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文春を使う側、撃たれる側 玉木代表が同じ日に見せた反転

6月24日、玉木雄一郎代表は文春報道を二つの向きから扱った。片方では斥け、片方では足場にした。同じ人物が、同じ日に。

午後の定例会見で、記者の望月衣塑子氏が高橋茉莉さんの件を問うた。その日の昼に文春電子版が出した、実父の独占告白である。望月氏の質問は、公認取り消し後のバッシングと党のフォローが十分だったか、というもの。これに玉木氏はこう返した。ネットでビュー数を稼ぐための行為が問題を起こしたのではないか、週刊誌報道も含めてそちらに責任があるのではないか、と。

同じ日、玉木氏はXでも文春記事に反論している。「重大な事実誤認」「印象操作ともとれる記述」。

ここまでは、撃たれた側の反応だ。自分と党が標的になった報道に対して、報道の側の動機と正確性を疑う。筋は通っている。週刊誌の記事を鵜呑みにするな、という主張自体は正しい。

ただ、その反論には足元の弱さがある。玉木氏は「重大な事実誤認」と言いながら、どこが誤認なのかを具体的に示していない。代わりに語ったのは、公認を取り消した理由のほうだった。傷病手当を受給しながらラウンジで報酬を得ていた事実があり、健康保険法違反の疑いが濃厚だった、と。誤認の中身は明かさず、取り消しの正当性へ話を移す。

ここで一つ、時系列を確かめておきたい。取り消し当時、党は法令違反の中身を「私人のプライバシー」を理由に明かさなかった。傷病手当という具体的な論点が前面に出たのは、今回の玉木氏の反論が最初に近い。当時、茉莉さん本人が反論していたのは別の論点だった。SNSで広まった「生活保護を受給しながらラウンジで働いていた」というデマに対し、彼女は事実と異なると否定していた。生活保護を受けていたのは中学生の頃の家族であって自分ではない、と。働きながらの生活保護受給はそもそも不正受給に当たらない、という指摘も当時複数のメディアから出ている。つまり、公になっていた争点は生活保護であって、傷病手当ではなかった。玉木氏は、当時公にしなかった論点を今になって持ち出し、そこで正当性を主張している。何が誤認かを示さずに、別の論点で正当性を語る。この運びは、後で見る高市首相の答弁の動きと、形がよく似ている。

問題は、その同じ玉木氏が、別の文春報道では正反対の構えを取っていたことにある。


高市追及での構え

高市首相の中傷動画疑惑。発端は文春の4月29日付スクープで、以降6号連続の報道が続いた。玉木氏はこの件で、首相に説明責任を求める側に立っている。6月24日——茉莉さんの記事が出たのと同じ日——の会見で、玉木氏はこう述べた。「サナエトークンや動画の作成が問題ではなくて、国会でうそをついているかどうかが問題」。

注目すべきは、ここで玉木氏が疑惑の中身そのものを争点から外している点だ。動画を作ったか否かではない。国会答弁が一貫しているかどうか。秘書による「陳述書」提出の動きには「実質的に憲法違反と言われかねない」と国会法63条を引いて苦言を呈し、答弁拒否の姿勢を突いた。攻撃の的は、報道の真偽ではなく、首相の説明態度に置かれている。

首相の側も、答弁を二転三転させている。問題の音声について「確認のしようがない」と言い、翌日には「かなり高い声で違和感がある」と述べ、さらに「自分の声に似ているが確信は持てない」へと移った。確認できないから、似ている、へ。このブレがある以上、説明態度を突くという玉木氏の攻め筋には、それなりの合理性がある。

自分の件では報道の真偽に踏み込んで反論する。高市の件では報道の真偽を脇に置いて説明責任を問う。この非対称が、同じ24日の中に並んでいる。

真偽を、撃つ時と撃たれる時で

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