICAN MUSICAL

ディズニー+で字幕版をみました。
こちらも先の映像と同じくzoomでの座談会。時代を感じます。
『歴史が君を見つめている』と内容はかぶりますが、演者個人のお気に入りのナンバーを聞けたり、そちらに出ていなかった演者が出演しています。アーロン・バー役のレスリーとかはおんなじ内容話してて愛おしいです。
またファン(おもに子供たち)から届いた映像をみんなでみていたりと、この『ハミルトン』という作品が若者(子供達)の方を向いたものなのだという事実が提示されておりかなり良かったです。子供を持つキャストも少なくないようですし、何よりも彼ら自身がマイノリティなので、「遅いかもしれないけどやらないよりはマシ」と思いつつアートにできる形で差別の解消を推進していく姿勢が素敵でした。

エドワード・ベルガー『教皇選挙』🌟

2024 Conclave Distribution, LLC.

映画館で字幕版をみました。
教皇選挙(コンクラーベ)を舞台にした、密室?ポリティカル・サスペンスです。ずいぶん話題になりました。クィア・ムービーであり反家父長制の映画で、「俺たちはとにかく間違いながら進んでいくしかない」という切実な話をストーリーの面白さと画面の美しさでお届けする稀有な完成度の映画です。サスペンスとしても面白かったです。音楽も素敵だったので、映画館でみたほうがいい映画ですね。
公開当初から「クィア・ムービーだ」という声がよくあがっていましたが、ラストでやっと理解しました。おじさんたちがみみっちい争いに生涯をかけていることへの回答がラストの展開なのはある意味カタルシスではありますが、女が召使じゃなくなるまで一体あとどれほどの時間を要するのでしょうか。あの人の任期中になんとかできますかね。確信こそが進歩への妨げだ、という話はそうでしょうねと思いました。揺れ動くことでしか我々はなにかを打開できない…
以下ネタバレあります。
神の作ったものを変えるのは…という話では「本当の男性」というものが存在しないという議論にはなりえますが、トランスジェンダーの性別移行手術とかどうすんねんという話はあり、議論の提示としては片手落ち感が否めませんでした。これがアイデンティティの話であればまだしも、あの人の言い分的にはガワとしての身体を被造物として指していたと思うので、彼の言葉は全ての人に語られてはいないでしょう。そこまでやってやっと「存在しない」女性たちの話まで拾えるのではないか?展開的に驚きが大きいがゆえにお話としては面白いんですが…。彼も(劇中で議論になったように)当たり前に完璧ではなく、教皇とて欠点はあるし本当に「全ての人々に祈りを届ける」がまだまだ先ですみたいな話なんでしょうかね。そこまで考えてんのかな…
雑多な感想として、大学でラテン語の講義をとっていた身としては流暢にラテン語を話している人々(しかも日常会話!)を初めて見たので普通に感動しました。ラテン語って話せるんだ…

ジョン・M・チュウ『ウィキッド ふたりの魔女』🌟

© Universal Studios. All Rights Reserved.

映画館で字幕版をみました。
原作および舞台版はほぼノータッチで観にいきました。良かったですが、これはかなり後編次第という感じですね…
『オズの魔法使』の世界を舞台にした二次創作的な作品で、『オズ』の魔法使いと西の魔女、そして「善い魔女」グリンダの過去を描きます。主演のシンシア・エリヴォがとにかく素晴らしかったです。
内容は後編みないと何とも言えませんが、クラブでのダンスシーンではグリンダが彼女の意思に関係なく全てgoodと捉えられる呪いにかかってるとしか思えなくて怖かったです。周りの人たち、手のひらクルクルしすぎではないでしょうか(それも呪いか)。

ヴィクター・フレミング『オズの魔法使』

(C) 1939 Turner Entertainment Co. and Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

U-NEXTで字幕版をみました。やっとみた…

竜巻に飛ばされて、ドロシーが迷い込んだのはオズの国。“脳みそのない案山子”、“ハートのないブリキのきこり”そして“勇気のないライオン”と共に旅をする。故郷に帰るという願いを叶えてもらうために、ドロシーと愛犬トトは黄色のレンガ道を辿りながら、オズの魔法使を探す。

https://www.warnerbros.co.jp/home_entertainment/wpvkpa9p73/?title_id=3898

『ウィキッド』をみてからだと「これって…」の連続でちょっと寂しい思いでした。ジュディ・ガーランドがレべチだったのと、やはり「虹の彼方に」はレジェンドでした。
Th.D(思考学)、私にもください。

レニー・アブラハムソン『FRANK フランク』

2001 - 2025. Magnolia Pictures. All Rights Reserved.

