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選択的夫婦別姓は本当に「世界標準」なのか 〜塩村議員発言から見える議論のズレ〜

2025年11月20日、立憲民主党の塩村あやか議員が内閣委員会で選択的夫婦別姓について発言しました。
「世界の中でもスタンダード」「強制的に同姓をしているのは日本だけ」「これ以上日本が世界に遅れることがないように」と訴え、反対論を「イデオロギー的に騒がれている」と批判しています。

この発言はX(旧Twitter)で大きな反響を呼び、賛否両論が渦巻いています。しかし、この「世界標準」という論法には、いくつか考えるべき点があります。


X上で議論が沸騰

塩村議員の発言を紹介したポストには6千以上の「いいね」がつき、数百件のコメントが寄せられました。「世界に誇れる日本の戸籍制度を守りたい」という声が多く、家族崩壊の懸念や現行の旧姓通称使用で十分という意見が相次いでいます。

一方、支持派は通称使用の限界を指摘し、国際基準に合わせるよう求めています。OECD加盟国で日本だけが夫婦同姓を義務付けているという事実も議論の焦点になっています。

「日本だけ」は本当か

夫婦同姓を法的に義務付けている国が少数派なのは事実です。ただ、「日本だけ」という表現は正確ではありません。他にも同様の制度を持つ国は存在します。

より重要なのは、実質的に夫婦同姓が主流の国と、法律で強制している国を区別する必要があるという点でしょう。選択制を採用している国でも、実際には多くの夫婦が同姓を選んでいるケースは珍しくありません。「選択できる」ことと「別姓が主流」は別の話です。

「みんなやってるから」は理由にならない

X上では「主義、主張は自由だが、理由が『みんなやってるから』としか聞こえない」「『みんなやってる』は物事が正しいかどうかの理由にはならない」という指摘が目立ちます。

まさにその通りでしょう。G7諸国では日本以外が選択的別姓を認めているのは事実です。その意味で「G7のスタンダード」とは言えるかもしれません。

しかし世界全体で見ると、文化や宗教的背景により夫婦の姓の扱いは極めて多様です。欧米基準を「世界のスタンダード」とする視点自体に偏りがあります。

「世界のスタンダードは軍隊を持っている」「スパイ防止法もスタンダードでは?」という皮肉めいた反応も見られました。都合の良い「スタンダード」だけを持ち出す姿勢への疑問です。

文化に「遅れている」という評価は適切か

「文化の違いに『遅れる』なんて表現はそぐわない」というコメントがありました。

夫婦の姓をどう扱うかは、その社会の家族観、個人と共同体の関係性、歴史的な経緯と深く結びついています。これを単純に「遅れている」と断じるのは、文化の多様性を否定する発想ではないでしょうか。

「畳は遅れてるのか?」「木造は石造に劣るのか?」「天皇制は日本にしかないが無くすべきなのか?」という問いかけは、文化相対主義の観点から重要な指摘です。

「制度、文化の違う国を比べても意味ない。今の日本に必要かそうでないかで考えたら必要ない」という意見もあります。日本独自の制度であることが、即座に問題とはなりません。

「歴史的社会的背景を無視してスタンダードなんだって。導入していないのは遅れてるんだって。しかもイデオロギー的になんだって。リベラリズムというイデオロギーの走狗が何を言うか」という室伏謙一氏の指摘は、この論法の問題点を端的に表しています。

議論の建て付けに潜む矛盾

興味深いのは、塩村議員自身が「こうした議論がイデオロギー的に騒がれている」と述べている点です。

イデオロギー的だと批判しながら、その直前に「世界に遅れる」という、まさにイデオロギー色の強い表現を使っています。この自己言及的な矛盾は、議論の構造的な問題を象徴しているように思えます。

「グローバルスタンダード論法」は一見、客観的で中立的に見えます。しかし実際には特定の価値観を「普遍的なもの」として提示し、反論しにくい空気を作り出す効果を持ちます。だからこそ逆に警戒され、「イデオロギー的だ」と批判されるわけです。

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