ジャズリスナーのためのビヨンセ『HOMECOMING:THE LIVE ALBUM』
ビヨンセが2018年に音楽フェスのコーチェラでやったライブ音源が『Homecoming:The Live Album』としてリリースされた。世界が最も注目するフェスのためにビヨンセとそのチームがこのショーを #beychella と名付けて、特別に作り上げてきたプログラムは音楽史に残る偉大な記録になった。
その特別さに関しては、衣装とかメッセージとかゲストとか検索すれば詳しいものがいくらでも出てくるので、それらをググって参照してほしい。例えば、若林恵のこれとか必読。
ここではリアルタイム中継でも観て感動していた僕が今回、改めて音源がリリースされて聴いたことで再び感動したので、その音楽面について書いてみたい。
なぜなら、これはジャズのリスナーにも、というかジャズリスナーにこそ楽しめるものだと思うからだ。
その理由はバンドとダンサーだけでなく、沢山の管楽器と打楽器によるマーチングバンドを従えていたことや、その想像以上に渋いサウンドだ。
映画『ドラムライン』に出てくるような派手な音楽だが、ジャズリスナー的にはニューオーリンズ・ジャズ/ディキシーランド・ジャズとの共通点はすぐに見つかるはずだし、ニューオーリンズ・ブラスバンドとの共通点も見つかるはずだ。
ビヨンセはR&Bのボーカリストだし、打ち込みで作ったトラックをバックに歌う人だし、ジャズリスナーの自分には関係ないと思う人もいるかもしれない。確かに『Dangerously In Love』『I Am... Sasha Fierce』『4』『Beyoncé』あたりはいわゆるポップなR&Bなので、ジャズが好きな人、生音が好きな人にはたしかにちょっとしんどいかもしれないのも事実…
ただ、『Homecoming:The Live Album』はそのあたりが苦手な人にこそ聴いてほしい生音ベースのサウンドだ。
しかも紛れもない歴史的名盤だ。
そして、これまでジャズを聴いてきた人に楽しめるポイントがたくさんある。ここではそのあたりを書いていこうと思う。
ちなみにこのアルバムで最もすごいのは分厚いバックのサウンドもすべてねじ伏せてしまうビヨンセの圧倒的なボーカルである、というところもぜひ楽しんでもらいたい。
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