朝ドラと母の記憶
4月(実際は3月31日)から、母と一緒にNHK朝ドラ「あんぱん」を見ている。
始まる前のことも少しだけ書き留めておこう(^^)
「虎に翼」と母
私は2024年3月末、36年勤めた会社を退職した。
やっとできた自分の時間。
どう過ごそうかと迷っていたとき、
「私、親孝行らしいこと何もしてないなあ」思った。
ふと、老人ホームに入っている母と何か一緒にできないか……と。
そんなとき、「虎に翼」のCMが目にとまった。
日本初の女性裁判官になった三淵嘉子さんがヒロイン。寅子だ!
寅子は1913年生まれ。
母は1930年生まれ。
世代が近い!!
戦前、戦中、戦後を生きた寅子の生涯を一緒に見ながら、
母の昔話をたくさん聞くこととなった。
母との毎朝のルーティン
朝6時に起きて、7時40分に母のホームへ。
着替えを手伝って、8時には一緒にテレビの前へ座るのが毎朝の目標。
母はトイレ行ったり、寝ぼけていたり、着替えに時間かかったりで
ドラマに間に合わない日もあったけど、そんなのへっちゃら。
15分くらい見逃しても、93年生きてきた母には何てことない。
朝日が眩しいから、カーテンを閉めてと母は言う。
さあ放送開始。
母はホームの朝食、私はコンビニのカフェラテとおにぎり(^^)
でもだいたいは番組に夢中で、朝食は手つかず。
8:15に番組が終わり、「つづく」でふ〜っと一息。
「じゃあ、食べよっか」ってなる。
寅子に重ね合わせ、母が思い出を語ってくれる
母はたくさんの思い出を話してくれたが、
戦前からおばあちゃんは職業婦人だった話もしてくれた。
弁護士となった寅子を見ながら、
母は、母親のことを、"おばあちゃん"と呼びながら、
「おばあちゃんは戦前から職業婦人だったの。
小さい時に両親を亡くして、親戚に預けられながらの苦労人で、
勉強だけを頑張って、師範学校に入って、小学校の先生になったの。
西桜小学校ってところで先生になって、
学芸会の演出とかも好きだった。
"何とか豆の煮えるまで"みたいなタイトルで、
まるで宝塚みたいだったわよ。
他の学校の先生も見にきて大変よー。」と。
でも家は、、、
「その代わり、家はとっ散らかり。
おじいちゃんもいい迷惑だったでしょうね(笑)」
「虎に翼」では、夫からDV被害を受けた女性が離婚訴訟を起こし、「母の形見の着物だけは返してほしい」と願う場面があった。
男尊女卑なエピソードを見て、母に「おばあちゃんだったら、どうしたと思う?」と尋ねたら、
「今の時代だったらおばあちゃんは勇ましく生きたかもしれないけど、
あの時代はただただ黙って我慢したんじゃない….」と。
こうして自分に重ね合わせ、昔話をしてくれる日もあれば、
「難しくてわかんな〜い!」って日もあった。
なんせ「虎に翼」の後半は登場人物もどんどん増え、年月が飛ぶ飛ぶ。
裁判の内容も重く、母がついていけない日も多かった。
そして母の口癖が「半年じゃ無理よー」だった。
たしかに、寅子の波瀾万丈な人生を半年に詰め込むのはキツい。
それでも6ヶ月間、最後まで一緒に見ることができた。
「あんぱん」でまた母と繋がる
「おむすび」は現代過ぎて、母には合わなかった。
今回の「あんぱん」は、再び母の人生と重なる。
母は1930年(昭和5年)生まれ、四人姉妹の二女。
戦前は東京の山脇女学校、戦時中は山口県大島の久賀女学校。
そして「学校の先生になりなさい」と母親に勧められ、師範学校へ!!

制服がカッコよくて、皆んなの憧れだったの♡
「あんぱん」のヒロイン・のぶは1918年(大正7年)生まれ、三人姉妹の長女。
師範学校に通い、体育の先生を見ざしている。
なんか似てる!!親近感!!

テーブルにはやなせたかしの絵本「ぼくアンパンマン!」を置いて、見ている!!
母は94歳に
去年、「虎に翼」のとき、母は93歳だった。
今は94歳になり、少し変わってきたことがある。
認知症が進み、3秒前自分が言ったこと、やったことを忘れる。
集中力も落ち、会話していないと、すぐ寝てしまう。
耳も遠くなった。
テレビの音量を90にしないと聞こえない><
その音量では私が無理なので、字幕を出して見ているが、字幕が大き過ぎて、
母は「絵を邪魔するじゃないのー!」と文句たらたら(笑)
「仕方ないよ〜。音が90だと私が頭痛くなるもん」って、
妥協しながら一緒に見ている。
母との日々からの気づき
日々、一人でできないことが増えていく母だが、
自分が生きてきた時代の記憶はたくさんある。
それが嬉しい!!
穏やかだった小学生時代、戦争を迎えた女学生時代、
終戦後、師範学校から大学へ進み、タイプライターも学んで、社会人へ。
これからも「あんぱん」と共に母の思い出がぽろぽろとこぼれるのが楽しみ(^^)

私自身はコンビニのカフェラテはやめ、
朝、自宅でコーヒーを淹れ、タンブラーに入れて持参するようになった。
電車の中で飲むと、ちょっとした旅気分になる。
こんな幸せな朝時間を暫く続けていきたいと思う。
