映画感想文【スティング】
1973年製作
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード
<あらすじ>
ギャングの手下モットーラが賭場の売上を運ぶ途中、詐欺にかかって有り金をすべて奪われる。大金に浮かれる詐欺師たちだったが報復に仲間の一人が殺されてしまい、自身もまた殺し屋に追われることに。そこにつけ込む悪徳警官からも逃れるため、フッカーは伝説の詐欺師を頼ってシカゴを訪れる。しかしその男、ヘンリー・ゴンドーフは伝え聞いた姿とはかけ離れたくたびれ具合で……。

9月にこの世を去ったロバート・レッドフォードの追悼上映。
さほど期待していなかったのだが、ハラハラしながらとても面白く観た。
主演の二人は共謀者でありながら師匠と弟子のような関係で、双方全く異なるカッコよさがあった。
未熟で無鉄砲な役柄なので、余裕を見せるベテラン詐欺師(ポール・ニューマン)ばかりが一見素敵に映るかもしれない。しかし目まぐるしく変化する舞台に振り回されつつ喰らいつき、最後には痛みとともになにかを学び取った若者の表情がキラリと光る。
ロバート・レッドフォードは初め俳優として活躍した後に引退して裏方に回った人という認識だけがあり、出演作もさすがに名前は聞いたことがあるが一度もまともに観たことがない。(監督作品は観たけど)
初めてスクリーンでお目見えするロバート・レッドフォードは若々しく魅力が溢れ出ていた。
ストーリーの方ではギャングと詐欺師と警官と、そして殺し屋の思惑が絡み合う。緊張感とどんでん返しの連発でよく練られており、後半はずっとハラハラしっぱなしだった。
あまりにスリリングだと途中で観てらんない! と音を上げてしまいそうになるのだが、根底に笑いがあるので楽しめる。
レトロな場面展開と音楽も良い。
個人的に一番盛り上がったのはラストよりはその一つ手前、フッカーと殺し屋が対峙するシーンだった。ウワァァ〜〜。
実のところラストのオチは早いうちから予想がついてしまったのでそれほどだったのだが、「上等の詐欺は相手に騙されたと気づかせない」というゴンドーフのモットーそのもの、やはりよく考えられている。
秀逸。パチパチ。
亡くなってから気づくとは愚かの極みではあるが、50年以上前の名作を今新たに楽しめる環境に、機会に、名優に、感謝。
冥福を祈る。


