記事0本の個人ブログに、月14,000円払っていましたAWSエンジニアが自分の請求書を解剖します。
私はブログを書く前に、4万円失いました。🫣
公開した記事は、0本です。
こんにちは、EBEです。
前回書いた「二度目の挫折」認証もStripe決済もClaude APIも載せた自作ブログ。
今日はその実際のAWS請求書を公開して、解剖します。
ピーク月$95.10(約14,000円)、半年合計$283.44。
笑ってください。そのうえで、この請求書をあなたの教材にしてください。
※金額は1ドル=150円換算の概算です
※初めての方は第1回・第2回からどうぞ
まず、証拠から


半年で$283.44。月平均$47.24。使ったサービスは23個。
もう一度言いますが、記事0本のブログです。
月ごとの推移がこれです。

1月にほぼゼロから始まり、2月に立ち上がり、3月にピークの$95.10。
その後じわじわ下がって、6月は$0.55。
この山の形がそのまま、「作り込んで、我に返って、解体した」私の半年です。
犯人はどこだ?。ピーク月の内訳を読む
初めてこの内訳をまともに見たとき、正直「何かの間違いだろう」と思いました。
でも、違いました。
一行残らず、自分で足した機能の請求でした。
構築すること自体が資産になると思って、夢中で機能を増やしていました。費用も「勉強代だから」と前向きに考えていたので、当時はあまり気にしていませんでした。
でも振り返ると、使う予定もない機能を「いつか必要になるかも」と追加したり、未来の構想ばかりを膨らませたりしていました。
これ、個人開発でよくある「作ることが目的になってしまう失敗」そのものだったんですよね。💦

FinOpsの仕事では、請求書を見たらまず**「常時課金」と「従量課金」に仕分けます**。家賃か、食費か、です。

3月の内訳を仕分けると
RDS($58.60)、App Runner($14.17)、WAF($7.00)、VPC($3.72)、Secrets Manager($1.60)。ほぼ全部、家賃です。
つまりこの請求書は「たくさん使ったから高い」のではありません。
誰も来ていないのに、フル装備のサーバー群が24時間待機していたから高いんです。
筆頭犯はRDS:月6,000円のデータベースが、1本の記事も1人の会員も持たないまま、毎日律儀に稼働していました。
「自作は月500円」って言ったのは誰だ
前回の費用比較表に、私は「自作:月約0〜500円」と書きました。この請求書と矛盾するじゃないか——と思いますよね。
矛盾しません。私が作ったものが、ブログではなかったんです。
ブログを書きたかっただけなのに、私はWebサービスを作っていました。
ブログ(記事を置いて読んでもらう)→ 静的サイトで足りる。月数十円〜数百円
Webアプリ(会員がいて、決済があって、AIが動く)→ DBと実行環境が要る。家賃が生える
私は「ブログを作る」と言いながら、認証を足し、Stripeを繋ぎ、Claude APIを載せた。その機能ひとつひとつが、固定費をひとつずつ召喚していたわけです。

作りすぎの代償は、時間だけではありませんでした。
金額にして月14,000円——レンタルサーバー(月1,000円)の14倍。「自作は安い」と言いながら、私はエックスサーバー14ヶ月分を毎月燃やしていたことになります。
で、解体したらいくらになったか


解体後の6月の請求は**$0.55**。残っているのはRoute 53のドメイン維持費だけです。月14,000円 → 月80円。
この差額が、丸ごと「作りすぎの値段」でした。
ちなみに2月の請求には約$15の「Registrar」=ドメインの年間登録料があります。つまり半年を振り返ると、本当に必要だった固定費は年$15のドメイン代だけだった、とも言えます。
じゃあ、正しく作ると月いくらなのか
二度の失敗を経た今、同じ「個人ブログ」をゼロから作るなら構成はこうします。

記事を置くS3(月数円)、配信するCloudFront(無料枠内でほぼ$0)、住所のRoute 53(月$0.50+ドメイン年$15)。合計:月$1前後。
年間でもドメイン込み約4,000円。**アクセスが増えても従量でゆるやかに増えるだけで、家賃の待機部隊はいません。前回の「月0〜500円」は、この構成の話です。
認証や決済が本当に必要になったら?その時に足せばいいんです。
今日から何をすべきか:請求書の読み方3ステップ

すでにAWSや他のクラウドで何かを動かしている人は、今日この3つだけ。
Cost Explorerを月別で開く(見たことがない人が一番危ない)
サービス別に並べて、上位3つを特定する(私の場合はRDS・App Runner・WAF)
その3つに聞く:「お前は誰も来ない夜も、動いている必要があるのか?」答えがNoなら、それは削れる家賃です
まだ何も作っていない人は、第2回の診断へ。**書くのが目的ならnoteへ。作るなら、機能3つまで。**この請求書が、その理由の全部です。
AWSコスト管理・クラウド設計系の書籍1冊。
最後に
この4万円は高い授業料でした。でも、無駄ではありませんでした。
おかげで私は、「作りすぎること」と「必要なものだけを作ること」の違いを、1ドル単位で説明できるようになりました。
もしこの記事を読んで、「自分も同じことをしているかもしれない」と思ったなら、一度だけクラウドの請求書を開いてみてください。
そこには、未来のために増やしたつもりが、実は今の自分には必要なかった機能が眠っているかもしれません。
シリーズ「副業ブログ、はじめる前の教科書」
予告:この話には、続きがあります
私はこのブログで4万円を失いました。でも同じ時期に始めた「発信」は、お金では測れないリターンを連れてきました。
転職活動で面接官との会話が変わり、発信そのものが評価され、結果として4社からオファーをもらうところまで。「ブログは収益だけじゃない」という話を、数字も含めて全部公開する記事を、次の有料記事として準備しています。マガジンをフォローしてお待ちください。
