2025.08.23から振り返る「Civil War」 あの映画の意味を改めて問い直してみる
Dream, baby, dream
夢を見るんだ、ベイビー、夢を見るんだ
Keep those dreams burning, forever
その夢を燃やし続けろ、ずっとずっと
Dream, baby, dream
夢を見ろ、ベイビー、夢を見ろ
‘Cause when you’re down, you’re really down
落ち込んだときこそ、本当に夢が必要なんだ
【 2024年10月4日に感じた恐怖 】
あの日、この映画を観終わったあとに感じていた
全身に纏わりつくようなべったりと湿った
“恐怖感”のようなものの正体は何だったのか?
アメリカ大統領選挙直前のタイミングで
民主党 vs 共和党という2大政党の政争だけでなく
経済格差や不法移民問題、多様化や公平性に対する
意見の隔たりが顕在化し、互いに貶め合っている
状況が映画と重なって見えたということもあっただろう。
「紛争の原因」が良く分からない、
「敵」がいったい誰なのか分からない、
「この先」どうなるのか分からない、
ただ、大勢の人が傷つき死んでいるのは分かる。
「理由がない」ということへの恐怖だったかもしれない。
その時の“恐怖感”らしきものを自分なりに解き明かしてみた。
【 恐怖の正体① / あちら側 】
社会に二極化をもたらすのは「争点」の内容ではなく
支持を決めることで形成されるアイデンティティだ。
重要なのは自分で所属するチームを選んだとたんに
「こちら側」と「あちら側」に分化されということ。
いつの間にか『あちら側』が『敵』になるという恐怖。

【 恐怖の正体② / 無関心 】
自分に直接害が及ばないのならできるだけ関与しない。
間接的に入ってくる情報で世の中を把握してはいるが、
自分事として捉えず、ほとぼりが冷めるまでじっとしている。
すぐ側で他人が死んでいるのに『無関心』を装う恐怖。

【 恐怖の正体③ / 所属の正義 】

既存の社会が決めたルールから疎外された者たちが
その信念に強く共感したグループに所属することで、
自分の存在を肯定してくれる人々と繋がって、
心に開いていた大きな穴を埋めることができ、
失った社会的アイデンティティを取り戻せた。
グループの『信念』が何より『優先』されるという恐怖。

【 恐怖の正体④ / 美しい死 】
恐怖のシークエンスから、一転して美しく描かれる “サミー” の「死」
直前の折り重なる臭く汚い大量の「死」と一つの美しい「死」
人間の「死」の重みの違いがわからない恐怖。


Bone breaks and heals 骨は折れても癒えていく
Oh, but heartaches can kill けれど胸の痛みは人を殺すこともある
From the inside, so it seems 内側から――そう見えるのだ
Oh, I'm telling you it's all a dream あぁ、言っておくよ 全ては夢にすぎな
いのだ
【 恐怖の正体⑤ / 見殺し 】
激しい戦闘の末、大統領執務室で大統領を捉えた西部勢力軍部隊。
大統領を射殺しようとする兵士を記者のジョエルが押しとどめる。
床に横たわり恐怖に顔を引きつらせる大統領にジョエルが話しかける。
ジョエル:「何か、ひと言」
大統領 :「私を殺させるな」
ジョエル:「いやぁ・・・」



【 恐怖の正体⑥ / 現実世界 】

※劇場でこの映画を観てから10か月。
世界の変化はその時の想像をはるかに超えている。
米国内の分断は収まらず、同盟国にも経済的圧力を強める。
武力を用いた争いも絶えず、犯罪もグローバル化している。
できることなら遠ざけておきたい「恐怖」がすぐそこにある。
無関心を装い、目をつぶり、耳をふさぎ、口にしない・・・
当座はそれで凌げるのだろう。
しかし本当の “恐怖” は静かに近づき
私たちの隣にゆっくりと腰を下ろして
優しく肩に手を回して引き寄せてくるのだ。
※「アレックス・ガーランド」の作品、好きです
【 ゴーヤチャンプルー 】

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