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高齢者39人から7億円を奪った詐欺〜逮捕の先にある現実

2026年2月25日、不動産会社の代表ら9人が詐欺容疑で逮捕された。

東京・新宿区の「寿不動産」。代表の男は住吉会系の暴力団幹部だった。


手口

関係者がまず高齢者の自宅を訪ねる。「終活支援」という名目で。顔見知りのような距離感で接触し、貯金がいくらあるか、年金はどれくらいか、資産状況を聞き出す。

そのあとにワンルームマンションへの投資を持ちかける。

「銀行に預けるより格段に収益が得られます」「不動産を相続すれば節税になります」

そして物件の価値について嘘をつく。

川越市の物件を300万円で仕入れて、70代の女性には「2200万円の価値がある」と伝えた。横須賀と相模原の2物件を計560万円で仕入れて、80代の男性には「計4000万円です」と伝えた。

販売価格は物件の相場で決まっていない。その人がいくら出せるかで決まっていた。

2022年6月から2023年10月まで。1都3県、70代から90代の39人。総額約7億4500万円。被害者の9割が一人暮らしだった。

同じ月に、もうひとつ

この事件の3週間前、2月5日にも似た事件が報じられている。

千葉県警が逮捕したのは、不動産販売会社「N-Nine」の元社員の男(39歳)。認知症の80代男性にマンションの持分を購入価格の約8倍、約2000万円で契約させた準詐欺の容疑だ。

準詐欺。聞き慣れない罪名だと思う。認知症など判断能力が低下している状態につけ込んで財産をだまし取った場合に適用される。通常の詐欺が「嘘をついて騙す」ことを要件とするのに対し、準詐欺は「判断できない状態を利用する」ことで成立する。

千葉の事件では、容疑者が男性宅に上がり込み、インターネットバンキングの口座を開設させて自分たちの口座に送金させていた。通帳や印鑑は離れて暮らす息子に預けてあったのに、ネットバンキングという別の経路を作った。発覚したのは、その息子が口座から身に覚えのない出金を見つけたからだ。

被害総額は2億円を超えるとみられている。

2月だけで2件。どちらも高齢者にマンションを不当な高値で売りつけている。手口は違うが、狙っている層は同じだ。

なぜ刑事事件になったのか

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