U-NEXTで字幕版をみました。

ひょんなことからあるバンドに加入することになった青年ジョン。バンドのリーダーのフランクは、四六時中、奇妙な被り物をしている謎めいた男だった。バンドメンバーはそんなフランクに信頼と尊敬の念を寄せており、ジョンもまた、破天荒な魅力をもつフランクに次第にひかれていく。そんなある日、バンドの映像がインターネットで話題を呼び、アメリカの大型人気フェスに招かれることになるが、そのことをきっかけにフランクの調子がおかしくなり、バンドは解散の危機に。ジョンはフランクがなぜ被り物をしているのか、フランクの過去を探り始める。

https://eiga.com/movie/80487/

フランクのビジュアルに目を引かれてしまいますが、話の方向性としては「アートと精神疾患の結びつきとどう向き合うか」という感じです。このへんのテーマの(不)適切な描き方はちょっとわからないのですが、いかに「天才」「孤高」というイメージとメンバーや周りの人間が付き合っていくかという部分はアート活動をする集団やアーティストのサポーターは考えなければいけない問題でしょう。フランクの両親が「フランクの疾患と音楽の才能は別」と言い切っていて、「精神疾患を抱えているからこそ素晴らしい音楽が作れているのだ」というようなある意味で疾患を神聖視するような向きを諌めていてよかったです。
なんかおしゃれな映画でかっこよかったのと、ドンがイケてました(ビジュアルが好きです)。良喫煙シーンあります。

エドワード・ベルガー『教皇選挙』

2024 Conclave Distribution, LLC.

映画館で字幕版をみました。2回目。
1回目はあまり落ち着いて見られなかったのですが、内容も入っているので細かいところにも注目しながらみることができました。やっぱレイフ・ファインズってかっこいいです。
2回とも映画館でみましたが、このタイプの映画にしては異様な人の入りようでびっくりしました。普段ガラガラの映画館ばっか行ってるのでより落ち着かない感じでした。日本人の洋画離れがよく叫ばれる現代ではかなり希望だったのではないでしょうか。

グレッグ・クウェダー『シンシン/SING SING

© GAGA Corporation. All Rights Reserved.

映画館で字幕版をみました。

本作はNYに在る最重警備の収監施設<シンシン刑務所>で、舞台演劇を通して収監者の更生を目指すプログラム 「RTA」に取り組む中で育まれていく、友情と再生を描いた、感動の実話。主要キャストの85%以上が実際にシンシン刑務所の元収監者であり、演劇プログラムの卒業生及び関係者たちで構成されるユニーク且つ挑戦的なプロジェクト。

https://gaga.ne.jp/singsing/about/

ということで、さきに上の情報を知っていると出オチ感が否めないのですが、エンドロールをみるとやはりカタルシスを感じられるいい映画でした。
劇中に『リア王』を読んで「素晴らしい。このシェイクスピアとかいうやつは刑務所に入ったことがあるに違いない」と話す登場人物がいましたが、文学受容の才能がありすぎて嫉妬しました。黒人差別を語る時、もうほとんどの人が「システム」という言葉抜きでは語りませんが、この映画はそれがよく現れていたと思いました。公的な組織制度としてもそうだし、社会に蔓延する空気感もそう。そんな社会のせいでこういう才能が見過ごされてしまう…
この映画はその負の連鎖に抵抗可能だという事実を、映画の登場人物たち自身が自身を演じることによって示していだと思います。キャスティングこそが最も効果的で最も重要な意味を持っている。
余談ですが、エンドロールの最後に「受刑者更生支援に興味がある人は〜へアクセスしてください」というような文章が出てきたのですがそこだけ字幕がついておらず、映画のテーマ的にそぐわないのでは?と思いました。なんか載せられない理由とかあるんでしょうか…

アリソン・クレイマン『ホワイト・ホット アバクロンビー&フィッチの盛衰』

©Netflix

Netflixで字幕版をみました。
アメリカのファッションブランドであるアバクロンビー&フィッチの盛衰を描いたNetflixオリジナルのドキュメンタリー映画です。
もはや日本に店舗がないのもあり、個人的には香水のイメージの強いブランドでした。服のテイストを思い浮かべようとしても「若い白人男性の上裸」しか脳裏に浮かばなかったのですが、それもそのはず。これこそがA&Fのマーケティングらしいです。
今ではあまりピンとこない感覚ですが、A&Fは「排斥こそがクール」をクールたらしめていたブランドのようで、かなり笑えない感じの人種差別エピソードがわんさか登場しており、衰退したのもさもありなんという感じでした。良い時代になったものです。

バーセル・アドラー、ユヴァル・アブラハーム、ハムダーン・バラール、ラヘル・ショール『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』🌟

