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トップ営業ほど、お客様に嫌われる勇気を持っている


「営業はお客様第一。」
営業をしていると、何度も耳にする言葉です。

もちろん、その考え方自体は間違っていません。

しかし、私は営業を続ける中で、一つだけ確信していることがあります。

トップ営業ほど、お客様に嫌われる勇気を持っています。

「え?営業なのに嫌われるの?」

そう思った方もいるかもしれません。

ですが、ここで言う「嫌われる」とは、態度が悪いとか、横柄だとか、そういう意味ではありません。

本当に伝えるべきことを、相手の機嫌を優先して飲み込まないということです。

多くの営業マンは、お客様に嫌われることを極端に恐れます。

だから、
「その商品で大丈夫ですよ。」
「もちろんできます。」
「何とかします。」
「上司に相談してみます。」
そんな言葉を簡単に口にしてしまいます。

その場では、お客様は喜ぶかもしれません。

でも、その約束が守れなかった時、一番信用を失います。

営業は、その場の好感度を競う仕事ではありません。

信用を積み重ねる仕事です。

実は私自身も、若い頃は「断れない営業マン」でした。

値引きを求められたら応じる。

無理な要望にも「頑張ります」と言う。

休日でも電話に出る。

夜中でもメールを返す。

「この人、いい営業だね。」

そう言われることが嬉しかったのです。

でも、不思議なことに成績は伸びませんでした。

理由は簡単です。

私は「お客様に好かれること」を目的にしていたからです。

ある時、社内で圧倒的な成績を出している先輩と同行する機会がありました。

その先輩は、お客様からの要望に対して平然とこう言いました。

「それはおすすめできません。」

私は驚きました。

「そんな言い方したら嫌われるんじゃないか。」

そう思いました。

ところが、お客様は怒るどころか、

「じゃあ、どうしたらいいですか?」

と聞き返したのです。

その瞬間、私は営業に対する考え方が変わりました。

売れる営業は、お客様の言いなりではありません。

お客様の味方なのです。

似ているようで、全く違います。

例えば、体に悪い食生活を続ける患者さんに対して、医師が

「好きなものを食べてください。」

と言ったらどうでしょう。

優しいように見えて、無責任です。

本当に患者さんのことを考えるなら、

「今の生活を変えましょう。」

と伝えるはずです。

営業も同じです。

お客様が望んでいることと、お客様にとって本当に必要なことは一致しない場合があります。

だからこそ、言いにくいことを伝える勇気が必要です。

私は以前、契約を急いでいるお客様に対して、

「今契約するより、もう少し比較された方がいいと思います。」

と伝えたことがあります。

正直、契約が流れるかもしれないと思いました。

当月の目標を達成できないかもしれないと思いました。

でも、そのお客様は後日戻ってきてこう言いました。

「あの時、無理に売ろうとしなかったから、あなたを信用できました。」

その言葉は今でも忘れられません。

営業は売る仕事ではありません。

信用を売る仕事です。

目先の契約だけを追いかける営業は、短期的には数字が伸びるかもしれません。

しかし、紹介は増えません。

リピートも生まれません。

逆に、本当に必要なことを伝え続ける営業は、一件一件の契約に時間がかかることがあります。

それでも、信用は積み重なっていきます。

そして、その信用はやがて紹介という形になって返ってきます。

紹介が多い営業マンには共通点があります。

絶対に押し売りをしません。

できないことは「できません」と言います。

知らないことは「調べます」と言います。

お客様が損をする提案はしません。

だから信頼されるのです。

一方で、成績が伸びない営業マンほど、

「断られたくない。」

「嫌われたくない。」

「空気を悪くしたくない。」

そんな感情で動いてしまいます。

すると、お客様の顔色ばかり気にする営業になります。

でも、お客様は意外と見抜いています。

「この人は契約が欲しいだけなんだな。」

そう思われた瞬間、営業としての価値は下がります。

逆に、

「この人は私のことを本気で考えてくれている。」

そう感じてもらえた時、人は自然と信頼します。

営業に必要なのは、話術ではありません。

商品知識だけでもありません。

一番必要なのは、

「相手のために嫌われる覚悟」

です。

もちろん、わざと嫌われる必要はありません。

失礼な態度を取る必要もありません。

大切なのは、自分の評価より、お客様の利益を優先できるかどうかです。

例えば、お客様の希望が現実的でないなら、その理由を丁寧に説明する。

予算が合わないなら、無理に契約を進めない。

商品が合っていないなら、別の商品を提案する。

場合によっては、「今回は見送った方がいいと思います」と伝えることもあります。

目先の売上だけを見れば損かもしれません。

しかし、長い目で見れば、それが一番大きな利益になります。

営業という仕事は、不思議です。

契約を追いかけるほど逃げていきます。

信用を追いかけるほど契約が集まってきます。

私は何人ものトップ営業を見てきました。

共通していたのは、全員がお客様に媚びていなかったことです。

必要な時には「NO」と言う。

無理なお願いは断る。

できないことは約束しない。

それでも、お客様から選ばれていました。

なぜなら、お客様は「都合のいい営業」ではなく、「信頼できる営業」を求めているからです。

営業は人気投票ではありません。

契約を取るゲームでもありません。

目の前のお客様の人生や仕事に関わる責任ある仕事です。

だからこそ、耳触りのいい言葉だけを並べるのではなく、本当に必要なことを伝える勇気が必要になります。

もし今、あなたが営業で結果が出ずに悩んでいるなら、一度自分に問いかけてみてください。

「私は、お客様に好かれようとしていないか。」

「私は、本当にお客様のためになる提案をしているか。」

その答えが変われば、営業も変わります。

好かれる営業マンはたくさんいます。

でも、長く選ばれ続ける営業マンは多くありません。

長く選ばれる人は、お客様に嫌われる可能性があっても、伝えるべきことを伝えます。

それは勇気がいることです。

断られるかもしれない。

空気が悪くなるかもしれない。

契約を失うかもしれない。

それでも、お客様の未来を優先する。

その姿勢こそが、本当のプロフェッショナルです。

営業人生は長距離走です。

今日の一件を取ることよりも、5年後、10年後も「あの人にお願いしたい」と思ってもらえる存在になることの方が、何倍も価値があります。

だから私は、これから営業を始める人にも、今壁にぶつかっている人にも伝えたいです。

トップ営業ほど、お客様に嫌われる勇気を持っています。

その勇気は、お客様を突き放すためではありません。

お客様を本当に守るための勇気です。

その積み重ねが信用になり、信用が紹介になり、紹介が実績になります。

営業で最後に勝つのは、誰からも嫌われない人ではありません。

必要な時に正しいことを伝えられる人です。

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