見出し画像

「10年前にこの記事を書きたかった」ヴィレヴァンの路面店の魅力の話

ヴィレッジヴァンガードの路面店は大げさに言うと、サブカルの歴史的文化遺産だ。
大げさに言うとね。

なんで10年前にこの記事を書いておきたかったかというと、
もう路面店が絶滅危惧種だからだ。魅力を語ってももうほぼない。

路面店が、こんなにも無くなっていくとは思っていなかった。

ちなみに路面店とは、道路に面した独立店舗のこと。
商業施設の中に入っているテナント型は、インショップなんて呼ばれていました。

自分が働いていた大阪アメ村店も2022年に閉店。
地元でヘルプにもいったことのある京都の新京極店も、今月で閉店します。

閉店前のアメリカ村店
本棚にアーティストの方に絵を描いてもらう文化があった
壁にも描かれているが、これももう、観れない。


東京でも、御茶ノ水店が2020年に閉店。
同年には自由が丘店、三軒茶屋店も閉店。
2010年代にはあれだけ存在していた路面店が、まさかここまで減るとは・・・

これは三茶店で閉店するということで行って、洋書を買った時の。


ヴィレッジヴァンガード発祥の地である名古屋ですら、
名古屋中央、イーストが閉店。
岡崎店、そして本店までもが閉店予定となってます。

※閉店情報は以下のサイトを参考にさせていただきました。
ヴィレッジヴァンガード閉店情報まとめ
(こうみるとインショップもがっつり減ってるな・・・)

閉店の理由については、もう色々なところで語られているので、あえてここでは触れません。

むしろ自分としては、短い間でしたが、あの場所で好き勝手やらせてもらえたことの方が大きかったです。


路面店は「サブカルの博物館」だった

大袈裟に言えば、ヴィレヴァンの路面店はサブカルの歴史博物館だった。

魅力は、とにかく「見たことがないもの」があること。

見てください、こんなでかいKISSの看板、
イオンの店にありますか?あったらおかしいでしょ!

そんな「見たことがないもの」が、
ネットの画像や切り抜きではなく、現物として置いてあった。

インショップにはない自由さというか、
まだ無毒化されていない時代の空気がそこにはありました。

入口には、なぜか若かりし頃の柳沢慎吾のブロマイド。
天井には骸骨。
本棚の上に「これ何十年ここに置いてあるの?」みたいな雑貨。
そして他の書店では絶対に見かけない本。(「〇〇〇。〇X」という怪しげな草系の本とか、ね。)

ジャンル分けも曖昧で、棚に思想が混ざっていた。
雑貨屋なのか、本屋なのか、CDショップなのかも分からない。

でも、だからこそ面白かった。


ヴィレヴァンがカルチャーの登竜門だった

自分が初めてヴィレヴァンを体験したのは、京都の北山店でした。

当時はまだ「ヴィレヴァン」という名前すら知らず、ふらっと入っただけだったのですが、その空間は本当に異様だった。

地下もある構造で、下に降りるほど空気がディープになる。

高校生だった自分には、その空間すべてがカルチャーそのものだった。

そこで初めて知る映画。
そこで初めて見る雑貨。
そこで初めて出会う音楽。

10代で聴いた音楽が生涯に影響を与えると言われるように、
あの場所で触れたカルチャーが、今の自分をかなり形作っている気がします。

北山店は2014年に閉店。


その後は、京都三条店にもよく通いました。
(新京極ではなく、新風館に入っていた方です。)

そこでHOLGAをはじめとしたトイカメラを知って、お香を買って、真鍋かをりの旅行記の本を買い、外のテラスで読んでいた。

今思えば、あの店は「物を買う場所」というより、自分の趣味や感性を発見する場所だったんだと思います。

三条店は2016年に閉店。
新風館がリニューアルする関係での閉店だった気がする。


自分はよく、閉店してしまった各店のTwitterアカウントを見るのが好きでして、
でも、これももうXの仕様で見れなくなるのかもしれないと思うと・・・。


だれか、全国の写真を集めて路面の本を出してほしいぐらい。
Xの各アカウントもなくなると思うと、もうみんなの記憶の中だけのものになる。
寂しい。


路面店は「目的がない人」のための場所だった


今はアルゴリズムが「あなたに合うもの」を勝手に出してくれる時代。

でもヴィレヴァンの路面店って、真逆で、
目的がない人が、偶然で人生を変えられる場所だった。

欲しいものが決まっていないのに、店内を徘徊していて、
そして帰る頃には、自分でも意味のわからない雑貨を買っている。
別に食いたくないのに、お祭りで買っちゃうリンゴ飴のような感覚。

でも、その「無駄」がめちゃくちゃ重要だった。

効率ではなく、寄り道でカルチャーに出会う場所。

だからこそ、路面店が減っていくことに、
単なる閉店以上の寂しさを感じるのかもしれません。

本店も会長的にずっと残していくもんなんだと思っていたけども、
ずっとあるとはもう限らない・・・。

だからこそ、もうすぐ閉店の本店や新京極、
そしてまだ閉店はしないだろうけど、下北沢、高円寺にも行ってください。


見てほしいのは、商品棚だけではなく、
店の外観、遊び心のある天井、レジ前のゴチャゴチャしたところ、
なんか軋む床、下の方に隠すように押し込まれている商品。


それらの風景はもう、いつまでもあるものではないんです。


2023年、本店を見に行った時の写真


いつまでも
あると思うな
親と路面

10年前に書いてたからどうなってたわけではないと思うけど、想いは一つだけ。
路面は素晴らしい。

いいなと思ったら応援しよう!

おたわ|サブカル・エッセイ チップをいただいた際はむせび泣いてます。 泣くだけではなく、むせび泣いてます。 チップのしがいがあることで定評があります。

この記事が参加している募集