訂正は届いたのか 朝日新聞広報の警告と、三か月前の数字
虚偽情報には法的に対処する。朝日新聞社の広報アカウントが6月15日、そう表明した。発信者情報の開示請求まで踏み込み、虚偽の投稿を繰り返さないよう強く求めた、と。

このポストの矛先は、自社に向けられたデマである。3月には発信者情報の開示を認める判断が示され、朝日新聞社は初めて法的手続きに踏み切ったと公表していた。事業や組織に関する事実と異なる記述、加工された式典画像、誤った前提の誹謗中傷。それらを看過できないと判断した、と説明している。
その投稿の返信欄に、ある事故の名前が並んだ。辺野古沖の、あの転覆事故である。
三か月前の第一報
2026年3月16日12時24分。朝日新聞は辺野古沖で船2隻が転覆した事故の第一報を配信した。Xにはこう書かれた。「米軍基地移設に抗議する船2隻が転覆」。移設工事に抗議するため、平和丸と不屈丸の2隻に計21人が乗っていた、と。
実際に乗っていたのは、同志社国際高校の生徒18人と乗組員だった。平和学習の一環で沖縄を訪れ、辺野古を見学していた。「抗議活動のため乗船」は誤りだった。
その日のうちに死亡が確認されたのは、女子生徒1人と船長。
訂正が公式Xに出たのは同日21時過ぎ。第一報から、およそ9時間。誤った第一報が画面に出ていた時間である。
訂正は、同じ強さで届いたか
朝日新聞の公式Xは21時過ぎ、元の投稿に返信する形で訂正した。乗っていたのは平和学習中の生徒であり、記事を修正しおわびする、と。
ここに、ひとつの数字がある。
元の投稿のインプレッションは670万を超えていた。訂正の投稿は、約88万にとどまった。
割合にすれば、約13パーセント。訂正は誤報の8分の1にしか届かなかった。誤りを見た7人のうち6人は、訂正を見ていない計算になる。670万に届いた第一報の訂正が、88万で止まった。
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