©2024 ANTIPODE FILMS. YABAYAY MEDIA

映画館で字幕版をみました。やっとみれました。

ヨルダン川西岸地区のマサーフェル・ヤッタで生まれ育ったパレスチナ人の青年バーセルは、イスラエル軍の占領が進み、村人たちの家々が壊されていく故郷の様子を幼い頃からカメラに記録し、世界に発信していた。そんな彼のもとにイスラエル人ジャーナリスト、ユヴァルが訪れる。非人道的で暴力的な自国政府の行いに心を痛めていた彼は、バーセルの活動に協力しようと、危険を冒してこの村にやってきたのだった。
同じ想いで行動を共にし、少しずつ互いの境遇や気持ちを語り合ううちに、同じ年齢である2人の間には思いがけず友情が芽生えていく。しかしその間にも、軍の破壊行為は過激さを増し、彼らがカメラに収める映像にも、徐々に痛ましい犠牲者の姿が増えていくのだった―。

https://www.transformer.co.jp/m/nootherland/

みなさん日々ニュース等でパレスチナの惨状をご覧になっているかなと思いますが、こちらのドキュメンタリーは2023年10月以前のマサーフェル・ヤッタをうつしとった作品になります。今より断然マシな状態のはずです。
たしか2019年ごろの会話で、「この惨状を記事にして、それがアメリカの目に止まれば、圧力によって占領をやめさせられるはず」とバーセルが発言しており、見事にそれが叶っていない現状がフラッシュバックし頭を抱えてしまいました。アメリカは世界の警察ではない。
この作品が捉えている二人の青年は、それぞれパレスチナ人とイスラエル人です。イスラエル人のユヴァルはパレスチナの人々に何を言われても(もちろん他のイスラエル人とは違うという前提のもとですが)否定せずに全て受け止めていて、彼もバーセルも私と5個しか歳が違わず、しかも映画にいる頃の彼らは今の私とほとんど同じ歳だと思うとやるせないという言葉でも言い表せない、ほとんど罪悪感のようなものを感じます。
毎日マサーフェル・ヤッタに通い、それでも帰る家があってシャワーを浴びることができるユヴァルと、彼と手を取り合ってるがユヴァルが帰宅する度に立場の違いを思い知るバーセル。その構図が、パレスチナの人々と他の世界中の人々の「ここから出ることができない」と言う決定的な違いを浮き彫りにしていました。まあ見ている間に最も感じていたのは、私が日常的にやっている「言語化」という行為の陳腐さでした。そんなことをしない方がいい場面なんていくらでもある。

ポン・ジュノ『ミッキー17🌟

© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

映画館で字幕版をみました。
ロバート・パティンソン演じるミッキーは、どん底の人生を生きています。一発逆転のために申し込んだ仕事は、何度も何度も死にながら過酷な任務をこなす再生可能実験体だった…というお話です。
なんか絶妙に評価高くないですが、おもしろかったです。ポン・ジュノのロバート・パティンソンへの愛が伝わってきました。ミッキー18めっちゃ好きです。
明確に「SFやります」という意思が伝わってきて、ミッキー以外のキャラクターがコテコテすぎる映画で結構笑えますが、なんか許してしまう魅力がありました。特にマークラファロとか酷かったですね。あと小者のスティーヴン・ユァンって嬉しいです。
ただ昔からあるポン・ジュノイズムみたいなものはしっかり流れていて、今回も「ふつうの社会的弱者が意図せずヒーローになってしまう」という「映画」そのものでした。今作はラストで、こういう人々がいかに日常に再合流するかのバリエーションを描いてもいました。おすすめです。

フランク・オズ『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1986

TM & © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

U-NEXTで字幕版をみました。
アラン・メンケン&ハワード・アッシュマンがタッグを組んだミュージカル舞台作品の映画化です。ミュージカルの前に原作となる映画がありますが、それは未見です。
花屋で働く冴えない青年・シーモアは、ある日不思議な植物を見つけます。なんと血で成長していく化け物のような植物。彼はその植物を思い人の名前にちなんで「オードリーⅡ」と名付けます。やがてオードリーⅡは花屋の名物となり、おかげでシーモアは一躍有名人となりますが…というお話です。
80年代のモンスター・パニック・特撮ミュージカル映画って感じでかなりてんこ盛りですが、それもご愛嬌として許せる楽しい作品です。音楽も当たり前に最高。
「あのころテレビの映画枠で観た謎の洋画」感がありちょっと懐かしい気持ちにもなります。植物に銃で襲われる映像を見ることができるのと、サイコ歯医者のリサイタルを堪能できてお得です。おすすめ。

『ナショナル・シアター・ライブ2025 真面目が肝心』🌟

(C) 2014-2022 Culture-ville, LLC

映画館で字幕版をみました。
イギリスのナショナル・シアターで上映した名作舞台を全世界の映画館で観ることのできる「ナショナル・シアター・ライブ」。2025年の1作品として公開されたのは、オスカー・ワイルドの代表作の喜劇『真面目が肝心』です。

