『フタバアオイ』 徳川家の御紋の原型はこの植物から
二葉葵
(フタバアオイ)
コショウ目、ウマノスズクサ科、カンアオイ属
落葉生の多年草で、湿った林床の地上に這う様に自生する日本の固有種となる。
この植物は京都の地にて『加茂葵』(カモアオイ)の名でも呼ばれる重要な植物で、京都三大祭のひとつである『葵祭』(アオイマツリ)では、このフタバアオイの薬を一万枚も使用するものである。










また、この美しい葉姿は徳川家の御紋へのモチーフとして使用された事でも有名である。徳川家の家紋に使われている葵の紋様は『三ツ葉葵』といわれ、元々は京都の賀茂神社(上賀茂神社と下鴨神社)の神紋に使われた『二葉葵』が原型として知られている。神聖な植物としてその御紋へと取り入れられたものなのである。
フタバアオイは京都の賀茂神社に古くから自生する植物で、神事や『葵祭』に用いられた聖なる植物として位置付けられた事や、そして何より賀茂神社の氏子だった松平氏、つまりは徳川家の前身がこの神社への信仰が厚かった事から葵紋を用いたことが始まりだとされている。
では何故、実際のフタバアオイの葉はニ枚であるのに対して、徳川家の『三ツ葉葵』は三枚葉なのかであるが、意匠として葉を三枚配置しデザイン性を高める目的とし一葉増やしたものなのである。
ここで簡単に葵の葉を利用した紋様や図案についての解説をしておこう。
『三ツ葉葵』(ミツバアオイ)
徳川将軍家が使用したことから有名な図案として知られるもので、三枚の葵の葉を三角形に配置したことから『葵巴』(アオイドモエ)とも呼ばれる。葉の向きを巴状に配置した美しい意匠である。この紋様には厳しい使用制限がなされ、誰でもが簡単に使われない様にと厳しい罰則がある紋様となる。


『二葉葵唐草』(フタバアオイカラクサ)
植物としての二葉葵は、密集して地面に密集して生える性質をもつことから、葵葉を唐草模様の中にバランスよく配置させた図案である。このパターンの美しさは見事である。京都地方での良き図案と言えるものである。


『二葉葵』(フタバアオイ)
ハート型の二葉の葵の葉を並べた図案で、最も古い葵紋様の形となる。古くは『葵』を『あふひ』と呼んでおり由来は『逢ふ日』を意味する。神聖な植物として古くより扱われたアオイは『神霊と出逢う日』を意味するものとして考えられており神格化された紋様となる。この紋様が二枚の葵が結ばれている図案となっているのはその意味が隠されている。今も賀茂神社の神紋として使用される紋様は、その左に小さく描かれた丸がある。これは葉の下についた葵の『花』を表している。以前に紹介した姫寒葵(ヒメカンアオイ)と同様、同じ属であるこの植物は葉の下に花を咲かせる。よってこの菜をめくってやると薄紅色のベルの形をした可愛らしい花を鑑賞する事が出来るのである。


以前の杜若を巡るツアーで訪れた大田神社であるが、ここは賀茂別雷神社の境外摂社となっており、この場でこの二葉葵(加茂葵)そのものを販売しており、私は喜んでこれを購入した。この横に二葉葵の神紋(賀茂神社の神紋)入りの可愛いサコッシュも販売されておりこれも同時購入、二葉葵のビニール入りの小さなポットを中に収納しぶらぶらさせながら後の植物観察時間を楽しんだものである。今もこのフタバアオイは元気に実家にて育っている。




和名 二葉葵(フタバアオイ)
双葉葵(フタバアオイ)
加茂葵(カモアオイ)
洋名 アサラム(ASARUM)
学名 アサラム カウレスケンス マクシム
(ASARUM CAULESCENS MAXIM)
分類 コショウ目、ウマノスズクサ科、
ウマノスズクサ属
種類 落葉多年草
草丈 10〜20cm
花期 5月
花色 薄桃
花径 15〜20mm
花弁 0枚
萼片 3枚
雄蕊 12本
原産 日本(北海道〜九州の全土)
言葉 細やかな愛情
撮影 2026年5月
場所 京都府立植物園 植物園会館前の鉢
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