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【読む子育て】ぼくは紙の本。「君のスキ」を見つけるのが得意なんだ、なぜって・・・

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「スキ」を自分で発見しよう
 押しつけず  本好きな子に導く
「優しい仕掛け」を提案中 
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 ぼくは紙の本。
 「君のスキ」を見つけるのが得意なんだ。
 なぜってそれは、ぼくはいろんな人と目が合うからね。

 ある時は、なんかヒマだなぁと思ってる、おうちの人。
 ある時は、掃除や片付けをしている人。あっこれ、と言ってぼくを手にして、読みふけっちゃって誰かに怒られてる人もいる。

 つい手に取っちゃうのが「ぼく」らしい。

 ぼくはいろんな場所にいて、
 本屋さんや図書館にいる時は、
 ぼくの棚をなんとなく眺めている人と 「ふっ」と目が合うことがある。

  そういう人は、うまく言えないけど
 その時の「自分にぴったり」のぼくを探しているみたい。

  だから見つけてもらえたときは、ちょっとうれしい。

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 ぼくにはカタチがある。
  においや手ざわりもあって、抱きしめることもできる。

 重いって人もいるけど、それがいいっていう人もいる。

「はじめまして」もあれば「また会ったね」もある。

 時には誰かの「たからもの」になることもある。

「にがて」って言われることもある。

  不思議だね。

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 そうそう、「君のスキ」を見つける話だったよね。

 ぼくには大体、字が書かれている。
 びっしり文字のこともある。

  それを読むのはけっこう大変で、
 疲れることがあるらしい。

 けれどそれって、裏をかえせば「スキな内容」「興味がある」なら読めるっていうことで。
 
 手に取って読んでるものは、つまりスキってこと。
 子どもの場合はとくにそうらしい。

 オトナがちょっと難しい言葉をつかってる。
 ぼくを読むのは「主体的で、能動的な行為」なんだって。

 うむむむむ。

 うちの・・・ぼくが今いる家のママはそういうことをついつい考えちゃう人らしい。

 つまりまぁ、ふと目が合って、手に取って、
 読んでるってことは、スキってこと。

 これでよし。

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 たとえばうちにはぼくの棚に
 たくさんの「ぼく」がいるけれど、
 子どもたちが読むのは大体いつも決まった「ぼく」らしい。

 ママも「それがスキならしょうがない」
 と苦笑い。

 ただママは
「あなたたちがいるおかげでそれぞれのココロが見えたのよ」
 って言う。

 う~んどういう意味だろう。

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 お姉ちゃんが小さい時、ママは「折り紙やあやとり」をさせたくて、いろんなぼくらを買ってみた。

 ついでにママの好きなクロスワードパズルも買ってみて、
 ついでに「数字遊び」のぼくや「点つなぎ」のぼくたちも並べておいた。

 なのにお姉ちゃんは折り紙やあやとりをやらない。
 言葉遊びにもあんまり興味がないみたい。

 ママは何度かすすめたけれどあきらめた。

 すると忘れたころにおねえちゃん、
 数字遊びや点つなぎのぼくを取り出して、
 ひとりで楽しそうに遊んでいたんだって。
 クイズや迷路のぼくもスキだった。

 自分で見つけて、手を伸ばして自分で読んで、やってみるーー。
 
 そっちのほうがスキなのね、ってママも笑ってた。

 「わかってよかった」とも言っていた。

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 すると次の年。

 気づいたら下のちっちゃい子がぼくの棚から「折り紙やあやとり」の本を取り出して、ずっと折り紙を折っていた。

 あやとりも、ぼくを読んで覚えたらしい。

 そしてママは「工作の本も買って」とお願いされていた。

 「あなたは手を動かすのがスキなのね」と、
 ママはそれでようやく気付いたんだって。

 それまでも、絵を描いたり体を動かすのがスキとは思っていたけれど、
 いちばん「手仕事」がスキなんだって、
 ぼくを読む姿を見てわかったらしい。

 たしかに「何度も目が合うなぁ」とは思ってた。

 それで手芸とかパズルとか、「手をつかう」ものをいろいろ用意してみたら、うちのちっちゃい子はすごく喜んだ。

 「何にワクワクする子なのか、選ぶ本でもわかるのね」って、ママは言ってたかなぁ。

 ありがとう、って言われたよ。

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 アニメやゲームもいいけれど、あれは誰でも大抵楽しめるようにできているから、「個人としての本当の興味」がそこにあるかはわかりづらいってママは言う。

 子どもだちは「なんかヒマ」って時にやっぱりぼくの棚にやってくる。

 ぼくの仲間がたくさんいるのも大切で、
 なかなか触ってもらえないぼくがいても、
 それでもいいってママは言う。

 「来年の君が読むかもしれないファンタジー  本棚の隅でその時を待つ」

  ーーということもあるらしい。

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 それでぼくはちょっと思った。

 文字びっしりのぼくは読むのが大変。
 
 だからこそ「自分から取りに行きたいもの」がそこにあるかが決め手になるんだね。

 じゃあたとえばサッカーがスキな君がいて。
 
 みんながみんな「エースストライカーになりたい!」
 わけじゃないとぼくは思うんだ。
 
 もしもこういうぼくらが棚にいたら、
 君はどのぼくを手に取るだろう。

「シュートがうまくなる方法」
「シュートを決めるアイツに最高のパスを出す!」
「目指せ守護神!ゴ-ルキーパー育成BOOK」
「サッカーの神が大事にする100の言葉」
「〇〇高校サッカー部はなぜ優勝できたのか」
「名チームをつくる!マネジメントの鉄則」
 
 10人いれば10人違う。
 
 どのぼくに手を伸ばすかで君のココロが見えやすくなるってこともある。

 隣にいるオトナにとってもヒントになるかもしれないんだ。
 
 もしかしたら君自身、「あっ自分はこういうのスキかも・・・」
 と気づくキッカケになるかもしれない。
 
 それが「物としてそこにある本」――ぼくの良さかもしれないよ。

 って、自分で言うのもなんだけど。
 
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 そうそう今は、紙じゃなくても「本」が読める時代と聞いて。

 そういうのもあるんだなぁって思うけど、ぼくはぼくで意外と君――子どもたちと仲良しで。
 
 ぼくらの前に集まる君たちは目がキラキラしていることがある。

 難しそうな顔の君もいるけれど、
「これなら読めるかも」と目が合った時は 「おっ!」という顔になる。
 ぼくにはわかる。
 
 ぼくはいろんな場所にいる。
 家の棚や、床にころがってることもあるし(ちゃんとしまってほしいなぁ)、本屋さんや図書館にもズラリと並んでる。
 
 物としてそこにあって、手ざわりやにおいもあって、開いてみたら意外と楽しいかもしれない。
 
 一緒にいるだけで、なんだか安心することもあるかもしれない。
 
 会いにきてね。


床にころがってたり


枕にされたり


意外な読者に出会ったりするけれど


いつも君を見守ってるよ


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子どもが本を身近に感じ
手に取り読んでワクワクもらう
それにはやっぱり紙の本
一緒にだって眠れるよ
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