#64 質問4「宝石のルース(裸石)の値段はどうやって決まるの?」

夏だからといって、浮かれてばかりではいけません。
はい。
今回はきちんと、いただいたご質問にお答えしたいと思います。
ご質問してくださった方、ありがとうございます!

<ご質問内容>
「ミネラル・ショーやミネラル・マルシェなどで、展示ケースに販売価格が明示されている場合と、その価格を表示せず、"カラット数×単価”(相場)のみの表示で、その場で電卓を叩いて値段を出すお店がある。
その違いは何か?
そもそも、ルースの値段はどのようにして決まるのか、知りたい。」

・・・ちょっと表現を変えていますが、上記のような内容でご質問をいただきました。

実はこれ、結構宝石をルース(裸石)で購入する際に、疑問に思っている方が多いのではないかと思います。説明すると「なんだ!そういうことか!」と、とても単純な計算なのですが、業者によって"統一されていない”という点が、消費者側からするとちょっと混乱するのですよね。

あくまでこれから私がお話することは、「私個人の一意見」となります。全ての業者がそうではないですし、それぞれに考えがあってその方法を取っているものなので、あくまで"参考程度"にお読みいただけましたら幸いです。

結論からもうしますと、基本的にルース(裸石)のお値段は、

"カラット数×単価(その時の相場)”

で計算します。

これは、卸間の取引でも、小売りする場合の値付けでも同じ。
ただ、店頭でのお店による「表示方法が違う」というだけです。

この"単価(その時の相場価格)"というものは、業界内では「キャラガイ」と呼ばれ、「キャラガイ=1カラット(0.2g)あたりの単価」に当たります。

例えば、1カラットあたり50,000円の相場のダイヤモンドがあったとします。これは「キャラガイ50,000円」と表現され、私たち業者は以下のように計算します。

○キャラガイ50,000円の1カラットのダイヤモンドの代金
50,000円×1.00ct=商品代金50,000円(税別)

○キャラガイ50,000円の0.5カラットのダイヤモンドの代金
50,000×0.50ct=商品代金25,000円 (税別)

○キャラガイ50,000円の0.25カラットのダイヤモンドの代金
50,000×0.25ct=商品代金12,500円 (税別)

以上のような感じになります。

要は、「キャラガイ単価×カラット数=商品代金」というわけです。

これはダイヤモンドに限らず、全てのカラーストーンにおいても同じ計算になります。そしてこのキャラガイは、同じ宝石種であってもそれぞれの個体の品質やその時の相場によって変動するので、基本的に「相場モノ」である宝石は、このキャラガイによってその都度、計算されます。

では、なぜ「展示ケースに販売価格が明示されている場合と、その価格を表示せず、"カラット数×単価”のみの表示で、その場で電卓を叩いて値段を出すお店がある」のか?
・・・ということになりますが、これはちょっと一概には言えません。

考えられる理由としては、

○商品代金で表示している場合は、現在の相場如何に関わらず、「仕入れをしたときの仕入れ値(原価)」を基準にして販売価格を決定している。

○相場がそこまで変動する宝石種ではないので、相場を気にせず代金表示が可能な宝石である。

○値札をつけるのが手間なので、その場で電卓を打って金額を提示した方が早い。

などなど、恐らくお店さんによって色々と理由があると思います。

特にミネラル・ショーやミネラル・マルシェに出展されている宝石業者さんは、仕入れて即展示、即販売、その流れで各地の展示会に飛び回り、その最中も仕入れをしながら、常に新しいルース(裸石)を回しているお店が多い。お店の方針にもよるとは思いますが、多くの場合はスピード勝負で、その場で電卓で叩いてしまった方が正確で楽なのです。

ただこれも問題点があり、何よりもご質問者様のように「分かり難い」という難点がありますよね。

結論としては、この表示の違いは

○値札あり→事前にお店が計算して数字を表示してくれている。
○"カラット数×単価”の表示→値札の手間を省いているだけで、値段は"値札あり"と考え方は同じ。

ということになります。

どちらの表示のお店で買っても、どちらが良くてどちらが悪いということではない、ということになりますね。
どうか、ご安心ください(^^)

