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風俗店出産・赤ちゃん切断遺棄事件、執行猶予になった法律上の理由

2026年3月、東京地裁で一つの判決が下りた。

被告・小原麗(22)は、勤務先の風俗店待機所で出産。その後、都内ホテルで娘の遺体を切断し、胴体をホテルのゴミ箱に、頭部と手足を待機所の冷凍庫に保管した。判決は拘禁刑2年、執行猶予3年。実刑なし。

SNSでは「軽すぎる」「猟奇殺人では」という声が溢れた。気持ちは理解できる。ただ、法律の構造を知ると、この判決は決して異例ではない。


死亡時点が、すべてを決める

日本の刑法では、「人を殺した」場合に殺人罪が成立する。当たり前に聞こえるが、この「人」の定義が核心になる。

法律上、出生時点ですでに死亡していた場合、その対象は「死体」であって「人」ではない

今回の裁判で認定されたのは、「出産時点で赤ちゃんはすでに死亡していた」という事実だ。これが確定した瞬間、殺人罪の構成要件は消える。残るのは死体損壊罪と死体遺棄罪のみ。行為の印象がどれだけ残虐でも、法律上は"遺体の扱い方の問題"として処理される。

この構造は今回に限らない。孤立した状況での出産、死産の認定、そして軽量刑——同じパターンの事件は繰り返し起きている。個人の特殊な事例ではなく、構造的に繰り返される類型だ。

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