血圧の上と下はどう違う?〜高いとどちらが危険なのか〜
健康診断で血圧を測ると、必ず二つの数字が出てきます。上が140で下が90、なんて言われ方をしますが、この二つの数字、実は全く違う意味を持っています。
上だけ高い人、下だけ高い人、両方高い人。パターンは様々ですが、それぞれ体の中で起きていることは異なります。
まず知っておきたい血圧の基準値
血圧の話をする前に、基準値を確認しておきましょう。
正常血圧は、収縮期血圧(上)が120mmHg未満、かつ拡張期血圧(下)が80mmHg未満です。
120〜129/80未満は正常高値血圧と呼ばれ、まだ高血圧ではありませんが注意が必要な範囲です。
そして高血圧の診断基準は、上が140mmHg以上、または下が90mmHg以上。どちらか一方でも超えていれば高血圧と判断されます。
ちなみに家庭で測る場合は、診察室で測るより若干基準が厳しく、135/85mmHg以上が高血圧とされています。リラックスした状態で測るため、病院より低めに出ることが多いからです。
上が高いのは血管の老化
収縮期血圧、いわゆる「上の血圧」が高くなる最大の原因は、血管が硬くなることです。
若い頃の血管は柔らかく、心臓から血液が送り出されるとゴムホースのように膨らんで圧力を吸収します。ところが年齢を重ねると血管壁が硬化し、このクッション機能が失われていきます。
硬くなった血管は、心臓が送り出す血液の勢いをそのまま圧力として反映してしまいます。だから高齢者には「上だけ高い」タイプの高血圧が多いのです。
動脈硬化を進める要因は、喫煙、高脂血症、糖尿病、そして加齢。つまり収縮期血圧の上昇は、血管の老化そのものと言えます。
下が高いのは血管が締まっている
一方で拡張期血圧、つまり「下の血圧」が高くなるのは、末梢の細い血管が締まっているからです。
心臓が拡張している時の血圧は、体の隅々にある細動脈がどれだけ収縮しているかで決まります。これらの血管が締まっていると血液が流れにくく、拡張期でも圧力が下がりきりません。
末梢血管を締める要因には、ストレスによる交感神経の緊張、肥満、塩分の摂りすぎ、運動不足などがあります。比較的若い世代で「下が高い」人が多いのは、こうした生活習慣が背景にあるためです。
どちらが怖いのか
結論から言えば、上が高い方が危険度は高いと考えられています。
多くの研究で、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気のリスクは、下の血圧よりも上の血圧の方が強く関係することが分かっています。
特に中高年以降では、収縮期血圧が10mmHg上がるごとに、脳卒中のリスクが約30%、心筋梗塞のリスクが約20%増えるとされています。
なぜ上の方が怖いのか。それは血管へのダメージが大きいからです。
心臓が収縮する瞬間、血管壁には最大の圧力がかかります。この圧力が高ければ高いほど、血管内側は傷つきやすく、動脈硬化が加速します。さらに硬くなった血管に高圧がかかり続ければ、脳出血や大動脈解離といった命に関わる合併症のリスクも跳ね上がります。
ただし下の血圧が高いことを軽く見てはいけません。特に若い世代では、下の血圧が高いことが将来の心血管疾患リスクの指標になります。40代以下で拡張期血圧が高ければ、それは血管が常に緊張状態にあることを意味し、放置すれば確実に動脈硬化へと進んでいきます。
年齢で変わる注目ポイント
興味深いことに、年齢によってどちらの血圧を気にすべきかが変わってきます。
若い世代では下の血圧の方が心血管リスクとの関連が強く、中年以降は上の血圧の重要性が増していきます。そして高齢者では、上の血圧が圧倒的に重要な指標となります。
これは加齢とともに血管が硬くなり、上の血圧が優位になっていくという自然な流れを示しています。
もう一つ注目すべきなのが、上と下の差です。上が170で下が70のように脈圧が大きい場合、血管の硬化がかなり進んでいることを意味し、これ自体が独立した危険因子とされています。
下が下がらない時の対処法
ここから先は

よろしければ応援お願いします!チップはnote更新用のPC購入費用に当てる予定です。よろしく!
