珈琲日記(2026.4.9)
(※写真は全て当該コーヒー豆店とは無関係です)
スペシャリテコーヒー豆の店でコーヒー豆を買っていた。
この地に越して来た頃に開店した小さな店だった。
以来ずっとそこで豆を買っていた。
たぶん十年以上たつと思う。
それをやめたのはほんの一年ばかり前である。
夫婦二人でやっている小さな店だった。
時には店を休んで海外まで豆の買い付けに行く。
そんな本格的な店だった。
旦那さんは職人らしい無口な人。
奥さんもそう愛想のいい方ではない。
だがコーヒーが美味しければ問題はない。
私自身たいして愛想の良くない無口なBBAなのだし。
私はいつもブラジルとその他の豆を200gずつ挽いてもらっていた。
一ヶ月に一度か二度ぐらいしか行かない。
あまり上客ではないことは確かである。
豆だけで何百グラムも買い込む客だっていたし。
まして豆を店で挽いてもらう客なんて少なかったろう。
こんなスペシャリテで豆を買う人はコーヒーミルぐらい持っているべきなのだろう。
(何故コーヒーミルを買わなかったかって単に自分で挽くのが面倒臭かっただけ)

だから奥さんが私に愛想が悪くても仕方がないと思っていた。
職人の奥さんだから同じく無愛想なのだと。
でも、だんだんと「あれ?」と思うようになって行った。
旦那さんも不愛想ではあるけれどコーヒーに関して何か質問すればきちんと答えてくれる。
コーヒー愛は伝わるから別に愛想は必要なかった。
たぶん誰に対しても同じような態度だったと思う。
ところがある時、奥さんが別の客に対して実に良い笑顔で接客しているのを見てしまった。
何だこの人ちゃんと笑えるんだ……と拍子抜けした。
しかし私に対する不愛想というか、つっけんどんな態度とは雲泥の差であるな。
そう思ってから気をつけて見るようになった。
何しろ十年来通っている店である。
その間ずっと「不愛想にされている」「冷たくされている」などと思っては、いやいや「私の被害妄想だ」「考え過ぎだ」とずっと否定して来たのだ。
いや、否定しなくてもいいでしょう!
明らかに私、差別されてるじゃん!
この奥さん私にだけ態度悪いじゃん!

ある日、翻然と悟ったのだ。
嫌ってるんだ私を!
来て欲しくないんだ私に!
それをあからさまに表明しているのだこの人は!
そんな私の推測が正しいのかどうか知る由もない。
というか知る必要もない。
だって私お客だもの。
ここのコーヒーは客としての不快さをも凌駕するほど美味しいわけ?
否!!!
そもそも私コーヒーマニアじゃないもの。
たまに飲むコーヒーなら美味しいに越したことはない。
近所に美味しいコーヒー豆屋があるなら通うにやぶさかではない。
せいぜいその程度の感覚よ。
それ以上に心が削られるような不快な思いをさせられるなら、行く必要ないんじゃない?
スーパーのコーヒー売り場で備え付けのグラインダーで豆挽いて帰った方がましじゃない?
やたらに「!」だの「?」だのがつく文章だが、私の心のままである。

十年以上通った店をやめて一年たってやっと文章に書けるようになったわけです。
そうして今やワンドリップ式コーヒーを利用する体たらくです。
ワンドリップ式のコーヒーもまた当たり外れが大きい。
とてつつもなく不味い物がある(私の好みに過ぎないけれど)。
この場合、牛乳と蜂蜜を入れて味を誤魔化すしかない。
いわゆるカフェオレですね。
あれ……?
エウレカ!!
お店のカフェラテって不味いコーヒーをミルクで誤魔化しているだけなのね!?
そうかそうかそうだったのか!!
(いやそうじゃない店もありましょうが)

という今朝の発見なのだった。
どっとはらい。
