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【連載第6回】運鈍根【すごい語彙・言の葉たちの詰め合わせ】


0006:運鈍根

1,近江商人の教えだと伝わるが・・・

運鈍根

これは日本の伝統的な成功哲学を代表する至言のひとつでもあり、もはやひとつの単語のような扱いもある。

近江商人の教えだと言われるが、はっきりしない。近江商人といえば「三方よし」が有名である。これはまた別の記事で取り扱う。

もし近江商人の教えだったとして、誰が言い出したのか。初出史料は一次資料としてどこまで信頼のおけるものなのか。はっきりしない。

2,古河市兵衛の座右の銘

明治時代の実業家である古河市兵衛の座右の銘が運鈍根だった。

古河市兵衛は、無一文から始めて古河財閥の祖となった人物であり、「鉱山王」とも呼ばれた人物である。Wikipediaの写真、才気煥発を絵に描いたような、いい顏してるんだ。清濁併せ吞む、器の大きさもにじみ出ている。

誰?と首をかしげた方でも、

・富士通

・横浜ゴム

・みずほ銀行

・古河電工

などの企業名は耳にされたことがあるだろう。他にも数多の企業が「古河財閥」をルーツに持つ。

市兵衛は、

人間の一生は第一が【運】

その次が【鈍】

それから【根】

という言葉を残しており、それが後世に伝わったことは、こちらはもう、明らかだ。

3,でもほんとは根→鈍→運だよなぁ

私はまだ50年くらいしか生きていない。でも別の言い方をすれば100年の半分以上は生きてきた。

その中で肌感覚としていえることは「運鈍根」という言葉は、おおむね正しくて、夏目漱石の「世間は根気の前に頭を下げる」という言葉と共に、大切にしていきたいと考えている。

受験指導歴は30年以上、空手道歴は45年。これらは「根」と「鈍」があったからこそ、続けて来られた。空手道は50歳で足を洗ったけれど、45年間続けられたのは、結局「運」の要素も強いのだけれど、それを支えてくれたのは、「根気」と「鈍感力」だったと、これは胸を張っていえる。

4,「根」は「根気」と「根っこ」

まずは、「根」。まずは「根気」という意味で捉える。これは決してブラックな意味ではなくて、人が成長するのに、どうしても、欠かせないものがある。それは、

負荷

である。

筋トレがわかりやすい。100gのダンベルを10回と、10㎏のダンベルを100回なら、どちらがトレーニング効果が高いか、という話だ。100gのダンベルを見たことは無いが。

過負荷が重なると事故になる。適度な高負荷をかけ続けることが肝要。でもその適度ってやつが難しいのだけれども。

そうして愚直ともいえる「凡事徹底」を根気よく繰り返すことによって、

根っこ

ができる。

根っこの無い人に、私は魅力を感じない。器用に何でもこなせる人には2タイプあって、

・根っこがちゃんとあって、そこから変幻自在に応用させていく人=ホンモノ

・根っこがなくて、表面的にそれっぽく見せているだけの人=ニセモノ

と勝手に定義している。

根気の話に戻ろう。

例えばギターがいくら好きでも、左指の皮は、必ず痛くなる。指も痛くなる。そこに負荷がかかるからだ。

そんなことお構いなしに、マメがつぶれようが、平気で楽しくずっと弾いていられる人が、上達するのは当たり前のことなのだ。

5,「鈍」の力

そう「鈍」なのだ。痛くても、しんどくても、それでも楽しんで続けられるか、たとえ楽しくなくても、歯を食いしばって続けられるか。

そこで鬱病や適応障害を発症するのはなぜかというと、それはその人にとっての限界値を超えてしまったからだろう。別記事で日本最古の過労自殺の記録を取り上げる予定だ。過負荷がいかに人を壊すかということは、後日詳しく述べたい。

