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数学に愛された少年(24)

 まりこさんは光雄くんの家と純子ちゃんの家を訪問して色々と考えさせられます。親御さんにとって子どもの存在は限りなく大きいものであるのは今も昔も変わりません。ましてや4人の男の子を育て上げたまりこさんは親の気持ちが良くわかります。
「光雄くんのお父さんが言うことも、純子ちゃんのお母さんが心配するのももっともな話やなぁ...ましてや、私が子育てをした頃と違って子供の数も減っている。それに、情報だけは溢れかえっている。親が子を思う気持ちは昔より、強くなっているんやろなぁ...責任重大や!」

「田中さんとこと、久世さんとこは、なんか言う取ったやろ?」
「田中さんには結構厳しいこと言われてしもうた。」
「そりゃそうやろ(笑)素読なんかやらしたら、『いつの時代の教育や!もっと実用的なことを教えてくれ!!』と言われるのは想定内の話や。」

「想定内?わかっとってやっとたの?」
「まあ、分かっとった(笑)そやけど、わざわざ光雄くんにここまで来てもらって『カド』ってのは、光雄くんも面白くないやろし、わしもそんなことやるんやったら光雄くんを呼ぶなんてことはしとうない。お前もほう思うやろ?」
「確かになぁ...『カド』とか『ケド』なんて家でやるもんやし、勉強する習慣をつけさせるのが目的でもあるし、自発的にやらな意味もないわなぁ...」
「ほうやろ(笑)習慣付けは家庭での仕事やで。勉強の好き嫌いがあるのは個性の一つなので何の問題にもならへん。ほやけど、何事にも習慣をつけるというのは大事なことや。勉強だけやない。お手伝いや部屋の掃除なんかもそうや。何事にも習慣づけさせるのは親のつとめやろ(笑)うちでの勉強は週一回にすぎん。ここで出来ることは、大きい言葉で言うたら『学問への興味をもたせる』ことだけや。勉強するのも悪くないなぁ...と感じてくれたら、ほれでええんや。」

「なるほどなぁ...ほれで、光雄くんの成績が上がらんかったらどうするん?」
「まあな、『素読』で成績上がるか?というたら、わしも疑問がある(笑)けどや、わけのわからん文章を何回か読んで『あれ!!!』って閃きが、『学問への興味』に繋がるのは間違いや無いと思っとる。今日やって光雄くんには『閃き』があったんで、その『閃き』が繰り返されたら、なんか面白いことに繋がるんやないかと思っとる。」
「なるほどなぁ...そんなことまで考えとったんか...ほしたら、論語も光雄くんに合うものを選ばんといかんのやね?」
「まあ、そうなる(笑)自信喪失した?」
「いや、責任重大やと思った(冷汗)早速やけど、これから図書館へ行って論語の解説本を借りてこかな?買った本は薄っぺらいやつやったし、解説難しかったんで、他の本もあたったほうがええかなぁ...と思っとる。」
「まあ、無理はせんでもええんよ。出来る範囲でええんや。」
「いや、やっぱり図書館へ行ってくるわ!」
 善は急げで、まりこさんは町の図書館へと出かけました。

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