イラン戦争33日目 トランプ「油を獲る」発言の意味
テヘランが暗転した。
3月30日未明、米・イスラエル軍はメフラバード国際空港、イラン中央銀行支店、南部の段ボール工場を空爆した。メフラバードへの攻撃は3月7日、19日、23日に続き少なくとも4回目になる。
北西部タブリーズでは石油化学コンプレックスにも着弾し、緊急チームが消火にあたった。前日夜にはイスラエル空軍が150機以上の戦闘機で首都圏の兵器製造拠点を叩き、120発以上を投下している。破片がアルボルズ州の高圧送電塔を直撃し、テヘランとカラジで停電が発生した。エネルギー省は「変電設備への破片被害」と発表している。
トランプは3月26日に「エネルギー施設への攻撃を4月6日まで猶予する」と宣言していた。送電網は「発電所」ではない。だが1,400万人都市の灯りが消えた事実は同じだ。
停戦の前に壊す
150機の大編隊を出した理由は、NYTが3月25日付で明かしている。「イスラエルは、自国がイランの兵器計画を解体する前に戦争が終わることを懸念し、攻撃を強化する計画だ」。Times of Israelの補足記事はさらに踏み込み、トランプが突然戦争を止める可能性を懸念し、48時間以内にイランの兵器産業を叩き尽くそうとしていると匿名のイスラエル当局者が証言した。CFRの紛争追跡ページも「停戦前に主要目標を叩くためイスラエルは攻撃を加速させた」とまとめている。
防衛相カッツは3月27日に「攻撃はエスカレートし、拡大する」と宣言した。パキスタンでシャトル外交が回っている最中にテヘランを150機で叩く。偶然ではない。停戦テーブルに着く前に既成事実をつくる駆け込み破壊。交渉カードを増やすために壊す、という構造がここにある。
その意思にカネの裏付けがついた。3月30日未明、クネセト(イスラエル議会)は史上最大の国家予算を賛成62・反対55で可決した。総額8,506億NIS(約2,710億ドル)、うち防衛省予算は過去最大の1,430億NIS(約458億ドル)。多正面戦争の継続を、予算で宣言した形になる。
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