日銀からベンチャー、そして創業へ。異色の経歴を持つ代表が「再エネ事業」で目指す未来とは?
株式会社アスソラは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの開発や導入支援を行う「再エネスタートアップ」です。私たちは、2022年4月の設立以来「再生可能エネルギーの“フル活用”」をミッションに掲げ、再エネの普及に取り組んできました。
今年、創業4年目を迎えるにあたり、さらなる事業拡大を目指して採用活動を強化しています。
今回のnoteでは、代表取締役である山崎智広にインタビューを実施。再エネ普及への想いやアスソラの事業内容、今後の展望について語ってもらいました。
代表取締役 山崎智広
日銀を経て、2014年より再エネベンチャーにて、国内最大級のバイオマス事業、地熱事業など再生可能エネルギー発電の新規事業を開発。2022年に当社創業。
㈱ウェイストボックス社外取締役、東京大学卒業、スタンフォード大学院修了。
幼少期からあった「資源を有効活用したい」という想い
ー再生可能エネルギーへの興味はどのように芽生えたのでしょうか?
幼い頃から環境問題に強い関心を持っていました。地球温暖化や自然破壊など、環境問題は多岐に渡るものの、その根底には「ムダ」があると感じていたのです。
たとえば、太陽光や風力といった自然によるエネルギーはいまだ十分に活用されていません。人類が全ての資源を有効活用しても環境問題が改善しないのであれば諦めもつきますが、「まだまだできることはある」というのが私の持論でした。
とはいえ、個々の問題に対する規制づくりだけでは、及ぼす影響は限定的です。より効率的かつ効果的に環境問題を解決するには、経済活動と連動したアプローチが必要だと考えていました。

ー経済の視点から環境問題に取り組もうと?
そうですね。まずは、経済の仕組みや市場を深く理解しようと、日本銀行でキャリアをスタートさせました。
転機となったのは、スタンフォード大学への留学です。多くの起業家と出会う中で、「ビジネス」の視点から社会問題の解決を試みる可能性を知りました。自身の事業分野で、世界を変える彼らに深く刺激を受けたのです。
この経験から、当時50人規模だった再エネベンチャーに転職。再生可能エネルギー発電の新規事業の開発を任され、ゼロから事業を立ち上げる発想力と困難を乗り越える実行力を鍛えられました。
ーそこから、なぜ起業に至ったのでしょうか?
留学時代の経験に加えて、「世の中になければ自分たちでつくる」という志のもと事業を立ち上られていた、前職の代表や仕事をご一緒させて頂いた経営者の方々の影響が大きかったです。「一度きりの人生、私も社会に貢献すべくチャレンジしたい」と、当時担当していたプロジェクトが一区切りしたタイミングで、起業を決意しました。
さらに、再エネを社会に浸透させる経済的な土台が整ったことも起業への後押しとなりましたね。
再エネは、もともと政府による固定価格買取制度(FIT制度※)によって普及しました。しかし、制度開始から10年が経ち、市場での認知が高まるとともに、脱炭素経営を目指す企業の需要も増えてきました。「政策」に支えられた普及期から「実需」による拡大期を迎えた今こそ、再エネ事業を加速させる好機だと考えたのです。
※固定価格買取制度(FIT制度)…再生可能エネルギーで発電された電気を、電力会社が一定期間、一定価格で買い取ることを国が約束する制度。2012年に開始された
「電力の開発から利用最適化」までを一貫して行う
ーアスソラは「再生可能エネルギーを、フル活用する」というミッションのもと創業しました。ミッションに込めた想いと事業内容を教えてください。
ミッションには、誰もが再生可能エネルギーを導入し、その設備を最大限活用することで、持続可能な地球をつくりたいという想いが込められています。そのために、私たちはおもに2つの再エネ事業に注力しています。
1つは、再エネによる「発電事業」です。この事業は、私たち自身が発電所をつくり、「コーポレートPPA※」と呼ばれる仕組みを通じて、法人に電力を供給するものです。高まる再エネのニーズに応えるには、既存の発電所だけでは不十分。新たに発電所を設置することで、電力を開発し、再エネ導入の加速を目指しています。
もう1つは、「蓄電事業」です。自然を資源とする電力は、天候条件によって発電量が変わります。そのため、電力が不足したり、急激に増えすぎると出力抑制がかかり、上手く送電されない場合があるのです。それらの課題に対応するため、蓄電所の開発にも着手しています。
※コーポレートPPA…需要家(電力を必要とする主体)が発電事業者から再生エネルギーの電力を長期的に調達するために締結する契約。再エネの拡大に貢献できる手段として国内外で注目されている
ー「電力の開発から利用最適化」まで、まさに「再エネのフル活用」に取り組んでいるのですね。そのほかに、会社の特徴はありますか?
さまざまなステークホルダーと協力しつつ、1つの事業を一貫して手掛けていることでしょうか。現在のアスソラは、発電所の建設から電力の供給先の選定、資金調達、実際の送電に至るまで「電力を生み出して、届けるところ」までのすべてを担っています。
これによって、プロジェクトを迅速に進めるメリットを顧客に提供できています。
「クリーンな電気」を生み出している実感がやりがいに
ー創業から今年で4年を迎えます。これまで「大変だ」と感じたことはありますか?
自社で太陽光の発電所をつくるには、時間がかかると分かっていたので、大きな焦りはありませんでした。特に創業したての頃は「種まき期間」だと思って、発電所の候補地のリサーチや地元の方々との関係構築などに尽力していましたね。
創業から2年半でようやく努力が実り、「アスソラ第一号の発電所」が形になりました。プロジェクトにおいては、もちろん困難な場面もたくさんありましたが、「諦めたい」と思ったことはありませんでしたね。
大きな目標を実現するには、1つ1つ課題をクリアするしかありません。目の前にある課題に実直に取り組むーー。地道に実績を重ねることで、ここまでやってきました。
一課題が多いぶん、達成感も大きいと思います。どんな場面で、やりがいを感じますか?
発電所からクリーンな電気を供給し、それで世の中が動いていると実感できるときにやりがいを感じます。電力は目に見えませんが、第一号発電所が完成したことで、再エネ開発の推進に寄与している実感を、一層持てるようになりましたね。

奇をてらわない。実直な事業推進で「持続可能な地球」をつくる
ーアスソラの今後の展望を教えてください。
日本では、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指し、2030年までに再エネの割合を全体の36〜38%に、2040年までには50%に引き上げる計画があります。この流れに伴い、私たちも発電所数をさらに増やすことで、再エネ開発の加速に貢献していくつもりです。
一方で、再エネによる発電量が増えると、効率的な送電方法の検討も必要になるため、今後は蓄電所の開発や電力消費を最適化するシステムの導入にも注力していきます。
再エネ事業は日々進歩しています。例えば、ペロブスカイト太陽電池など、先進的なプロジェクトの研究は非常に意義がありますし、私たちも既存の「太陽光発電」だけにこだわっているわけではありません。
ただ、新たな事業の研究や開発中にも使われない資源は増え、化石燃料の使用は進行しています。私たちアスソラが目指すのは、あくまでも資源の「ムダ」をなくし、再エネを有効に活用できる社会にすること。発電や蓄電事業へのニーズが続く限り、実直なサービスの提供に取り組んでいきたいです。
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