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ネタバレあり【徹底解説】「ツインピークス・リターンズ」

この記事は、2022年05月08日に自分のホームページで公開したものになります。

はじめに


25年ぶりにアメリカTVドラマ「ツインピークス」の続編が製作されました。そこでこのサイトではネタバレありで、この一見難解な作品を解説したいと思います。

*最初からネタバレありでいくので未見の方はご注意ください。
*作者のデビッド・リンチによりタイトルが「the Limited Event Series」となりましたが、このサイトでは便宜上「リターンズ」のままでいきます。


結局、どういう話?

前作の最後でブラックロッジから帰還したクーパーは悪霊キラーボブに取り憑かれていました。
そして、戻ってきたのはクーパーのドッペルゲンガー(分身)でした。
そこで本物(?)のクーパーがブラックロッジから戻ってくるのが本筋です。

ストーリーは善と悪のクーパーそれぞれで進む

前作でローラから「25年後にお会いしましょう」と言われていたクーパーですが、実際に25年後、悪霊ボブに取り憑かれたクーパーの分身(以下から悪のクーパーと呼びます)と交代で戻れるようになっていました。(大自然の法則?)
しかし、悪のクーパーの策略でもう一体クーパーの分身が作られていました。そのせいで本来悪のクーパーと入れ替わりで戻って来れるはずだったクーパーはそのもう一体のクーパーの分身、ダニーとして現世に戻ってきます。(以下から善のクーパーと呼びます)

そこで舞台は

善のクーパー→彼の会社と家庭とカジノ

悪のクーパー→彼とその部下の活動

となります。

まず、善のクーパー

現世の時間で25年間、異次元に閉じ込められていたが、ダニーとして現世に復活。
しかし、捜査官としての記憶は無く、幼児のような知能として生きる。
(ここが長い時間、ユーモアたっぷりに描かれます)
そして、ある日テレビから「ゴードン・コール」という声を聞いて思い出しかけ、コンセントの電気ショックにより記憶が復活。
FBIメンバーを連れツインピークスの保安官事務所で悪のクーパー(悪霊ボブ)を退治。異次元のジェフリー元捜査官の力を借り、過去のローラ殺人事件を回避する。

そして、善のダイアンと共に、死ななかったローラを探しに別のパラレルワールドに向かう。そこでローラらしき人物と出会い、ツインピークスのローラの家であった場所に行くが、パーマー家族がいた証拠は探せず、ローラらしき人物の正体も不明のまま今回の物語は幕を閉じる。

次に、悪のクーパー

悪霊ボブに取り憑かれ現世に出て25年、犯罪組織を動かしながら「ジュディ」と呼ばれる悪の根源的な力と出会える「座標」を探している。そのために異次元に連れ戻されるはずだったのを、身代わりにダニーを異次元に送り、難を逃れる。
悪の組織の人間に間接的にダニー(善のクーパー)や座標を調べるのに関わった人物などを殺害させる。

最終的に3つの座標の情報を手に入れる。

1、部下のレイからの情報
2、ジェフリー元捜査官からの情報
3、悪のダイアンからの情報

1と2は同じ場所を示し、3だけ違っていた。1と2の場所へは自分とオードリーの子であるリチャードを行かせるが罠で、リチャードは爆死。
3はツインピークスの保安官事務所前へと転送される。
この3も善の霊の罠であり、「消防士」と名乗る巨人の姿の霊が用意した、「緑色の手袋のメガトンパンチの男」の活躍により文字通り粉砕される。
(悪のクーパーだけで無く、悪霊ボブも)

大筋の流れとしては以上です。

映画「ツインピークス ローラパーマー最後の7日間」について

ツインピークスのテレビシリーズ前作しか観ていない方にとっては、だいぶ不可解だと思われます。もしテレビシリーズしか観ていないなら映画「ツインピークス ローラパーマー最後の7日間」を観てください。
この映画は前テレビシリーズの過去が描かれて分かり易くなると思いきや、前半はローラパーマー殺人事件の前のテレサ・バンクス殺人事件を扱っており、もっと分かりにくくなっています‥
また、この新シリーズのキーパーソンであるジェフリー元捜査官がほんの少しだけ登場します。(デビッドボウイです)
逆にこの映画で謎だった部分はこの新テレビシリーズで明らかになりました。
未見の方は、先にご覧ください。

