電子書籍ストアの販売企画ってどんな仕事?――作品の魅力を引き出し「本と読者の出会い」をデザインする――
こんにちは!株式会社ドワンゴ 採用担当の浅田です。
ドワンゴの電子書籍事業の中に「この作品を、どうしたら多くの読者の方に読んでいただけるのか?」を考え抜き、社内外の関係者を巻き込みながら“作品と読者の出会い”を設計していく仕事があることをご存じですか?
今回は、電子書籍ストアで出版社と連携しながら、作品の魅力を見つけ、届け方をつくり、売上を伸ばしていく「販売企画」という仕事についてご紹介します。仕事の概要・やりがい・働き方から「本が好き」「大好きな本をもっと広めたい」という方にこそ知ってほしい魅力まで、BOOK☆WALKERストアで販売企画を担当する西村誠隆さんにたっぷりインタビューしました。

西村誠隆(にしむら ともたか)
2022年にブックウォーカー(現ドワンゴ)に入社。
弊社サービスの基盤・アプリ開発を支えるエンジニア職経験を経て、現在のBOOK☆WALKERストア販売企画業務に就く。好きな本は『フューチャー・イズ・ワイルド』。
1.電子書籍ストアの販売企画とは
——まず、電子書籍ストアの「販売企画」とはどんな仕事ですか?
担当する出版社の売上拡大に向けて、キャンペーンなどの施策を企画し、実行までを推進する仕事です。出版社ごとに担当がついており、こちらから「このタイミングでこの施策を実施し、売上を伸ばしましょう」と提案することもあれば、出版社側から「こういう施策をやりたい」とご相談をいただくこともあります。
その際に重要になるのが、読者に新しい作品を知って読んでもらうにはどうすればよいかを考えることです。BOOK☆WALKERストアはこの部分にまだ改善の余地があると考えているため、割引やコイン還元を設定するだけでなく、時期ごとの特集や「BOOK☆WALKERストア店員のおすすめ本」を紹介する企画などを提案し、作品と読者の出会いを生み出す工夫を重ねています。
——どんな人たちと一緒に仕事をするんでしょう?
出版社をはじめ、社内外のさまざまな関係者と一緒に進めます。
対外的には、出版社と連携しながら施策の相談や条件調整を行います。社内では、バナー掲載やページ設定などの運用を担うメンバーやユーザー獲得や離脱防止の取り組みを行っているマーケティング部署と連携して、「読者にどう本を届けて、どう売るか」を一緒に考えていきます。例えば、キャンペーン等のお知らせの出し方や、獲得した読者のうちどの層にどの作品を届けるかなどを相談しています。
——様々な方と連携しながらキャンペーンなどの販売企画を進めていくんですね。こういった施策は出版社・電子書籍ストアのどちらから提案されるのでしょうか?
両方のパターンがあります。
①出版社からの持ち込み企画
作品の割引施策など、出版社から発信された企画を実施します。
現在行っている別の企画やフェアなどと、いただいた割引施策を組み合わせてキャンペーンを実施することもあります。
②BOOK☆WALKERストア側から発信する企画
新刊発売に合わせてシリーズを伸ばす施策や、出版社を横断して大規模に実施する「全作品コイン還元」などを企画・提案することがあります。出版社からヒアリングを行って売り伸ばしたい作品をキャッチアップして施策に盛り込んだり、年1~2回開催される規模の大きい企画に携わったりすることができます。
——西村さんが行った企画で印象に残っているものはありますか?
