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【カスハラ防止措置の義務化】「クレーマー」を作っているのは誰か?という話



こんにちは、日曜日の営業パパです。

今回は、最近ニュースでもよく見かける「カスハラ防止の義務化」という時事ネタに対して、サクッと持論を展開していきたいと思います。

私が長年、営業とマネジメントの最前線で経験してきた「現場の一次情報」への深い理解をベースに、ニュースの表面をなぞるだけでは見えてこない、組織の本質的な課題に踏み込んでみました。

「へえ、こういう見方もあるのか」と、少し視点を変えて楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

それでは、本編へどうぞ。



板挟みになる現場のリアル

2026年、企業に対するカスハラ防止措置が義務化されました。

ニュースでは「いかに理不尽な顧客から従業員を守るか」が語られますが、最前線の現場を知る身としては、どうしても拭えない違和感があります。

現場の担当者が本当に苦しんでいるのは、顧客の怒鳴り声そのものだけではありません。「波風を立てるな」という会社と、「特別扱いしろ」と迫る顧客の間に挟まれる絶望的な状況です。

会社はクレームを嫌い、顧客はごねて要求を通そうとする。その結果、両者の間にいる担当者だけが、全てのストレスと理不尽を背負い込んで一方的に疲弊していくのです。

ごねた客と会社が得をして、個人がすり減る矛盾

かつての営業時代、私はこのいびつな構造を何度も目の当たりにしてきました。

声の大きい顧客が無茶な要求をしてきたとき、現場の担当者は逃げ場を失います。断れば顧客から激怒され、上司に相談しても「うまく収めろ」「会社の不利益になるようなトラブルは起こすな」と突き放される。

結果として、担当者は自分の身を削って謝罪し、特別対応という名の「ごね得」を顧客に与えてその場をやり過ごすしかありません。

この時、要求を通した顧客は満足し、波風を立てずに売上を維持した会社も損をしません。唯一、間に挟まれた担当者の心だけが一方的にすり減っていくのです。クレーム対応が「個人の問題」として放置されているこの構造こそが、最大のシステムエラーではないでしょうか。


「個人戦」から「組織戦」へのアップデート

カスハラ問題の根本的な解決策は、担当者のメンタルを鍛えることでも、表面的なマニュアルを作ることでもありません。

顧客からの無茶な要求に対し、「個人」ではなく「会社」として対応する仕組みを作ることです。

たとえば、一部の企業で導入が進んでいるAIによる音声・テキスト解析システムはその有効な一手です。顧客の不満の兆候やNGワードをシステムが検知した瞬間に、担当者の手を離れて自動的に管理者や専門部署へエスカレーションされる仕組みです。

これは単なるテクノロジーの導入ではありません。「ここから先は個人の裁量ではなく、会社としての対応になります」という明確な線引きをするということです。


誰もが安心できる、透明な仕組みへ

一方で、顧客にとってもこの仕組みは重要です。大声を出したり、ごねたりしなければ上層部に話が通らないような不透明な企業体質が、結果的に「作られたクレーマー」を生んでいる側面もあるからです。

カスハラ防止法案の義務化は、ただの防衛手段ではありません。

今まで現場の社員に丸投げしてきた「クレーム対応の個人商店化」を終わらせる絶好のチャンスです。


担当者を板挟みの地獄から解放し、組織の壁で守る。同時に、大声を出さなくても正当な意見が吸い上げられる透明なルートを作る。属人的な頑張りに依存しない、強くて優しい組織の仕組みを作れるかどうかが、今問われています。

誰もが理不尽に心をすり減らすことなく、安心して目の前の仕事に向き合える。そんな当たり前で優しい組織の仕組みが、一つでも多くの職場に広がることを願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


【著者プロフィール】
元グローバル企業の海外営業マネージャー、現在は2児を育てる専業主夫兼クリエイター。 第一線でのビジネスキャリアから一転、家族との時間を軸にしたライフスタイルへシフト。
ビジネスの最前線で培った戦略的思考と、等身大の育児のリアルを交差させ、これからの時代の新しい働き方・生き方を模索・発信中。


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