九州と別れの時。九四フェリー
国道九四フェリーに乗って愛媛に入るために、朝6時30分には佐賀関の宿をでた。
朝だからか、信号が少ないからか、はたまた道が広い所が多いからか皆よく飛ばす。
轍のできた道はわたしのバイクでは足を取られそうで、警戒しながら走るわたしはその流れを変えてしまう。
広い道ではどんどんわたしを抜かしていく。
片側一車線では抜いてもらうスペースを幾度となく探した。
(どうぞどうぞ抜いていってください)
そんな気持ちで走った。
海沿いを走るようになると、強風を認識するようになった。
海から飛沫が私めがけて飛んでくる。
ちょっと洒落にならない。
車体を真っ直ぐに保つのが精一杯だ。
朝からタフな走行になってるけど、四国側は平気だろうか。
そもそも船に乗る時、真っ直ぐ走れるだろうか。不安になると沢山の不安を呼ぶ例のクセが頭をもたげる。
フェリー乗り場につき、待機列でヘルメットを取るかそのままでいるか考えて、取って一瞬で寒さとボサボサになった頭を改めてヘルメットにしまうことに決めた時、係の人が乗船券を確認するためわたしに近づいてきた。
あまりにも不安ですぐに聞いてしまった。
「この風でうまく乗せられますかね」わたし「大丈夫ですよ~」係りの兄貴
いつものやりとり。乗船時、毎度この不安を係りの兄貴ぶつけてみても、相手が変わっても、寸分違わずこの答えが返ってくる。
程なくして「バイクの方どうぞ」と乗船指示が出た。よりによって一番。
さっさと乗らなければ。焦るー。
教習所位の坂道を勢いよくアクセルを回して登っていった。
うまく登れた。
次は停車だ。
停止する所に、スライド防止の様な斜めの凹凸があって、これをうまく避けないと確実にコケる。
こわいこわいとヘルメットの中で声に出しながら何とか停止して、バイクをラッシングしてもらった。
乗船からおよそ30分過ぎた頃、船が動き出した。
