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第5章:脳の稼働[高次脳機能障害と向き合う]

子供、嫁の名前を言った‥

嫁は主治医に「喋れないことを覚悟しといて下さい」と言われてたので、私が名前を言ったことに対して大感激してました。でも私はチンプンカンプンでそんな大変なことなのかと。
ただ嫁が一生懸命に単語を教えたのを覚えています。何故か私も頑張らなくてはと‥。
とりあえず第一関門突破です!

しかしながら、息子と娘の名前、左右、上下等‥言い間違いが多く、目では分かっているのに反対の言葉が口から出るのはどうしてなのか‥。分かる訳ないですよね‥。
(後々、退院して分かったのですが、高次脳機能障害の一部の「失認」「失効」なんです。新しいことが覚えられないことも高次脳機能障害の一部「記憶障害」‥。「あちゃー」‥高次脳機能障害のバカ‥。)

でも、頭のボーっとしたものが少しずつ取れてきたような感じがして、『脳のお目覚めだ』と。その日を境に「早く仕事に戻らないと」とか、「自分を取り戻すために」とか、自分のことしか考えていませんでした。情けないですが‥。

チンプンカンプンの中、少しピントが合ってきたことに何かしら安堵していた私です‥。

話しが外れましたが‥。
嫁との訓練?で徐々に単語が増えて来ました。
言語聴覚士さんとのリハビリでも固有名詞のカードは答えられるようになりましたが、次の一歩の「動作」がサッパリ。例えば「女の子が歌を歌う」と描かれたカード、どうしたらいいのやら‥。

しかし「動作」が少しずつ言えるようになった。
たどたどしく「女の子+歌+歌う」という感じでした。その後、歌を歌うことに発展しました。
イルカ「なごり雪」、オフ・コース「さよなら」、荒井由美「卒業写真」が印象に残っています。

身体の方は相変わらず「モビルスーツ」と右手のリハビリです。何度やっても立ち上がるときの恐怖は忘れられない‥。

看護師さんとは目で合図、片言の日本語で何とかなりましたが、中には意思疎通が出来ない人がいるようでした。

『早口で何を言うとんかい、貴様は宇宙人かい!』と思える人が‥。
ただでさえ言葉が理解出来ないのに!

ある日、看護師さん2人と言語聴覚士さんとで用事が被ったときがありました。早口な看護師さん、言語聴覚士さん、お互いに引かずヒートアップ‥。果たしてどうなるのか‥。最終的に言語聴覚士さんが勝ったのでした! 

「ざまあみろ、強い味方がいるんだ、参ったか!この宇宙人!」と心の中で叫びました!
そして今からリハビリで「歌を歌うんだ」と意気揚々‥。(カラオケかよ!)
日頃のストレスを発散したのでしょうね。

優しい看護師さんがいた病院でしたが、あの2人だけは私と全く合いませんでした。
いるんですね‥チンプンカンプンな脳と戦っているのに‥。でも、いろいろな患者が運ばれてくるし、しょうがないか‥。

それにしても、まさか、宇宙人と戦うはめになるとは‥。しかも全敗しましたけど‥。

当時はストレスMAXでしたが、回復病院にはそれを超える逸材がわんさかと‥。

次は回復病院に移転したときの話しをします。
ありがとうございました。


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