ただ、消費者側からすると「価格を比較したい」というのが一番にくるので、正直、この"バラバラで統一されていない表示方法”というのは非常に分かりにくいと思います。

お店側からすると、「"カラット数×単価”の表示」のほうが、お客様から「これって、計算するとおいくらになりますか?」と聞いてもらえて会話を始めるきっかけ(チャンス)にもなるので、そういった意味合いもあるのだと思います。

本当は、「商品代金表示」で統一してくれた方が検討しやすいのですが、相場によっては「当日計算」の方がお買い得になったりもするので・・・難しいところです。

とにかく、「"カラット数×単価”の表示」の場合は、お店の方に値段を聞いてしまった方が早いです。その流れで、ちょびっとだけ値段交渉・・・なんてしてみるのも、楽しいと思います(^^)

ここからは余談になりますが・・・。

今現在、私は宝石(ルース、原石)、ジュエリーの"販売"を主に手がけている会社にいますが、二年前までは"販売"に加えて「宝石・ジュエリーの買い取り」もしている会社に宝石鑑定士として所属していました。(←この会社はもうありません)

「ダイヤモンドの買い取り」で検索されたことがある方、いらっしゃいますか?

その当時、検索して出てくる各社のホームページの中で、「買い取り参考価格の表示方法」で問題になることが、結構起こっていたイメージがあります。(他社さんの表示方法についての問い合わせが結構あった)

ダイヤモンドの買い取りにおいても、ホームページの一覧表における価格の表示方法が違ったりします。

例えば、各買い取りサイトでグレードと値段を比較したときに、

<A社>
○1カラット、Gカラー、クラリティSI-2、カットGOOD
→買い取り金額150,000円

<B社>
○0.5カラット、Dカラー、クラリティVVS-2、カットVERY GOOD
→買い取り金額150,000円

となる場合があります。

「あれっ?サイズが倍違うのに、買い取り金額は同じなの?だったら、B社の方が断然、高く買い取ってくれるという事よね!」

と思ってしまいますよね。(上記の例はグレードも違いますが、あくまで例なので、数字だけ見てください)

でもこれ、表示方法が「商品代金」か、「キャラガイ表示」なのかの違いで、決してB社が高いわけではないのです。

結果的に、B社は「キャラガイ表示」で載せているので

150,000円×0.5カラット=75,000円(実際の買取金額)

となります。

でも、本当にサイトが分かりにくい。(特定の会社のことではありません)

もちろん、他社との差別化を図ってなるべく集客するために、ギリギリのラインを攻めざるを得ないのだと思いますが、

○「キャラガイ計算」の表示が小さすぎて見つけられない。
○そもそも「キャラガイ」なんて言われても一般的には何のことか分からない。
○というか、表示が統一されていないから混乱する。

・・・ということが起こるわけです。

特に私は、その前職の「宝石買い取り」をしていた際、お客様から他社さんに売却したときの不満や不安、「だまされたのでしょうか?」というご相談を受けることが本当に多かった。

実際にはそこまで最終的な買い取り金額が変わらなかったとしても、やはり"心証”はだいぶ違いますよね。

私はこの業界に入って20年以上経ちますが、ずっとこの

「お客様が安心して手にすることが出来るジュエリー」

を課題にしています。

でもまだ、全然実現できていない。

価格面でも、使用面でも、手放すときであってもそれは同じ。

ジュエリーは、身に着ける人にとって、とても特別な意味合いを持つアイテムです。

大切な人に贈る。

大切な人から受け継がれる。

大切な思い出を刻んだまま、役目を終えて手放す・・・。

そんな時に、

「これで良かったんだろうか?」

「あのお店で、良かったんだろうか?」

なんて、一瞬でもお客様に不安を感じさせてはダメなわけです。

あらら・・・。
またなんか感情的になって話がズレてきたので、今回はこれで終わりにしたいと思います(笑)

ご質問くださった方、ありがとうございます!ちゃんと聞きたいことの答えになっているといいのですが・・・。

それではまた、次回(^^)♪

<募集>
宝石・ジュエリーの疑問やリフォームの不安な点、疑問点、ご質問などがございましたら記事にしてお答えいたします。お気軽にコメントで残していってください(^^)


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