ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人
特殊技術で開発された、小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、次世代型ジェリーフィッシュの長期航空試験に臨んでいた。ところがフライト中に、密室状態の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行プログラムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。
第26回鮎川哲也賞受賞作
精緻な筆致で描く本格ミステリ、新時代の『そして誰もいなくなった』登場!
【相関図】

【感想】
理系人としては真空飛行船がどんな物かがずっと気になって。作者は化学工学を専攻したらしいが現実感は薄いか。ジェリーフィッシュ=くらげだそうだがずっとツェッペリンだと思ってた。仕掛けは大掛かり,これはありか?という感じだが,理屈はうまく説明されている。かなり運に頼っている感じはするが,犯人が心理誘導しながら仕事を進めていく様はなかなか面白く,納得感もある。裏の裏の読み,次々消えていくメンバー,入れ替わりとサスペンス感もあり総じて面白いと思う。無国籍な書き方も成功していて,ラストのルパンのような消え方もいい。
