「海の京都」をふらっと巡ったら、快適で満足なひとり旅が味わえた
「京都」と言って、読んでいる皆さんは何を想像するだろうか。
たぶん頭の中に金ピカのお寺、でかい神社、竹林、映えスイーツ、大量の観光客etc…
多分みんなこういうイメージ。わかる。
だから関西住みの私、最近京都には遊びに行かなくなった。
友達と行くならまだ盛り上がるからいいものの、写真を撮りながらひとりで旅行するのに京都市街地はあまりにも不適すぎるし。
学生時代でこれなので新社会人になった今はしばらく縁遠そうな場所。
だがそれは京都市(と、その周辺)の話。
意外と京都って広い。海にも面してる。
当然京都府はそんなこと知ってる。京都市に観光客が集まっている現状も。
そんな中、ちょっと前から京都の色んな地域を観光PRするために「〇の京都」というフレーズで宣伝し始めた。
(違ったらごめんなさい)

大まかにエリアごとにコンセプトを打ち出し、地域として観光客を誘致するという手法に出たみたい。タイトルにしている「海の京都」もその一つ。
日本三景の天橋立を始め、舞鶴の軍港などまあまあ知名度ある観光地から、調べてみると想像以上に海水浴場があったりちゃんと海沿いのエリアであることをアピールしている。
そして新社会人になることしばらく。はじめてのまとまった休み。どこかにいける!…どこにしようかな? 行ったことない近場がいいかな?
ってよくよく考えてみると天橋立とか行ったことないし、目的にしないとなかなか行く場所でもないかも。
せっかくだから北近畿、いや、海の京都に行ってみようと。
そういう動機でございます。
福知山城

最初は福知山へ。大阪から普通電車できたけど、久しぶりにこんなに普通列車を乗り通したかも。昔は18きっぷを使っていたからしょっちゅうだったけど、いまは18きっぷ日帰り旅行を繰り返すとかできないもんな…
途中はすっごくのどかで、ずーっと田んぼとぽつぽつ見える民家、青空を眺めながらのんびり読書。
ドパガキすぎるもんでなかなか家で読書が手につかないからこういう場所じゃないと読書も出来ない自分の愚かさに泣きつつ、「めっちゃいい時間の使い方してる!」と自己陶酔しながら本を読んでいるのでした。

どうでもいい?けど福知山市は海とはまったく接してない。けど海に面している都市とのつながりは強いし、北京都って名乗るより海の京都って名乗るほうがかっこいいからまあいいんじゃないですかねー(適当)


福知山駅から歩いて15分くらいで福知山城。グーグルマップ見てるとチョイ遠そうとか思うけどこういうときは歩いたら何とかなる(若いから!)
平日朝なので人はまばら。いても高齢おしどり夫婦くらいなもので私みたいなのは逆張りもいいとこすぎる。
…はい気にしない気にしない。
てか空いてるの狙ってきてるのだから大成功である。

福知山城のおもしろポイントは絶対に天守の石垣にある転用石だと思う。
よく見ると色んな石が混ざってる。そのなかには模様が彫られたり、形が整っている石も。これが転用石。
これはほかの用途で使われていた石が、なんの因果か石垣の石として積み込まれているということ。墓石とか石臼とか灯篭とかお地蔵様とかいろいろ。
結構いろんなお城で見られて、大阪城にも大きな石臼が天守台の石垣に使われている。
それを踏まえて福知山城をみてみる。
…いや、おおすぎ!なんで!
同年代と比べて多分たくさんのお城を見てきたが、こんなにははじめて、というかどの城もあって数個とか。ここまで多いと開いた口がふさがらない。
いつもほとんど下調べせずにお城に向かうから、生で見て衝撃的だった。
どうでもいいけど転用石以外の石も石質がバラバラなのは珍しいのかも。
…しかしこういう野面積みの石垣見るとよくこんなバラバラの石できれいに積み上げるなーって思う。昔の人ってすごい。

