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スリランカツアーリポート 植物篇 『ホウガンノキ』


砲丸ノ木
(ホウガンノキ)

ツツジ目、サガリバナ科、ホウガンノキ属の落葉高木


砲丸ノ木(ホウガンノキ)は、その名の通り「砲丸」の様な実をつける、とてもユニークでインパクトのある熱帯性の高木である。これも京都府立植物園にも開花姿や実が成っているのは何度も見ているが、ブログに載せていなかった理由は、それらが間近に観察できずにいたからである。いつか載せたい植物のひとつではあったのだがやっと、その念願が叶っての掲載である。


この樹木の大きな特徴には、『幹生花』(カンセイカ)なる性質を持っている点である。カカオも同じ性質だが、両方に共通するのは重量のある実が付く点である。


カカオの実も重いが、このホウガンノキの実はその直径が15〜25cmとかなり大きい実が付く。その重量は手に持つとずっしりと重いもので、15kg以上。そのため枝に付けるのは樹木としても合理的ではない為、幹に直接花が咲き、実をつけるシステムを採用したのである。


このホウガンノキの花の造形がまた変わっている。花は直径10cmほどのもので、とても肉厚。台湾のグワバオから具材を抜いた様なカタチの花で、外観は海洋生物の様にも見える面白さである。花の天部には円形プレートがあり、そこには白い雄蕊がビッシリと並ぶ。そして下部プレートにはイソギンチャクの触手を思わせる仮雄蕊がモジャモジャと生えていてクイーンである雌蕊はこの中に鎮座する。


これは夜間に強い芳香を放つもので、この香りに誘われコウモリがこの中に頭を突っ込んで蜜を吸い、受粉を助ける機構となっている。この隙間の空間がコウモリの頭がちょうど入るもので、上部に配置された雄蕊の花粉がコウモリの頭部に付着しては受粉を助けるもの。


日本でホウガンノキのまん丸の実がなっているのは植物園の作業員がせっせと手作業で受粉をさせているものであり、その作業の大変さが分かる。京都府立植物園では
花の位置はとても高くに咲くのである。そしてもひとつ大変な理由は、サガリバナ系に属するホウガンノキの花は一日花、つまり咲いた翌日には花は落ちてしまうのでポリネーター作業にはタイムリミットがあるのである。


そして、花が散った後には、名前の由来となっている大きな実が成る。非常に重く、熟すと大きな音を立てて地面に落ちるもので、これの木の下を通るのは少し危険が伴うものである。私なんぞはこの花や実を目の前にして心をルンルンさせて撮影していたが、これが頭に落ちたらスリランカの地で昇天である。海外死亡保険はちゃんと掛けているので安心ではある。


さて、この実はどんな味なのだろう?この中には果肉と種子が含まれているのだが、熟すと強烈な悪臭を放つ為食用には全く適さないとされている。


ホウガンノキはその花の独特の形から、『ドラゴン:龍』や『ナーガ:聖なる蛇』の頭に見える為、スリランカでは聖樹として、仏教寺院によく植えられているのだと云う。このパラデニア植物園にも何本も植っていた。




和名 砲丸ノ木
   (ホウガンノキ)
洋名 キャノンボール ツリー
   CANONBALL TREE)
学名 コウロウピタ ギアネンシス
   (COUROUPITA GUIANENSIS)
分類 ツツジ目、サガリバナ科、ホウガンノキ属
種類 落葉高木
草丈 10〜30m
花期 4〜9月 場所により前後有
花色 ベージュ
花径 10cm
花弁 6枚 花冠裂片
萼片 6枚
雄蕊 上部プレート 多数 (花粉放出)
   下部プレート 多数 (仮雄蕊)
雌蕊 下部プレートの雄蕊に囲まれての配置
果実 15〜25cm
原産 コスタリカ、パナマ、ボリビア、
言葉 神聖
   祝福
撮影 2026年3月10日
場所 スリランカ、ペラデニア植物園

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