ふたりしずか ほかろんはえらい!
静かなのです。
年初、ほかろんが躁状態であったときは、大きな声で一日中しゃべっていて、もう声がかれてきているのに、まだ大きな声で、なんだかかんだかしゃべっていて、ものすごーくうるさかったものです。
それにくわえて、なんでもかんでも、母親に偉そうに要求してくるものだから、私も切れてしまって、大きな声で返してしまっていたもので、家の中はものすごーくうるさかったのです。
それが今はどうかっていうと、静かなのです。
ほかろんしゃべりません。
母もしゃべりません。
ふたりとも静かです。
なんでかっていうと、緊張しているからだと思います。
緊張の原因はグループホームです。
私が高齢になって、毎日、しんどくなって、もう一人では、知的障害のあるほかろんを支えていくことが出来なくなってきたことを自覚し、グループホーム入所を考えて、入所に向けて動き出した時から、母は緊張の毎日なのです。
母は、ほかろんのグループホーム入所を希望しているけれども、ほかろんはどう捉えているのだろうか。
察しのいいほかろんのことだから、母親が加齢により、以前と同じように動けなくなってきていることをしっかり、感じていることでしょう。
親一人で抱え込まずたくさんの人に支えてもらって、生きて行く方法を切り開いていくことは、とても大事なことですが、理性に感情が追い付かないのです。
なにごともなくすんなりと、グループホーム入所にたどり着けるわけではなく、四月、五月と二回の体験お泊り(四泊五日)をしてきました。
一回目の最終日は、迎えに行ったら、ほかろんは緊張が解けたせいか、私の顔を見たら、滂沱の涙を流して抱き着いてきました。
二回目のお泊りの前は、「グループホームのお泊りは行かない。」と言い切っていたのですが、それでも、体験に行きました。
いかなくちゃあと、なんとなくわかっているんでしょうが、行きたくない気持ちもあって、それを大きな声で言うこと出来たのでしょう。
そして六月になり、来週三回目の体験お泊りの予定となりました。
昨夜、ほかろんが、頭を上げ、
「グループホームはもう行かない」ときっぱり言い切りまして、
私は、うわっ、どうしようと思ったのですが、
「ほかろんはよくがんばっているね、大人になったら、ひとりでいろいろやっていくんだよね。おかあさんもがんばるよ。」
とまあ、よくわからないことを言ったのですが。
そしてそのあとまた、静寂が訪れました。
ほかろんも、私も緊張のあまり、無言で静かです。
無理強いしたりしてネガティブな雰囲気の入所には持っていきたくないので、母の精神が、持つかどうか、自信がありません。
そして迎えた今朝。
「グループホームのかえりは、おかあさん、どこでまっていてくれるの?」という質問をしてきたほかろん。
つまり、ほかろんは、三回目の体験に行くことを、自分の中で受け入れたのです。
一晩、ほかろんなりに体験お泊りを受け入れてくれたのですね。
えらいよ、ほかろん。
おかあさんは、まだあわあわしてるよ。
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