ちょっとくらい写真だけど、上からの眺め。
外に出てグルグル回れるって感じではなく、いくつかある窓から景色を眺める感じ。小高い山に立っているのもあって福知山市内を一望。意外と栄えてるなーというのを感じる。多分丹波県なり北近畿県なり海の京都県なりがあったら県庁は福知山でしょう。
しらんけど。
中の展示も割と見ごたえあったかも。
イメージあるかもしれないがエピソード的には明智光秀の話が大半。中の展示は割と最近に手が入っているような感じで、歴史興味なくても見てられそう。じっさい歴史興味ないけどおもしろかった。

帰り道は大通りからではなくちょい寄り道。天守の展望台から見ていた時に市役所裏に小高い山が見えたのでそこをめざしてみた。

テニスコートがある公園?みたいになってた。
行ったときは草が生え放題で入るか戸惑うくらいの茂みだったので長ズボンじゃないときついかも。

天橋立
さっきの高台から福知山駅までもどって、ここから北近畿タンゴ鉄道という地方特有のキラキラネーム三セクへ。この辺りを代表する観光地である天橋立に向かいます。


こういう地方私鉄ってぼろぼろの車両のイメージだけど今回乗るのはめちゃキレイ。USBも各席についてる神仕様。目つきがいかちい。
この電車とも列車ともいえない単行のディーゼルカーに乗って海の京都のターミナル、宮津まで向かっていきます。
ちなみに宮福線で海の見える区間はありません。ずっといい感じの田園風景です。でもそのいい感じの風景をを眺めながらだらだらするのがいいんです。

だいたい1時間で宮津到着。10分少々で天橋立へ向う紫色の電車が来ます。
反対に泊まってる車といいなんか色使いがビビットです。スーパー戦隊シリーズみたいなカラーリング。航空会社のFDAといい勝負かもしれない。

宮津からは一駅、数分で天橋立駅です。
和の観光地とは思えないくらい地味な、でもこじんまりはしていない何とも言えない雰囲気を出している駅舎だなーとか思いながら後にします。

天橋立といえばやっぱり上から眺めるあの感じ。
しらべてみるといくつか展望スポットはあるようですが、駅から一番近くて一番知名度があってたぶん一番見たことがある構図の「飛龍観」がみられる天橋立ビューランドにきました。
スキー場みたいなリフトとモノレールの2種類で登ることができ、時間はどちらも数分、往復で1000円でした。
モノレールは20分おきの運転に対し、リフトはずっと動いているので特段の理由がなければリフトでいいとおもいます。でも足が不自由だったりしても登れるようにしているのはさすが人気観光地。

この登ってるときにうしろを向けば景色が見れると思いますがそれは上での感動をうばってしまうので拙者は我慢させていただきます。
後ろに乗っていた外国人グループは途中からガヤガヤしていたので多分途中で振り向いたのでしょうか。謎の優越感と誘惑に耐えながら登ります。
ちなみに帰りの人は「もう景色は満足したからいいのよ」と言わんばかりに揃って電子機器を眺めていました。

上についてすぐにそれっぽい展望台があったのでから眺めてみます。
みたことある景色です。でも実際にみるとふしぎな感覚。
ほんとにこんな地形が実在することに脳が追い付いてないような感覚です。日本人はこれ見たら「ああ、天橋立だね」となりますが改めて見ると外国の方ならチャッピーに造らせた画像といっても信じそうです。
もっと奇妙に感じるのは右側の砂浜がギザギザしていること。ここも生成AI度(?)に拍車をかけています。昔の人が竜に見立てたり、日本三景にノミネートするのも納得。
まあ現代の感性からすると、確かに綺麗だけどこれを凌ぐ絶景はいくらでもあります。
でもそれは写真があって、ネットがあって、映えを求めている我々の感性であって、昔の人からしたらこれが絵でも伝わる不思議な景観として有名になるんだろうなーと謎に思いを馳せておりました。
上はかるーく遊園地化されていて観覧車とかサイクルカートとかが。
たしかに眺望いいし面白そうで、やはり長蛇の列ができていました。
一方奥まったところにも遊具があってメリーゴーランドとかもありました。
…景色見えないけどいいの?

