OpenAIは1ドル稼ぐのに1.69ドル使う
AIに合わせて、制度の方が曲がる
2026年、巨大な新規上場が三つ並ぶ。SpaceX、OpenAI、Anthropic。AIが勝ち切った景色に見える。だが足元を見ると、勝者の側ではなく、それを受け入れる仕組みの側が先に形を変えている。
黒字化という遠い実体
OpenAIは2025年、131億ドルを売り上げた。そのために約220億ドルを使った。純損失は約90億ドル。1ドルを稼ぐのに、およそ1.69ドルを使った計算になる。
普通のソフトウェア事業と構造が違う。一般的なソフトは利用者が一人増えても追加の原価はほぼゼロだ。AIは違う。応答を一回返すたびに、GPUの電力と時間を実際に消費する。だから利用者が増えても一回あたりのコストが下がらない。使われるほど儲かるのではなく、使えば使うほど赤字が深くなる。
WSJが入手した内部文書では、赤字はさらに急になる。2028年だけで営業損失は約740億ドルに達し、黒字転換は2030年の見込み。Deutsche Bankの試算では、2024年から2029年までの累積フリーキャッシュフローは約1430億ドルのマイナス。これほどの規模の赤字で事業を続けたスタートアップは歴史上存在しない、完全に未踏の領域だとアナリストは書いた。
同じAIでも、Anthropicは様子が違う。今年わずかな黒字、翌年は再び損失、2028年と2029年は黒字を保つ見込み。損益分岐は2028年。OpenAIは黒字に届くまでに、Anthropicの約14倍の現金を燃やす。燃焼率で見ると差は鮮明で、OpenAIは2026年も2027年も売上の57%を燃やし続ける一方、Anthropicは2026年に約3分の1、2027年には9%まで下げる。
実体としての黒字化は、まだ遠い。少なくともOpenAIは、自社の楽観的な見通しでも2030年。この事実を握ったまま、次の話に進む。
指数がルールを曲げる
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