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数学に愛された少年(20)

「すっ飛んだ?むりすう?なんなん?」
「啓太くん、先週の事思い出してみ。割り切れる数はスカッとしたけど、割り切れん数はスカッとせんかったやろ?」
「うん。」
「スカッとした理由はなんやった?」
「えっとね、点のあとにわけのわからん数字が並んでない時にスカッとした。」
「でもそのとき啓太は、今日みたいに点の後の数字のことはあまり気にしてなかったやろ?試しに10÷3やってみ(笑)」
「10÷3は3.33333333333!あっ、気にしとらんかった。点のあとにおんなじように数字が並んどる。数字が並んどるから割り切れんと勝手に思っとった。」
「まあ、そう思うのは無理のない話やで気にすることはない。割り算しても似たようなことになるんよ。ただし√のときと割り算の時はちょっと意味が違う。それから、点のことは小数点っていうんや。」
「しょうすうてん?」
「小さい数の点と書いて小数点っていうんや。簡単に言うたら1より小さい数を示す記号のことや。」
「まあ、こっからは難しい話になるんやけど大丈夫か?」
「大丈夫やないかもしれんけど、教えて...」
「じゃあ、さっきの3.33333333333に3かけてみ?」
「3.33333333333×3は9.99999999999....あれ?10に戻らへん。やっぱ電卓壊れとるやん(笑)」
「そう思うのも無理ないけど、この電卓は頑張っても小数点の下は11桁しか表示できんのや。もっとたくさん表示したかったら横幅がもっと大きくなるやろ?」
「横幅のもっと大きい電卓やったら10に戻るん?」
「それが、そう簡単な話やないんや。」
「電卓や無くて、紙で計算してみ?」
10÷3は3あまり1やろ、1÷3は小数点ってのつかうと0.3あまり0.1やろ...」
「続けて続けて(笑)」
「0.1÷3もおんなじやり方でええの?」
「ええよ(笑)」
「0.1÷3は0.03あまり0.01で、0.01÷3は0.003あまり0.001で、0.001÷3は0.0003あまり0.0001で...弘中先生、ひょっとしてこれどこまででも続くんか?」
「そうなんや。どこまでもどこまでも3が続いていくんや。このどこまでも続いていくことを”無限"って言うんや。」
「むげん...また新しい言葉や。知らんかった。ひょっとして、数って無限なの?どっかでおしまいにならんの?」
「おしまいになるんやったら、数学は面白くないからの。」
「なんか、僕にはむげんっていうのが怖いものに思えてきた...どこまでいってもきりがないって変な感じがする。」
「そうやのう。むかしの数学者は『無限』の事は考えたらいかん!と言われとった時代もあったんで、啓太が怖く感じるのも無理はないなぁ(笑)」

「そろそろ休憩にするかの?光雄くんどうや何回読んだ?」
「10回読んだで。ちょっと分かったことがある。これ、感想文やろ?」
「感想文?」
「ほうやて、なんかしらんけど最初はうれしいことがあった。ってかいとるやろ「よろこばし」ってよろこぶってことやよね。」
「ほうほう。それで(笑)」
「次は、ともだちがなんかあったみたいやけど、たのしかったって言うとるような気がする。」
「それは正解やな(笑)」
「最後は、さぱりわからんけど、前に書いたることから考えると、なんかがあった。ってことやと思う。違うか?」
「よう、10回読んだだけでそこまで分かったな。凄いぞ光雄!!」

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