スマホ見るのもったいないよ

天橋立って写真で見るとあの俯瞰する景色ばっかりなのでイメージ山から見ておしまい、かと思いがちです。実際私もそうだった。
でもじつは下のほうもお寺がや神社があったりしてなかなかの賑わいを見せております。なんなら天橋立の中を歩けます。

でも歩いたら普通に海です。
「これが天橋立」といわれたとしてこれでは昔の人も「へーそーなんだー」で会話終了でしょう。海辺は普通の海水浴場でした。

ただ中の道はチョイ別です。中に走ってる道は松並木が延々と広がっていて左右に水辺があるというなかなかないロケーションを楽しむことができます。日影も多いし近くにあったらお散歩にちょうどよさそう。
あと良いところとすれば、さっきのビューランドや駅周辺、この松林のつけ根は人がままあって、海外の方もかなりいらっしゃいます。海の京都に来た意味とは。にぎわっていることはいいことです。
一転、真ん中まで来ると地元の釣り人かおしどり老夫婦、レンタル自転車爆走ニキくらいしかいません。かなり平和です。各々自分の幸せをかみしめているようです。やさしいせかいです。


自然ってすごい、どういう仕組みなんだ
意外と中には神社とか短歌の載った石碑とか謎にアームストロング砲とかポケストップになりそうなくらいの名所がたくさんあったので暇な旅人は行ってみるとよいと思います。
ただし行き過ぎると対岸になって帰ってくるのめんどいからいい感じのところで引き返すこと。よくよく考えないと1時間コースになっちゃうぞ!


なんだかお洒落なおみくじがあったので引いてみた。これを境内にある松にくくりつけるみたい。
一応これでもZ世代なのでそれらしく映え写真的に撮ってみたけど小吉なのが何とも言えない哀愁を醸しているの草。


割とグルグル回っても予定の列車まで時間があったので駅前のレストランで休憩。
海の京都なので海鮮たべたい。やっぱり海鮮は正義。
というかどの飲食店でも海鮮か団子茶屋的なものかだいたいどちらかだった。そんな節操なく高級ステーキ!とか映えスイーツ!って感じではなかったかな。
…寺の境内で10円パン売ってたけど。
由良川橋梁とハクレイ酒造
天橋立から西舞鶴駅行きの電車に乗って途中の丹後由良駅にて下車。
今回JRの切符で大阪から乗ってきてたので宮福線で途中下車できるのかな?と思いつつ、不正乗車は良くないので宮津で駅員に聞いてみたら「問題ないですよ~」との回答。
ほっ。

丹後由良駅といえば駅付近にある由良川橋梁が絶景とのこと。
歩いて10分くらいで行けるみたい。
行きまーす!


こんな感じの橋で、広い由良川の河口に赤い橋桁がすらっと一直線に伸びている光景。
ノスタルジックというわけでもないし、かといって目を丸くするような絶景というわけではないのかもしれません。でも、ありそうでない、のどかでいい景色だなーとおとずれておもいました。(小並感)

しかしながら、これ見て「いきたい!」と思った方は要注意。
というのも、この由良川の河どこまで入っていいのかのかよくわからないのでございます。
道路と河口の石積との間に田んぼがありますが、当然私有地。「立ち入りご遠慮ください」的な看板があります。
でもこの河口そばの石積から撮られた作例はいくつか見受けられます。なんならフォトコンに入賞しているものも。
でもこの河口、私有地なのかあやしい細い道抜けていくしか道がないんですよねー。こうなるとグレー攻めていくしかない。いや、もしかしたらちゃんとした道があるのかもしれないけどちょいもやもや。
もちろん多少上流側に移動してそちらの河原から撮る作例も多いのですが、駅から徒歩だとハードモードです。
そしてそっちの方だと距離があるので望遠備えた一眼は必須。つまり、カメラガチ勢のみに許された画角。
ということで、「インスタで見たし簡単に綺麗な写真がとれそう♪」
くらいの軽薄な気持ちでいくのはどうかなーってかんじ。
じちたいの観光HPとかでも取り上げるレベルだから期待していたのにあまりにも絶妙に手の届かない観光地?かもです。

じゃあここまで読むと「丹後由良駅には寄らなくていいんや!」と勘違いしますが、私がここに降りた理由は由良川橋梁ではありません。
彼はオマケです。
主目的はこちら。駅から数分のところにあるハクレイ酒造さんです。
いやー若くして吞み旅、アルコールツーリズム、酒蔵めぐりに余念がないのもですからどうしても旅行中にめぐりたいもの。駅から近くて今回ちょうど寄れそうだったのでお邪魔させていただきました。

