新人看護師・看護学生のための病態生理シリーズ 第2部 Vol.2心筋梗塞とは?
新人看護師・看護学生のための病態生理シリーズ 第2部 Vol.2
心筋梗塞とは?
~心臓の筋肉が壊死する仕組みと緊急対応を理解しよう~
はじめに
「胸が締め付けられるように痛い。」
この訴えを聞いたとき、救急外来で最も優先して考えなければならない疾患の一つが心筋梗塞です。
心筋梗塞は、一分一秒を争う病気です。
治療が1時間遅れるだけでも、救える心筋が減り、命に関わる可能性が高くなります。
だからこそ救急外来では、
「Door to ECG 10分以内」
「Door to Balloon 90分以内」
を目標に、迅速な対応が行われています。
今回は、心筋梗塞の病態と初期対応について学びましょう。

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心筋梗塞とは?
心筋梗塞とは、
心臓へ血液を送る冠動脈が閉塞し、心筋へ酸素が届かなくなり、心筋が壊死する病気
です。
一度壊死した心筋は元には戻りません。
そのため、
できるだけ早く血流を再開させることが最も重要です。

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冠動脈とは?
冠動脈は、
心臓そのものへ酸素や栄養を送る血管です。
主に3本あります。
- 左前下行枝(LAD)
- 左回旋枝(LCX)
- 右冠動脈(RCA)
閉塞した血管によって、
心電図変化や症状が異なります。

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なぜ心筋梗塞になるの?
最も多い原因は、
動脈硬化
です。
血管内にできたプラークが破れると、
血小板が集まり血栓ができます。
その血栓によって冠動脈が完全に閉塞すると、
心筋梗塞になります。

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主な症状
代表的な症状は、
- 強い胸痛
- 胸部圧迫感
- 冷汗
- 呼吸困難
- 嘔気・嘔吐
- 顔面蒼白
- 放散痛(左肩・左腕・顎・背中)
です。
高齢者や糖尿病患者さんでは、
胸痛が目立たないこともあります。

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STEMIとNSTEMIの違い
STEMI
冠動脈が完全閉塞した状態です。
心電図でST上昇を認めます。
緊急PCI(カテーテル治療)が必要です。

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NSTEMI
完全閉塞ではありませんが、
心筋障害が起きています。
ST上昇はありませんが、
トロポニンなどの心筋逸脱酵素が上昇します。
こちらも早期治療が必要です。

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心電図で何を見る?
救急外来では、
12誘導心電図を10分以内に実施
することが推奨されています。
ST上昇の部位から、
責任冠動脈を推測できます。
例)
- V1~V4 → LAD
- II・III・aVF → RCA
- I・aVL・V5・V6 → LCX
心電図は時間経過で変化するため、
必要に応じて繰り返し記録します。

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心筋逸脱酵素とは?
心筋が壊死すると、
血液中へ酵素が放出されます。
代表的な検査は、
- トロポニン
- CK
- CK-MB
です。
特にトロポニンは、
心筋障害を評価する重要な指標です。

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治療
心筋梗塞では、
閉塞した冠動脈をできるだけ早く再開通させます。
主な治療は、
- PCI(経皮的冠動脈形成術)
- 抗血小板薬
- 抗凝固薬
- 酸素投与(必要時)
- 硝酸薬(適応を確認)
- 鎮痛
などです。

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救急外来での看護
看護師は、
- 12誘導心電図を迅速に記録する
- バイタルサイン測定
- 静脈路確保
- 採血
- モニター装着
- 胸痛の変化を観察
- 医師・カテーテル室との連携
などを迅速に行います。
時間との勝負になるため、
チーム医療が重要です。

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観察ポイント
心筋梗塞では、
- 胸痛の程度
- 呼吸状態
- 血圧
- 心拍数
- 不整脈
- 意識レベル
- SpO₂
- 冷汗
- 尿量
を継続的に観察します。
また、
致死性不整脈や心原性ショックにも注意が必要です。

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勉強のコツ
心筋梗塞を理解するポイントは、
「血管が詰まる」ではなく、「心筋が酸素不足で壊死する」
というイメージを持つことです。
また、
12誘導心電図と責任冠動脈をセットで覚えると、救急外来での理解が深まります。
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まとめ
- 心筋梗塞は冠動脈の閉塞によって心筋が壊死する病気
- 最も多い原因は動脈硬化による血栓形成
- 胸痛・冷汗・放散痛は重要な症状
- STEMIは緊急PCIが必要
- 12誘導心電図は10分以内が目標
- 看護師の迅速な初期対応が患者さんの予後を左右する
心筋梗塞は「Time is Muscle(時間は心筋)」と言われるほど、治療開始までの時間が重要です。
救急外来では、「胸が痛い」という訴えの裏にある重篤な疾患を常に意識し、迅速に行動できる看護師が患者さんの命を救います。

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次回予告
新人看護師・看護学生のための病態生理シリーズ 第2部 Vol.3
「狭心症とは? ~心筋梗塞との違いを理解しよう~」
安定狭心症・不安定狭心症・冠攣縮性狭心症(CAS)の違い、胸痛の特徴、ニトログリセリンの作用、救急外来でのアセスメントまで分かりやすく解説します。