BOOK☆WALKERストアの14周年キャンペーンです。「店員のおすすめ本」をクーポンでお得に買える施策を行いました。販売企画メンバーがおすすめしたい1冊のレビューと推薦コメントを書き、ユーザーにはそのレビューを読みながら「この中から1冊選んで」購入してもらう設計にしました。クーポンは1冊にしか使えない形にして、選ぶ体験自体も楽しんでもらえるようにしています。また、この施策をフックとして作品を知ってもらい、続巻購入につなげるという狙いもありました。
ユーザーからは「安い」「すごくお得」といった反響があり、14周年に合わせて定価の14%で購入できる強めのクーポンにしたことも話題になりました。売上金額自体は割引分小さくなりますが、購入冊数という意味ではしっかり伸びた実感があります。
出版社側からも、自社作品が熱量を込めて紹介されること自体が嬉しい、作品を拾ってもらえたのがありがたい、と好評だったと聞いています。割引の強さだけでなく、「作品をちゃんとユーザーに届ける」ことに手応えがあったキャンペーンでした。
——素敵なキャンペーンですね。こういった企画をやる際、一番大変な部分はどこですか?また、やりがいについてもお聞きしたいです。
企画を実行する前に社内で承認が必要なのですが、ここを突破することが大変だと感じています。目的に対して施策が適切か、コイン割引を施策に盛り込む必要があるか、関係部署を稼働させる工数に見合う結果が得られるか——こうした点をロジックで詰め、説明して承認を得て進めています。とても苦労する部分ではあるのですが、使える予算やリソースを最大限生かして、読者へ本を届けるための「最適解」は何かを求め続けるために必要なプロセスだと考えています。
やりがいは「作品を読者に届けられた」と実感できる瞬間です。単に安くして売るだけではなく、企画を通して「この本を読みたい」と思ってもらうきっかけをつくったうえで、大好きな本を、必要としている人にちゃんと届けることができる点がこの仕事の醍醐味だと思っています。
2.働く環境
——初めてこの部署に配属された際、どのような形で仕事を覚えていきましたか?
最初から多くの出版社を単独で担当するというより、サポートやサブ担当から入ることが多いです。施策の流れ、運営チームとの連携、社内承認の「型」を覚えながら、徐々に担当範囲を広げていきます。
——チームメンバーはどんな人ですか?
何かしらのコンテンツが好きな人が多いです。本だけでなく映画やドラマなど様々なジャンルにハマっている人、ライトノベル・小説など特定ジャンルに深く熱中している人、相撲・競馬が好きな人など、それぞれの“好き”を持っていて、それがキャンペーンを企画する際の強みになっている印象があります。またチーム内で話題作や新連載の情報を日常的に共有して、施策検討につなげていく文化があります。
——リモートワークの頻度はどれくらいですか?
月1回の出社日があり、それ以外は基本的に在宅勤務です。
出社日はコミュニケーション目的が大きく、会議室を取って顔を見合わせて話したり、場合によっては食事会を開いたりもします。日常的にチャットでもコミュニケーションがとれていて、孤独感は感じていないです。ちなみに、自分のチームには新卒で入社したメンバーが4名在籍しています。
3.向いている人・必要なスキル
——どんな人が電子書籍ストアの「販売企画」に向いていると思いますか?
単にコイン還元や割引で販売するだけでなく、「誰に・どう届ければ読んでもらえるか」を目的から逆算して施策を設計する必要があるため、作品をどう伸ばすかを考えることが苦にならない人に向いていると思います。
加えて、漫画や本が好きで、話題作や伸びている作品の動きを日頃からキャッチできるなど情報感度が高い人は、施策のネタを多く持っている分、企画を提案しやすいです。
最後に、「読んでほしい理由」をきちんと言語化できる人は、このチームで力を発揮しやすいと思っています。説得力のある紹介文やレビューを作れることに加えて、社内承認の場面では「なぜこの施策が必要か」をロジック立てて説明することが求められるため、自分の企画を通すという点でも特に向いていると思います。
4.電子書籍ストアの「販売企画」の魅力
——最後に、この仕事の魅力を教えてください。
本が好きで、本について考えるのが好きな人にとっては、とても魅力的な仕事だと思います。「どの本を、どうやって魅力的に見せるか」「どんな切り口・手段で、誰に届けるか」を考え、施策として形にしていけます。その結果として、作品が読まれ、出版社の売上が伸び、BOOK☆WALKERストアとしての成果にもつながっていく…この一連の流れを自分たちの企画で動かせるのが面白さです。
また、ただ割引や還元を打つだけではなく、作品の魅力を伝える導線づくりや、届け方の工夫が求められる点もやりがいになります。レビューや紹介文などの言葉の力も含めて、「作品をちゃんとユーザーに届ける」ことを仕事として追えるのは、この職種ならではだと思います。
さらに、自分の「好き」や興味関心を起点に企画を立てられるのも魅力です。たとえば、自分がプライベートで楽しんでいるテーマ(競馬、日本酒など)をフックに関連書籍をどう届けるか、といった発想で施策を考え、実行まで持っていける機会があります。自分起点のアイデアを形にして、ユーザーの行動につなげられるのは楽しいポイントだと思います。
——ありがとうございました。
5.最後に
割引や還元だけに頼らず、作品の魅力と企画の力で“出会い”をつくり、出版社と一緒に売上を伸ばしていく。電子書籍ストアの販売企画は、本が好きな人の熱量がそのまま仕事に生きるポジションだと感じました。
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