たくさんのお酒を試飲させていただきました。
全体的に綺麗で優等生な印象をもちました。優しい甘みとお米のうまみ、この辺りがバランス取れている銘柄が多かったです。
ひとり旅で試飲ができるのは鉄道旅のメリットだよね。
それと、結構攻めた取り組みをしてるなーとか思いました。ラベルにこだわってみる。山廃から大辛口、無濾過生原酒、食用米での日本酒造り、甘酒にしてから日本酒を作ってみる…
日本酒は今どこも厳しい状態ですから生き残りを図ろうとあの手この手で工夫をこらしている印象。ぶっちゃけ酒蔵まで来る人間なんてみんな日本酒好きですからスタッフの方もあれこれ色々、情熱込めて教えてくれます。
お話を聞けるのはどの酒蔵でも変わらないのですが、やってることは風土や製法、嗜好を色濃く反映しているのでまるで違います。
おかげさまでどこいっても面白くて興味深いお話がたくさん聞けます。
今回も電車の時間ギリギリまでいろいろ話し込んでしまいました。
ついでに帰りの荷物が重くなったとさ。父の日のプレゼントにしよっ。
吉原入江
ほろ酔いが田舎で小走りしながら駅について、2分後ぐらいに列車が来ました。
あぶないあぶない。


ゆられること数十分で終点・西舞鶴駅です。
前に一度JRできたことありましたが北近畿タンゴ鉄道で来るのは初めて。
今日はここで泊まります。チェックインを済ましてからまだまだ日没まで時間があるのでちょいと市内でお散歩してみます。

この謎の曲がかかってて、ペンキでややカラフルにしてあって、駐車場が左右に広がってて、びっしりシャッター街になってて薄暗いこういう寂れたレトロ商店街すき。

ということで西舞鶴から北に25分くらい歩いたでしょうか。吉原入江と呼ばれるエリアにとうちゃく。
中央に海につながる水路が伸びていて、その左右には民家がぎゅうぎゅうに詰まっています。観光雑誌にはあまり取り上げられてないみたいだけど、市の観光HP見てると紹介があり、写真撮るには面白そうかなと思ってきました。
いやー本当は明日の朝に来ようと思ってたんですけど大雨の予報で写真どころではなくなりそうだったし、この時期は日が長く宿ついてからも動けそうだったので前倒してきました。

派手な観光地とか民家ってことはありません。
まあ普通の生活エリアですから。古民家カフェとか駐車場とかはありません。
あるのは銭湯と小さな公園だけです。
…でも味わったことはないけどどこかの日常を映し出しているというか、そんな景色とでも表現しようか、美しい景色です。
新海誠作品とかのモデルになってたら納得しそう。

一番海側の橋から撮ったこの画角なんてもう最高です。
存在しない幼少期の記憶がよみがえりそうなうつくしい景色(?)
地元の人は写真をとっている私をみてみな不思議そうな、物珍しいようなそんな雰囲気で通り過ぎていきます。この景色あたりまえだし今更なんとも感じないのでしょうきっと。
でも、少なくとも私にとってここから眺める景色は素晴らしかったです。
美しい日常が広がっていて素敵でした。
あと地味に観光客らしき人がいなかったのは非常にいい。写真撮るときにほかの同業者がいないのはノンストレスです。


このあとは帰る途中に田辺城(舞鶴公園)に寄ったり…

近くのこれまた年季の入った地元のスーパーに買い出しに行ったりしながらのーんびり過ごしたのでした。
1日だらだら巡ってきたけど、こうして書いた後に見返してみると平日なこともあり、人が少なくて比較的快適に回ることができたなーと言う感想。
(…天橋立はまあまあ人いたけど)
かと言ってガラガラすぎるわけでも無いし、意外と鉄道が走ってるので車がなくても回りやすいかもなと思いました。ペーパーひとり旅にはありがたいかな…
1時間に1本ない時もありますがそれは都市圏以外そうなので諦めましょう。ここだけの問題じゃないから。
ほんとは2日目も少し回る予定だったけど台風が来て寝ている間に大雨になったので大人しく帰ることにしました。
1日で結構快適、満足に回ったので十分です。
おしまい。
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