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インターネットはテレビに戻るのか〜双方向メディアの終わり〜

クックパッドの衰退について、ある弁護士が書いていた。「素人のレシピばかりだから廃れた」のではない。「投稿者に還元がないから廃れた」のでもない。ネット上のコミュニケーションのあり方が変わったのだ、と。

思い返せば、あのサイトの価値はレシピの質ではなかった。素人同士がレシピを持ち寄り、「つくれぽ」で感想を送り合う。交流の場だった。レシピを介して繋がること自体が楽しかったのだ。

今、そこに価値を感じる人は少ない。リュウジのレシピを見れば確実で、早い。素人同士で褒め合う必要がなくなった。


双方向の夢

インターネットは「双方向メディア」だと言われてきた。テレビや新聞とは違う。誰もが発信者になれる。受け手と送り手の境界が溶ける。そんな話だった。

00年代のブログ全盛期。何者でもない人たちがブログを開設し、書くことがなくても日記を公開した。互いに訪問してはコメントを付け合う。2chもそうだ。匿名の素人たちが対等に書き込み、罵り合い、馴れ合い、交流していた。

あの熱気を今は見ない。


プロが降りてきた

今のネットは構造がはっきりしている。一握りのインフルエンサーが発信し、大多数がそれを消費する。YouTuber、TikToker、インスタグラマー。何百万人が黙って見ている。

テレビと何が違うのか。

考えてみれば、プロが入ってきた。芸能人、芸人、料理研究家、専門家。彼らがYouTubeやSNSに「降りてきた」。素人同士で交流していた場所に、プロが参入した。

そうなれば、素人の発信を見る理由がない。芸人の方が面白い。専門家の方が正確。プロのレシピは失敗しない。一握りのインフルエンサー以外の素人は「消費者」の側に押しやられる。

発信者と消費者が分離した。テレビと同じ一方向の構造に戻った。


残っている場所

草の根の双方向交流が残っている場所はあるか。

匿名掲示板くらいかもしれない。5chにはプロが入り込めない。匿名だから権威も知名度も関係ない。発言の中身だけで勝負する。そういう場として、かろうじて残っている。

だが5chも衰退している。昔はみんな夢中だった。今の若い世代は存在すら知らないかもしれない。彼らにとっては、インフルエンサーと消費者に分かれた状態が最初から「普通」なのだ。

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