しかし、これは紛れもない事実として主張しなければならない。

自分に負荷を継続してかけ続けなければ、成長できない。

その負荷とは、メンタルの負荷も含む。

ギターの弦を押さえる指にマメができて、つぶれた。痛い。なのに全然コードのFが押さえられない。音がちゃんと出せない。

その事実を受けて、

😢「痛いし、できないし、もうギターを好きになれない。」

とおセンチになる人よりも、

😊「痛い笑!ぜんぜん弾けねぇ笑!今日は弾けるようになるまでやめねぇ!ギターたのし笑!」

と意に介さない人や、

😢「痛い!痛い!痛い!でもゼッタイうまくなりたい!あの人の隣で弾き続けるために!」

こういう人は当然、おセンチさん以上に成長しやすいのは言うまでもない。おセンチて死語かな。実は今日初めて使った。

あるいは、文化祭のライブで初めて演奏することになって、全然うまく演奏できなくて、みんなに失笑されて、仲間からも責められたとする。

😢「もう無理だ。オレに音楽は向いていない。小説書く。」

😊「うっひょー楽しかった!武道館に立つまで、今日のこと忘れないぜ!さあー帰って練習やるぜぇ!」

当然、後者の方がもっと上達するだろう。

ポジティブシンキングが常に正しいとは限らない。

しかし、意図的にポジティブシンキングを活用できる人は強い。どこの誰とは言わないけれど。

その積み重ねの結果、得られた成果を「運」と呼ぶのではないか。

6,「運」は少なくとも2種類はある

宝くじにたとえよう。

宝くじを買ったことが無い人と、年間1,000枚買い続ける人。

どちらが当選しやすいか。あくまでも確率論だと私は考えている。買っても当たらないけど、買い続けなければ当たることはない。

概ね、根→鈍の継続、積み重ねの上に「運」があるという説を、私は強く主張する。「概ね」というところがキモだ。

努力した人すべてが幸運に恵まれるなんてことはない。むしろ努力した人の大半は、努力に見合う成果を得られないのかも知れない。

それでも、継続し、積み重ね、築き上げてきたものは、必ず何かしらの結果をもたらしてくれる。どんな結果かはその人次第、ということだ。

もしかしたら、何の努力もなく、苦労せず幸運を手にする人はいるだろうという反論もあるかも知れない。

ところが、それらは「持続可能性の低い」ものなのだ。宝くじで3億円に当選して、ものの数年で自己破産してしまう人は、幸運なのだろうか。それは人生の一部だけを切り取った幸運であって、ほんとうの幸せとは遠い場所にあるものだと私は考える。

「運」には少なくとも2種類あると、私は考える。

・持続可能性の低い運
・持続可能性の高い運

根→鈍の積み重ねによる「運」は、「持続可能性の高い」ものだ。あくまで「高い」というだけで、絶対的保証は何もないのが、この世界のルールなのだけれど。

2025年4月8日、広末涼子さんが逮捕された。傷害の現行犯だという。彼女は16歳でデビューして間もなく、国民的スターになった。類まれなる才能と幸運に恵まれた、煌びやかな芸能人生を歩んでいくはずだった。

だから人生、何が起こるかわからない。16歳の広末さんは、こんな未来、想像もしていなかったと思う。

7,不確実な未来を楽しむために

でもだからこそ、何が起こるかわからないからこそ、

何が起きても、自分がじぶんとして胸を張って生きていけるような、

そんな自分をつくっていこうじゃないか。

運鈍根。手順は根→鈍→運。

あなたもいっしょに。

いい?

わたしはいま52歳で、もうすぐ53歳。何歳まで生きるかなんて、何の保証もない。

でももし、83歳まで元気でいられると仮定すると、

これから新しく何かを初めても、30年のキャリアを手にすることができる。

あなたはどうだろうか?

できるか、できないか、という確率論でいけば、

今日から運鈍根を始めれば、確率がハネ上がる。

「着手」するだけで成功率は確実にアップする。

人生が終わるとき

ああ、あのとき決断してよかった

って、今日が大切なたいせつな記念日になることを、私は強く信じる。

いっしょにどうですか(*´▽`*)ノシ


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