符合する「不登校」と「独裁」【第2回】独裁知事の登場
アベノミクスのシャンパンタワーと内閣人事局の闇
🐾 ポル:「ねえ、しのパパ。第1回で『教室の不登校』と『組織の独裁』は全く同じ根っこだって言てったじゃない?
大人たちを忖度マシーンに変えた国家中枢のハッキングの手口について、早く教えてよ!」
👤 パパ:「ああ。その舞台裏を語るには、まず今から約10年前、あの『アベノミクス』の時代まで時計の針を戻す必要があるんだ。
当時、盛んに叫ばれたのが『トリクルダウン』という思想だった。
富める者がさらに富めば、その滴(しずく)がシャンパンタワーのように、いずれ最下層の弱者にも行き渡るという考えさ」
🐾 ポル:「でも結局、底辺まで滴は落ちてこなかったよね。
社会の幸福度はどん底に落ちて、ギスギスした自己責任論だけが残っちゃった」
👤 パパ:「そう、完全にクローズドな設計だったんだ。
本来なら『負の所得税』のように、国家がまず生存の底(セーフティネット)を完全に包摂した上で自由な自律を促すべきなのに、底を抜いたまま上から『答えは一つ、経済成長だ』と強要した。当然、社会は窒息する。
……ただね、本当に恐ろしいハッキングは、経済ではなく『人事システム』の改変で静かに仕掛けられていたんだ。それが、2014年に設置された『内閣人事局』だよ」
🐾 ポル:「内閣人事局? ニュースで聞いたことはあるけど、何がそんなにヤバいの?」
(パパの手元にある、冷めかけたコーヒーをのぞき込むポルくん)
👤 パパ:「それまではね、各省庁が独自に人事を決めていたんだ。財務省には財務省の、文科省には文科省のプライドとロジックがあり、ある種の多様性(オープンエンド)が保たれていた。
ところが内閣人事局は、中央省庁の幹部公務員約600人の人事決定権を、たった一箇所、官邸(お上)に一元化してしまったんだよ」
🐾 ポル:「(丸い目を丸くして)それって……官邸の意向という『一つの正解』に逆らった瞬間に、どんなに優秀な官僚でも即脱落(ゲームオーバー)になるってこと?」
👤 パパ:「まさにその通り! 失敗や異論が絶対に許されない、究極のクローズドエンドの檻さ。
こうして、国家の頭脳である官僚たちは、自律的な試行錯誤を奪われ、お上の顔色だけを伺う『忖度マシーン』へとデストラクチャー(解体)されてしまったんだ」
(神妙な顔つきで、パパの話にフムフムと耳を傾けるポルくん)
👤 パパ:「しかもね、この強力な中央集権の仕組みは、かつて全国の知事を国が直接任命していた戦前の『内務省』の強力な統治システムをどこか彷彿とさせるものがあるんだよ」
🐾 ポル:「内務省……! 今の地方自治の現場にも、その中央集権的な空気が流れているの?」
👤 パパ:「そうんだ。現代の総務省は内務省の流れを汲む官庁だけど、今でも全国の自治体には総務省出身の知事が数多く誕生しているだろう?
つまり、国が人事を一括管理する『内閣人事局』の空気感と、総務省出身の首長という地方の現状が重なり合ったとき、地方自治の現場にも『お上の正解に合わせる』という強力なクローズドの波が押し寄せてしまうんだよ」
🐾 ポル:「なるほど……! だからこそ、首長が人事権を背景にして役所を『一つの正解』でコントロールし、職員が息苦しさを覚える『独裁知事』のような病理が生まれやすくなるんだね」
(深く納得したように、小さく何度も頷くポルくん)
👤 パパ:「その通り。これって、教室でたった一つの答えを強要されて部屋に引きこもる『不登校の構造』と、完全に符合するだろう?
失敗を許さないクローズドなシステムが、国家から地方の役所、精度や教室の末端まで綺麗に開通してしまっているんだ」
🐾 ポル:「(ノートの上に両前足を投げ出して、深くため息をつきながら)全部繋がっちゃった……。
社会の仕組みが人事権でガチガチに縛られているから、大人たちが恐怖でギスギスして、そのシワ寄せが一番弱い不登校の子どもたちに『将来困るぞ』という脅しになって返ってきてるんだね。
こんな絶望的なクローズドの包囲網から、ボクたちはどうやって逆襲すればいいの?」
👤 パパ:「よく分からないけど、一つ気になる妄想があるんだ。それがだめでも絶望する必要はないさ。また、別の妄想をするからね。
(パパの顔をじっと見つめ、次の言葉をワクワクしながら待つポルくん)
👤 パパ:「この窒息しそうな国家システムに対して、法律の盲点(バグ)を突いて鮮やかにオープンエンドな安心基地をビルドする、とっておきの『ウルトラC、ウルトラJ』を提案しよう。
県境を越えた『共同人事委員会』という、私の瓢箪から出た駒の話をね」
🐾 ポル:「うわぁ、その大逆襲のアイデア、すごく気になる! 次の第3回も絶対に聞き逃せないね、しのパパ!」
(第3回へ続く)
