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【子育て】注意の8割は「親の都合」|そう気づくだけで、寝顔への自己嫌悪が減った話

「早く寝ないなら、もう明日遊んであげないよ!?」

昨夜、なかなか寝付けない3歳の娘に、こんな大人げない言葉を浴びせた。

布団の中で黙り込む、小さな背中。

猛烈な自己嫌悪が襲ってきた。

こんな脅しでしか、子供をコントロールできないのか。



理不尽な「ブラック上司」の正体

私は会社では、チームマネジメントの際「なぜこの業務が必要か」「どう成長してほしいか」を意識できていたはずだった。

なのに、主夫として子供と向き合うとどうか。

「早くして!」

「こぼさないで!」

「静かにして!」

行き当たりばったりな指示を飛ばすだけの、理不尽なブラック上司になっていた。

会社なら「先輩、言ってること前と違います」と部下に指摘してもらえる。

でも、言語化能力が未熟な子供は、ただ困惑して、だんまり停止するしかない。

なぜ、会社では意識できていたことが、育児になると完全に抜け落ちるのか。

答えは単純だった。

「何のために注意しているか」を、親自身が整理できていなかったのだ。


怒りを4つのレベルに分ける

注意は、本来「しないこと」を増やすためだけのものではない。

「自分でできるようになること」を支援するためにも使える。

そう考えると、注意の4つのレベルは、一つの軸でつながって見えてくる。



レベル1|絶対防衛線(命・身体の安全)

目的は、生存。致命的なケガの防止。

会社で言えば、重大なコンプライアンス違反や労災を防ぐ、絶対ルールの領域だ。

「危ない!」
「道路に飛び出さない!」

ここは有無を言わさず、100%の力で行動を止める。

ただし安全を確保した直後、必ずセットで伝える。

「車とぶつかったら、死んでしまうからだよ」

行動の停止と、背景の説明。順番を間違えない。


レベル2|社会的共存(他者への配慮・ルール)

目的は、集団社会で摩擦なく生きるスキル。

「電車では静かにしようね」
「順番を守ろうね」

これは新入社員にビジネスマナーを教えるのと同じだ。

「怒られるからダメ」ではなく、
「静かにしないと、寝ている人が困るよね」

相手の視点を持たせるフィードバックにする。


★ レベル3|家庭運営の円滑化(親の都合・オペレーション)

ここが一番重要だ。

目的は、家庭という組織を回すための、時間と労力の削減。

「こぼさないで!」
「早く着替えて!」
「壁に落書きしないで!」

こういった注意には、食事マナーや社会性の学習という側面も確かにある。レベル2と重なる部分も多い。

ただ、私自身を振り返ると、これらを言うときの自分の感情の出所は、教育目的というより「親の時間や労力が増えることへの苛立ち」であることが多かった。

「あ、今『拭くのが面倒だから』怒っているな」

そう自覚するだけで、「ダメ!」という怒りは、「こぼれるからお皿近づけてね」という業務改善の提案に変わる。


レベル4|自立支援(自己管理能力の育成)

目的は、親の手を離れ、自分の人生をコントロールできるようになること。

「お片付けしようね」
「明日の準備はした?」

ここは、マイクロマネジメントになりやすい領域だ。

失敗から学ぶ機会を奪わないよう、あえて手を出さずに見守る。

試されているのは、子供の忍耐力ではなく、親の忍耐力だ。



一つ補足したいことがある。

この4つは、きれいに独立しているわけではない。

「壁への落書き」も「電車で騒ぐ」も、レベル2でありレベル3でもある。

大切なのは全部を分類しきることではなく、「自分は今、何を優先して注意しているか」を意識することだと思う。




同じ声量で、怒っていないか

道路への飛び出し(レベル1)と、ジュースをこぼしたこと(レベル3)

同じ怖い顔、同じ大きな声で怒っていないだろうか。

私は、完全に同じテンションで怒っていた。

冒頭の「明日遊んであげないよ」も、正体はレベル3。

ただ自分の自由時間が欲しいという、親の都合の押し付けだった。

私は今でも、レベル3をレベル1の声量で怒ってしまう日がある。

でも「今、自分はどのレベルで注意しているんだろう」と一度立ち止まれるようになっただけで、娘への声のかけ方は少しずつ変わってきた。

この考え方は、部下や後輩への指導にも応用できるかもしれない。



この記事は、連載「仕事の思考法を、暮らしへ。」の一節です。

会社員時代に培った思考法を、家庭のあらゆる場面に応用していく記事を、全7章でまとめています。

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