実在しない病弱な友人バンベリーを見舞う名目で社交的な義務から逃げ出すアルジャーノンと、その親友でやはり架空のアーネストという放蕩な弟の振りをしてロンドンへ遊びに来るジャック。それぞれ魅力的な女性に出会った二人は、自分たちが張り巡らせた嘘の網にとらわれて絶体絶命に――!?

https://www.ntlive.jp/beingearnest

ワイルド自身のバックグラウンドも相まって元々ある程度クィアな作品だとは推察できますが、あらためて今っぽくはっちゃけていて大変素晴らしい作品でした。洒脱な祝福とよろこびそのもの!
これぞイギリス人という感じの台詞回しでちょっと疲れますが、まあ内容は出鱈目言ってるだけなので別に真面目に聞かなくていいのも楽しいです(正直アルジャーノンみたいな人間大好きなのでずっと嘘喋ってて欲しい)。まっすぐコメディで笑わせてきつつ、ちょっと際どい下ネタもありながらエモく仕上げていて脚色も楽しい。「G A Y S M」でめっちゃ笑ってしまったのですが、『真面目が肝心』の年にワイルドが同性との性行為で捕まってるのを考えるとすごいことするなと思うと同時に、このあとのワイルドの行く末を考えるとさみしい。そういう無念を昇華するみたいな意味もあるんでしょうかね。「股間を隠さない全裸の男性像」も登場したし、本当に弔いなのかもしれません。あとこのキャスティングは完全にわざとだろうし、みる私たちの偏見までもを最後に回収していくところに「やられた!!」と思いました(完全に初見の人間にだけ有効な仕掛けな気もしますが)。
一点気になった部分、これはもうどうしようもないんですが、文法の違いのせいで面白ポイントが字幕で先にきちゃうのはめっちゃ歯がゆかったです。字幕出てるのに無視してリスニングだけは無理だし(そもそも小難しすぎて全然わからない)、観客が入っているタイプの映像化だと笑い声も聞こえてきてしまいさらに難しいです。
ただ本当に一度観て欲しい。衣装めちゃくちゃかわいかったのと、なにより主演のNcuti Gatwaがあまりにもチャーミング。「なにも持っていなくても持っているかのように見える」アルジャーノンぶりが素晴らしい。オススメです!!!

アルフレッド・ヒッチコック『ロープ』🌟

TM & © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

U-NEXTで字幕版をみました。全編ワンカット「風」の犯罪映画です。

ニューヨークのとあるアパートの一室。大学を出たばかりの青年フィリップとブランドンが同級生を絞殺し、その死体を衣装箱に入れる。殺害の動機は、自分たちが他者より優れていることを証明するためだけだった。2人はさらなるスリルを求め、被害者の父や恋人、恋仇、伯母、そして恩師である大学教授を部屋に招いて晩餐会を開く。犯した罪の恐ろしさに次第に冷静さを失っていくフィリップと、大胆にも死体を見せたい衝動に駆られるブランドンだったが……。

https://eiga.com/movie/50961/

小賢しいエリートの男たちのもちゃもちゃと映像を楽しむ映画です。
人間性とモラルが欠如しているのに調子乗ってしまってなんとかならなくなった名門私立大学出身の男が好きすぎるので、かなりぶっ刺さり映画でした。ロープをしまうところを見せる演出をはじめ視線の誘導がやはり秀逸で観ていて楽しい。作中で「みんな映画の話する時はどの俳優が素敵か(タイプか)しか話さない」というあるあるまでやってくれて最高です。フィリップ役の人めっちゃタイプです。
わたしジェームズ・スチュワート全然好きじゃないのですが、今作でスチュワート演じるカデル先生は確かな知性の上であのおどけた感じで、めちゃくちゃ刺さりました。教え子が道を誤らないと間違いに気づけなかったのはどうかと思いましたが…。本を出版してるくせに議論に晒されてこなかったのでしょうか?ただやっぱり俳優ってすげ〜です。
ラストカットまで素敵で、映画って誰かが作ってるんだ!というのを強く感じました。

アンソニー・アスクィス『まじめが肝心』

TM & © 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

アマプラで字幕版をみました。
オスカー・ワイルド作喜劇の映画化。かなり原作に忠実ですが、それゆえ中途半端になった印象のある映画でした。
舞台自体が面白くなるのが第二幕からなので、第一幕はたっぷり時間使って言葉の面白やるのが正解だったんだな…と思いました。基本喋ってるだけなので、映画だと同じセリフでも前半はテンポ早すぎて別にあんまり笑いがないです。ただ「愚弟です」「愚弟です」「愚弟です」のとこは面白かった。
一定のノリがあるNTLが面白すぎたな…と思うとともに、やはり喜劇は劇場での即興性がかなり大事だなとも思いました。この映画版がそもそも全然「このノリでやります」みたいなのがないのがあまりハマらなかった原因かもしれません。

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