ショッキングピンクの女
靴下が好きだ。
カラフルな色や、大胆な柄物の靴下を見ると、つい手に取ってしまう。
働いていた頃は、黒い靴下かストッキングの二択。休みの日も、その延長線上のような落ち着いた色や柄ばかりだった。
もともと、おしゃれにもそこまで興味があったわけではない。
それがどういうわけか、仕事を辞めてから靴下で遊ぶようになった。
柄物の靴下や、目が覚めるような原色。
以前なら見向きもしなかったような靴下が、少しずつ引き出しに増えていった。
きっかけは忘れてしまったけれど、服はシンプルでも、靴下なら気軽に差し色や遊び心を取り入れられる。
そんなことを、この歳になって学習したのだ。
以来、歳の割にはポップな色や柄が並ぶようになった。
出先でかわいい靴下を見つけるとつい
目につく、いや目ざとくだ。
猫柄なら、なおさらだ。
「これは差し色になる!」
そんなふうに思うと、気づけばレジへ向かっている。
何より、服よりずっとお財布に優しい。
そして数日前、またネットでポチッとしてしまった。
靴下と小物の福袋。
今朝、その福袋が届いた。
開けてみると、ショッキングピンクのメッシュの靴下に、もう二足、それからポーチとアームカバー。
ショッキングピンクか……。
自分ではまず選ばない色だ。
そう思いながらも、「意外と差し色になるかも」と、さっそく履いてみた。
そんなに悪くないやん。
ズボンの裾からちらりとのぞくピンクが、今日のラッキーカラーみたいで、なんだか元気が出る。
これで自分の機嫌が取れるのなら、安いものだ。
いつもより高いところに浮かぶ雲。
青空。
そして、歩くたびにちらりと見えるショッキングピンク。
それだけで、足取りが少し軽くなる。
夏の昼間。
今日はいつもより少しだけ涼しい風が吹いていて、その風まで味方してくれているような気がした。
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