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そらを紡ぐ(月夜の寝ぐせ)【毎週ショートショートnote】

何にも描けないなぁ、と画家はぼんやり空を眺めていた。きれいな空を描きたくて画家になったが、何を描いても灰色まじりの曇天になってしまうので、画家は全く絵が売れなかった。

そんな彼はきれいなつむじを持っていた。きれいに渦を巻いているね、などと人に言われても自分では見えないのでどうにもならない。写真に撮ってみたが、ただの頭の中心ではないか、と画家は落胆していた。

ずっと画家は空を眺めていたが、ふと思い立ち空に手を伸ばした。空をつまんでみると、薄くもちあがったので、そのまま右に捻ってみた。少しだけ皺ができた空を眺めながら、自分の頭もこんな感じで渦ができているのかな、と画家は嬉しくなった。きっと空も同じように寝癖が時計回りになるかもな、と画家は笑った。

画家は次々と空を捩ってみた。大きくしてみたり、小さくしてみたり、月も、星も、何もかもを、全部つまんで右に捩っていった。

同じ空をみた青年はのちに「星月夜」を描くことになる。

<所感>
星がきれいな季節が終わるので寂しい。

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