【育児×ビジネス思考】公園で「なぜ注意しないんだ」と睨みつけた私が、間違っていた話。

娘と公園のブランコで遊んでいたときのこと。
近くで、子供たちが看板にボールをぶつけたり石を投げたりして遊んでいました。親は近くにいるものの「危ないよー」と声をかけるだけで、実質的には放置状態。
案の定、ボールが跳ね返ってこちらに飛んできました。子供は躊躇なくボールを拾いに突っ込んできて、私が急いでブランコを止めなければ、確実にぶつかっていた場面でした。
以前の私なら、この状況にどう反応していたでしょうか。

【失敗談】かつての私は「正しさ」でイライラしていた
正直に告白すると、昔の私はこういう場面で「なぜ親がちゃんと注意しないんだ!」と心の中で憤慨していました。
相手の親を睨みつけたり、これみよがしにため息をついたり。相手の非常識さに腹を立て、そのイライラのせいで、肝心の娘との楽しい時間を台無しにしてしまうことがよくありました。
「公園のルールを守るべきだ」「親ならしっかり躾けるべきだ」という自分の「正しさ」を相手にも期待し、裏切られては勝手に消耗していたのです。
フレームワークを「思考の道具」にする:Before / After
しかし、ビジネスで培った「課題の分離」と「リスクマネジメント」という思考を育児に持ち込んでから、私の行動は変わりました。
❌ Before(感情で動く)
思考: 「相手の親がなんとかするべきだ(相手への期待)」
行動: イライラしながら相手の親の出方をうかがう。
結果: 対応が遅れ、危険が迫る。ストレスだけが残る。
⭕️ After(思考の道具として使う)
思考: 「他人の行動はコントロールできない。自分にできるのは娘の安全確保(自責)だけだ」
行動: 相手の親には期待せず、ボールが飛んできた瞬間に自分の意志でブランコを止める。
結果: 接触事故(リスク)を確実に回避。感情は波立たない。
「相手に自分と同等レベルを求めるのは間違いである」という前提に立つことで、無駄な怒りが消え、最速のリスク回避行動が取れるようになりました。

「発生源対策」を諦め、「流出対策」に留めるという葛藤
では、他人に期待しないのだから「完全な傍観者」で良いのか? それも違います。物理的な危険が迫った今回、私は実際にその子に声をかけました。
「ブランコをしている時に入ってきたら危ないよ」と。
ただ、ここには大きな葛藤がありました。本音を言えば「看板に石やボールを投げたらいけないよ。人に当たって怪我をさせるよ」と伝えたかったのです。 ビジネスの基本において、トラブル解決は「流出対策(自分に被害が及ぶのを防ぐ)」よりも「発生源対策(根本的な原因を絶つ)」をすべきだからです。
しかし、私はあえて踏みとどまりました。
「石を投げるのをやめさせる」という根本的な躾は、あちらの親の領域(課題)だと線を引いたからです。
他人の領域には踏み込まず、自分たちの安全が脅かされる「流出」の境界線でのみ、事実ベースでストップをかける。これが私なりの「過干渉でも傍観でもない第三の道」でした。

「善意の押し付け」と「見返りを求めない善意」の違い
もしあの時、「(あなたのために)石を投げるのもやめさせなきゃ」という思い上がりで動いていたら、相手の親とトラブルになっていたかもしれません。
よその子に注意をするとき、一番気をつけなければいけないのは「あなたのためを思って言っているんだ」という傲慢さです。これを免罪符にすると、相手がふてくされた時に「せっかく言ってやったのに!」と怒りが湧いてしまいます。これは見返りを求める「押し付けの善意」です。
そうではなく、「私たちが危ないから、私が注意したいからする」
この主語を「自分」に置くこと。見返りを一切求めない「純粋な善意」を持てたとき初めて、私たちは相手を追い詰めることなく、感情を排した冷静な注意ができるのだと思います。
正解なんてない。悩みながら「線を引く」親の背中
今回、「発生源対策ができなかった」ことへのモヤモヤが全くないと言えば嘘になります。「あのまま放置して、別の子が怪我をしたらどうするんだ」という正義感が顔を出す瞬間もあります。
私たちは、決してスマートで完璧な親にはなれません。ビジネスのフレームワークを持ち出してみても、現実の育児は理不尽で、いつも「これでよかったのか?」と迷ってばかりです。
それでも、「他人にイライラして不機嫌になる親」よりは、「どこまで関わるべきか悩み、自分なりの線を引いて、目の前の安全を守る親」でありたい。
「リスクは自分で摘み、心の平穏は自分で守る」
そう自分に言い聞かせながら、今日もまた公園という現場で、試行錯誤の修業を続けていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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