公立病院83%が赤字〜最後の砦が崩れる日〜
総務省が発表した数字に目を疑いました。2024年度、公立病院の83%が赤字。赤字総額は過去最大の3952億円で、前年度のほぼ2倍です。
9月の記事で警告した医療機関の経営危機が、公式統計として現れました。全国平均の赤字率61.2%より20ポイント以上も高い。公立病院で何が起きているのか。
なぜ公立病院は特に厳しいのか
採算の取れない医療を背負う宿命
公立病院には民間病院と決定的に違う役割があります。
24時間365日の救急医療。ハイリスク出産に対応する周産期医療。採算の合わない小児救急。そして感染症や災害医療といった政策医療。
これらはすべて高コスト・低収益の典型です。民間病院が採算性を理由に手を引いた分野を、公立病院が引き受けています。
脳外科の緊急手術を例に挙げましょう。夜間休日に緊急開頭術を行う場合、麻酔科医、看護師、放射線技師、臨床工学技士と多くのスタッフを招集します。人件費だけで数十万円。しかし診療報酬では到底カバーできません。
こうした不採算部門を抱え続けることが、公立病院の宿命です。
身動きが取れない経営体質
公立病院には民間にはない制約が多数あります。
給与は自治体職員に準じた体系。人事院勧告に基づく一律改定で、今回の5.0%給与増も拒否できません。診療科による給与格差もつけにくい。
設備投資には議会承認が必要。診療科の統廃合にも政治的配慮が働きます。赤字体質でも「地域の要望」があれば継続せざるを得ない。経営効率より政治的判断が優先される構造です。
人員配置も年功序列。不採算部門でも職員を抱え続け、民間のような機動的な調整ができません。
コロナ補助金が消えた反動
数字を見れば明らかです。
2020-22年度:黒字(コロナ関連の国庫補助金)
2023年度:2099億円の赤字
2024年度:3952億円の赤字
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