善と悪

今回は、はっきりと善と悪をはっきりと分けています。

善側
「消防士」と名乗る巨人
片腕の男マイク
マイクの切り落とされた腕
オペラ歌手のような女性
ローラ
目を閉じられた女性
ジェフリー元捜査官
ブリックス少佐

悪側
「火くれ」おじさん
黒いホームレス集団
ツノのある怪物
セーラ・パーマー

一つ一つ解説します。

善側

*「消防士」と名乗る巨人
firemanなので消防士であってますが、ニュアンス的には「火消し」の方が分かりやすいかもしれません。
「火」は「火よ我と共に歩め」と悪霊たちが言っている様に、悪の比喩なので、「悪を倒す者」で良いのかと。
前TVシリーズではホテルの客室係の長身の老人の霊的姿(?)として登場しました。

*片腕の男マイク
直接、現世のダニーを助けています。
元はボブと共に悪霊だった様ですが「火よ我と共に歩め」と彫ったタトゥーがある左腕を切り落として善の霊となりました。

*マイクの切り落とされた腕
こちらは前TVシリーズでは小人の姿をとっていました。「火よ我と共に歩め」と彫ったタトゥーがあったため、前作では完全に善の側という感じではありませんでしたが、今回は善の側です。
樹木のような外見で、「パワーアップした」と作品内で言われていますが、製作上は俳優さんが出演できなかったためオブジェになってしまいました。

*オペラ歌手のような女性
善側の女王の様な役割なのでしょうか?
核実験により生み出された悪霊「ツノのある怪物」や「ボブ」に対抗するため、善の霊「ローラ」を生み出します。

*ローラ
前述の核実験の描写で生み出されたところをみると、単なる一女性というよりは、善側の霊の受肉した姿の様です。

*目を閉じられた女性
裕木奈江さんの演じる異次元の謎の存在。クーパーの味方の様ですが、ブリックス少佐が息子の保安官ボブに託した座標で発見されて、保安官事務所に匿われます。
正体は本物のダイアンでした。

*ジェフリー元捜査官
映画「ツインピークス ローラパーマー最後の7日間」で失踪している事がわかったFBIブルーローズチームの元メンバーでゴードン・コールの元同僚。失踪する前ブラックロッジに入り、異次元から出入りできる存在になったらしい。
今作では、やかんの様なオブジェになって、人としての姿ではない状態で登場する。
製作上は演じていたデビッド・ボウイが病気→お亡くなりになり、出演できなかった為。
異次元に常駐しており悪霊たちを倒そうとしているらしい。電話を通してのみ現世に干渉。

*ブリックス少佐
異次元に頭部のみとなって存在し続けている。
悪のクーパーを倒そうとしている。

悪側

*「火くれ」おじさん
悪霊軍団の中でも雑魚ではないらしい。
ショッカーで言うところの怪人レベルなのかな?
現世に出て素手で人を殺したり、ラジオから不吉なメッセージを流して人間を昏倒させたりしている。

*黒いホームレス集団
前作の悪霊ボブなど悪側はよく言えばワイルド、悪く言えば汚い格好をしている。
ショッカーでいうところの戦闘員達という感じです。
この悪霊の軍団は悪のクーパーが物理的に殺されても集団で登場して触り、傷を治してしまう力を持つ。また「火くれおじさん」のように素手で人を殺す。

*ツノのある怪物
悪のクーパーが手下のダーリャに尋ねた、トランプのツノの様なもののある黒い物体。
ニューヨークの機械に現れ、バカップルを殺した。
1945年の核実験で生み出された。(?)
ホークの持っていたアメリカ原住民の地図に描かれてもいる。ホークはこの絵が何を表しているか聞かれると「知らない方がいい」と答えている。話の流れからして悪霊と思われる。

多分、これが「ジュディ」で悪のクーパーがこれと出会える座標を探していたと思われる。

*セーラ・パーマー
ローラの母親。
顔を開けると光に溢れていたローラと違って、顔を開けると闇だった。
バーで下品に声をかけてきた男を殺しているし、若い時に虫の様なものに口から入られている。

このセーラこそがラスボスとなるかもしれません。(もし次回作があれば‥)

以上が今回のシリーズの「善と悪」です。

note追記 まとめ

2025年1月16日
監督のデビッドリンチがお亡くなりになりました。
いかにも続編ありきな結末だったので、今回こそ、きっちりと結末をつくって欲しかったです。
パラレルワールドでの生き残った善の化身ローラをどのようにして救い出すのか?
悪の化身であるセーラを、どうやって倒すのか?

まあ、今回のボブ退治は、メガトンパンチマン(?)の活躍で一瞬で終わったので、最後はこんな感じなのかな?とも推測しております。

メイン脚本のマーク・フロストは、まだご存命なので、最悪、別の監督で続編もありなのかな?とも思っています。

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