◆第三話
#土産 <みやげ>を「どさん」と読み老舗<しにせ>を「ろうほ」と読む、中学の修学旅行では清水寺で木刀<ぼくとう>を買った旦那が残クレでアルファードを買い、息子の襟足<えりあし>が長すぎる件
父と母の紹介をしたところだが──
祖父母に触れ始めると、肝心の富山土産の話に行けなくなるので、そこはまた今度!
話題休題(それはさておき)
夕飯後に帰宅した俺は、下町感ただよう家族団欒<かぞくだんらん>のちゃぶ台……じゃなかったテーブルを囲み、お茶を啜って<すすって>いた。
ちょうど茶菓子に最適なお土産があったので、母に手渡す。
「これは?」
富山土産の名物、石谷もちやのあやめ団子である。

亜希おすすめの“知る人ぞ知る”逸品で、
餅米と上新粉を独自配分でブレンドした団子に、沖縄産黒糖を丁寧に煮詰めた濃厚ねっとり蜜が絡む……。
素朴なのに奥が深い。
思わず声が漏れた。
う・う・美味い!!
その俺を見て母が言う。
「ミッチーにしては、いいセンスよね!」
(※ミッチー=家族内の俺の呼び名だけど、どこぞの“2代目相棒”みたいであまり好きじゃない)
そして母が追撃。
「もしかして──富山で、誰かいい人にでも会えた?」
う……鋭い!
だがここで冷やかされるのは、マジで困る!!
「いや!富山で有名なお店だよ!ってsiriが教えてくれたんだ」
「な〜んだ、ジョブスの受け売りか……」
ふぅ……危なかった。
今のでどうにか逃げ切った。
が──
「ねぇ、ミッチー。お土産これだけってことはないわよねぇ〜?」
出た……母の追撃その2!!
「も・もちろん!」
俺は間髪入れず即答した。
そして取り出す第二の土産。
Google先生おすすめ『甘金丹(かんこんたん)』

富山と言えば“薬売り”。
そのルーツには「半魂丹(はんこんたん)」という妙薬がある。(※諸説あり)
江戸時代、富山藩主が江戸城で具合の悪くなった偉〜〜〜い人にこの薬を差し出したら、即効で元気になった……とかいう伝説つき。
そこからトントン拍子に専売特許になった、という謂れ<いわれ>があるらしい。
で、時代が変わり、
「富山、ますの寿司以外パッとしないよね(失礼m(_ _)m)」
と嘆いた地元有志が生み出したのが、このお菓子!
フワフワスポンジの中に、ねっと〜り上品なカスタード。
そう、これだ!!
母は案の定、
「待ってました!」
という顔でお気に入り登録♡
しかし──ここまでは序の口。
siriやGoogle先生に聞けば誰でも買える。
本当の本命はコイツだ!!!
◆富山の裏番!
ヤンキー番長絶賛の──森製パン所のパン!!

……はぁ?
何言ってるのこの人?
パンがお土産?
頭にウジ湧いた?
──などと言う声が聞こえる気がするが、失礼な!!
これがマジで美味い。
いや、美味すぎる!!
実は俺の地元・亀有にも、老夫婦が営む超老舗パン屋があり、
朝営業して1時間で売り切れる“幻のパン”が存在するのだが──
森製パン所は、それに匹敵するレベルなのである。
俺のおすすめは、上品カスタードをこれでもかと詰め込んだクリームパン!
地元ヤンキーの1推しは、からしハムサンドらしい。


俺はこれをこっそり隠し持って帰ったのだが……
戦場で生死を彷徨った<さまよった>父の野生の嗅覚は誤魔化せなかった。
見事にバレて没収……(泣)
こうして、我が家の下町らしい平和な日常を見せつつ、夜は静かに更けていった。
読了
いいなと思ったら応援しよう!
五千円・・・
じゃなかった
ご声援いただきましてありがとうございますm(_ _)m
ピー・ピー・ピー、バックします。50円ください
m(_ _)m