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「赤髪のシャンクス」と呼ばれた女教師

「絶対に優勝しろ。2位以下では報酬はなし」

高校二年の時、担任だった女教師は「赤髪のシャンクス」というあだ名がついていた赤い髪の毛のお婆さんだった。本当に髪の毛が赤かった。彼女は、クラス発足後すぐにある合唱祭で必勝を掲げ、私が所属する2年3組にアナウンスした。

合唱担当だった私は、中学校にテープを借りに行く取次をするなど走り回った。優勝すれば全員にハーゲンダッツを奢るが、2位以下ならなし。
本番までに100回の全体練習を課し、生徒たちは一応団結してそれを成し遂げた。男子のパートリーダーだった私は、まったくみんなをまとめられず、リーダーとしては二年連続の失敗に終わった(1年生の時も合唱担当で結果は3位)。

結果は圧勝だった。アイスうまかった(^^♪

常に勝気で強気の先生だったが、野球部ばかりの脳筋男子組で唯一の頭脳派だった私に、コンクール直前でシャンクスは私にこう言った。

「勝てるかねぇ・・・」
「まぁ大丈夫なんじゃないですか」

なんとも素っ気ない対応だが、今考えてみればこだわりのない私らしい返答だと思う。シャンクスが珍しく弱音を吐く姿を見たという思い出話だ。なぜ私に話したのだろう。指揮者の女の子や、他にも頼れる人物はいたのに。

「最初の行事で勝ったら一年は安泰だ」

シャンクスの宣言通り、クラスは仲良しだった。
特に夏の球技大会では、ずっと体育の授業でボコされ続けていた隣のクラスと決勝戦で対決するという、少年漫画さながらの展開になる。
投手として私は、「2アウト満塁フルカウント」という、一歩間違えたら戦犯(ボールを外したら押し出しで敵に点が入る)の場面で最後の打者をサードゴロに抑えた。因縁のライバルを、ここ一番で退けたのだ。

先生は、「女子の応援をサボる事を許さん」と言って、女子の応援に男子を動員した。女子も優勝で、「赤髪海賊団」は我らが母校に武名をとどろかせた。

私は結構、この先生から「強い組織の作り方」みたいなもののヒントをもらった気がしている。うまく言語化できないが、その後私が職場で作り上げていたチームは、「最強」ではなかったかもしれないが、店の中で一番くらいの連携力を持っていたからだ。

とにかく勝利至上主義の先生だった。
2012年の話だから、落合監督の中日ドラゴンズとほぼ同時期の先生だった。
落合監督も同じようなことを言っていたから、シャンクスは彼を参考にしていたのかもしれない。

そんな話もしてみたかった。
昔、障害者の学校に通っていて差別にキレた話とか、形式的な課題を破棄するなど公務員らしくない公務員だった。
当時55歳くらいだから、生きていたらもう70歳だ。月日が経ったものだ。

犬ともいえ畜生ともいえ、武士は勝つ事が本にて候。

朝倉宗滴話記

と、朝倉家のオッサンも言っている。
何を「勝ち」とするかは人それぞれだけれども、私は私の戦いがある。
どうせ戦うなら、勝つ方がいい。自分との闘いならなおさらだ。
最後に立ってればいいのさ。どんな姿になっていたとしても。

「勝ちに不思議の勝ちあり」だからね。ずっと戦っていれば、何が起こるかわからないのが戦というものだ。今日は合唱コンクールで課題曲だった「モルダウ」でも聞きながら休もう。今日もよく頑張った。

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