発表会までの成長を「見える化」。練習動画を共有している理由
ピアノのレッスンは、
基本的に先生と生徒さんのマンツーマンです。
一人ひとりのペースや
個性に合わせて進められることは、
個人レッスンの大きな良さだと思います。
その一方で、
ー他の生徒さんがどんな曲を練習しているのかー
ーどのくらい頑張っているのか?ー
を知る機会は、意外と少ないものです。
特に発表会前。
同じ教室に通い、
同じ発表会に向かって練習していても、
「みんなも今、頑張っている」
ということは、
普段のレッスンだけではなかなか見えません。

そこで以前、
発表会に向けて練習している生徒さんたちの様子を短い動画に撮り、
教室内で共有したことがありました。
「できるようになったところ」を動画に
レッスンの中で、
「ここ、ずいぶん良くなったね」
「今日はここまで弾けるようになったね」
というタイミングで、短い動画を撮ります。
特に、
練習に少し後ろ向きになっている生徒さんには、
「ここまで弾けたら、動画を撮ってみようか」
と声をかけることもあります。
すると、
それまで何となく弾いていた生徒さんの表情が
少し変わることがあります。
録画するとなると、
姿勢を整えたり、もう一度弾き直してみたり。
「人に見てもらう」という小さな目標ができることで、演奏への意識も少し高くなる。
動画には、そんな効果も感じています!
そして
保護者の方には、プラスの言葉と一緒に
動画を保護者の方にお送りする時に、
大切にしていることがあります。
それは、
できていないことではなく、
「できるようになったこと」を伝えること。
「〇〇ができるようになりました!」
「今日はここまで進みました♪」
「次は〇〇に向けて頑張ります」
そんなプラスの言葉を添えて送ります。
練習に気持ちが向かない時期には、ご家庭で
「練習したの?」
「まだやっていないの?」
という言葉が増えてしまいがちです。
そんな時、
先生から「ここまでできるようになりました」と
動画が届けば、保護者の方も、
「頑張ったね」
「上手になったね」
と声をかけやすくなります。
先生から保護者へ、
そして保護者から生徒さんへ。
プラスの言葉がつながっていくことも、
動画を共有する意味の一つだと思っています。

個人レッスンだからこそ横のつながりを
以前はさらに、
生徒さん一人ひとりの短い動画をつなぎ、
1分ほどのリールにしてグループLINEで共有したこともありました。
一人ずつ撮影して、
それをつなげていくので、
正直なところ少し手はかかります。
それでも、
とても有効な取り組みだったと感じています。
もちろん、
目的は誰かと競うことではありません。
誰が上手か、
誰がたくさん練習しているかを比べるためでも
ありません。
「あの子も頑張っているんだ」
「こんな曲を練習しているんだ」
「私ももう少し頑張ってみようかな」
そんなふうに、
個人レッスンでは見えにくい横のつながりを
感じてもらうためです。
一人で練習しているように感じても、
同じ教室には、
それぞれの曲に向き合っている仲間がいる。
そのことが見えるだけでも、
発表会に向かう気持ちは少し変わるように思います。

仕上がっていく「過程」も見てもらう
そしてもう一つ、
動画を共有して良かったと感じるのは、
保護者の方にも、練習途中の姿を見ていただけることです。
発表会当日の完成した演奏は見ていただけても、そこに至るまで、
どのように練習を重ね、
少しずつ曲が仕上がっていったのか。。
その過程を見る機会は、意外と少ないものです。
まだ途中で止まってしまったり、
思うように弾けないところがあったり。
それでも、
「先週よりここまで弾けるようになった」
という一つひとつの変化があります。
私は、そんな練習途中の姿も大切な成長だと思っています。
そして、
その後のリハーサルでは、
さらに仕上がった演奏を聴いていただく。
「あの時はここまでだったのに、
こんなに弾けるようになったんだ」
最初の動画があることで、
その変化がより分かりやすくなります。
練習中の動画から、リハーサル、そして本番へ。
完成した演奏だけを見るのではなく、
そこにたどり着くまでの過程も含めて
見ていただくことで、
生徒さんが積み重ねてきた努力や成長が、
保護者の方にも伝わりやすくなるように思います。
発表会までを、教室みんなで進んでいく
発表会では、一人ずつ舞台に立ちます。
けれど、
そこに向かうまでの時間は、
教室のみんながそれぞれの場所で、
同じ目標に向かって進んでいる時間でもあります。
個人レッスンだからこそ時には動画の力を借りて、
「みんなも頑張っているよ」
ということを見える形にする。
録画することで、
生徒さん自身の意識が少し高くなる。
保護者の方にも、
日々の小さな成長を感じていただける。
そして、
ほかの生徒さんの頑張りを知ることで、
教室としての一体感にもつながっていく。。
少し手間はかかりますが、
やってみて良かったと思う取り組みの一つです。
個人レッスンの良さを大切にしながら、
発表会に向かう時には、
教室のみんなの存在も感じられる。
そして本番の演奏だけではなく、
そこまで頑張ってきた過程も大切にする。
これからも、
そんな発表会への時間を作っていけたらと
思っています。

