感情成仏記「家系ラーメンとHelsinki Lambda Club」
ひとりラーメン、ひとりカラオケ、ひとり焼肉。ソロキャンプ。キャンプだけ、ソロ、キャンプ。ひとりキャンプでよくない?ひとりキャンプ、ソロキャンプ。うーん。
汗臭い中年男性に挟まれ肩を縮ませながらラーメンをすする。ずるずると、すする。ティッシュケースを机の上でなく頭上に取り付けるという目から鱗の工夫を凝らす店内で流れる、どこか懐かしい音楽をシャザムする。Helsinki Lambda Club の「友達に戻ろう」というEPの「しゃれこうべ しゃれこうべ」という曲らしい。下北吉祥寺高円寺、または地元の川沿い散歩が似合う人々が聴く系のバンドね、と、脳内ヘンケン(新しいカギで粗品がパロってた偏見いう遠藤憲一略してヘンケンのアレ)が口をはさむ。
え。ジャケットおほしんたろうさんイラストじゃん。かわい。…!?!?
ヘルシンキ「ラムダ」クラブって読むのか!!!はあ!climbフェイントね!
あっっっっぶなーーー!
人前でこのバンドの名を口にする機会がこれまでなかったことに胸をなでおろしながら、ラーメンをすする。ずるずると、すする。
左目を突ついて 中身がどろりと出てきた
だけど死なないで 愛しい人
大好きな味玉をお箸で突つく。黄身がどろりと出てきた。オレンジ色の妖艶な光を放つその川に麺をくぐらせ、
ラーメンをすする。ずるずると、すする。
硬め、濃いめ、少なめ。濃いめで少なめって相変わらず意味わからんな私。自らを嗤うしか、今の私に強がる方法は残されていない。家系ラーメンをひとりで食べに来ることしか、あの言葉に、あの瞬間に抗う術がない。
心の在処久しぶりに わかったような わかったような
森のなかひっそりと湧水を 見つけたような 見つけたような
本当にこんな気持ちだったのだ、あの言葉に心を蝕まれることになるあの瞬間までは。
ラーメンをすする。ずるずると、すする。黄身の絡んだ部分は美味い。
一心不乱にすする、すする。今すすっているのが硬め濃いめ少なめのラーメンなのか、自分の鼻なのか、その区別はつかない。隣のおっさんらも気にする様子はまるでない。
「あざぁーしたーー」
でかいだけの店員さんの声に背中を押され、外に出る。さっきまでのよどんで生暖かい空気が一変、針のような風が頬を刺す。数時間前の「森のなか」でにへらとしていた自分を窘められた気がして、今度は確実に、鼻をすする。
――――――――――――――――――――――――――――
恋してたと思ってたのは自分だけとか
言葉に心が右往左往したりとか
そういうことって自分だけじゃないと思いたくて書いたエゴ雑記になってもうたわね。そんな日もある。
寝れへんくらいには心にダメージを負っていたみたい。
最後まで読んで下さった方、ありがとう。いい恋ってどんなかわからないけども、あなたにとって最高にいい恋ができていますように。
